2014年06月18日

ハーグ派展いってきた。

先週末は、久しぶりに美術館にいってました。春から行こう行こうと思ってたのにあれこれあって、気づいたら会期末が近づいてたので。東郷青児美術館「オランダ・ハーグ派展」という企画展です。「ゴッホの原点 近代自然主義絵画の成立」なんていう副題で煽ってますが、ゴッホとかは期待したらいけません。基本的に、19世紀後半のオランダのハーグを中心に制作活動を行っていた風景画家たちの作品と、彼らにインスピレーションを与えたフランスのバルビゾン派の作品が中心です。

まあ、ひと言で言っちゃうと地味な展覧会なんですけど、でもこういう「とりあえずこの作品だけ推しとけ!」みたいな「目玉」がいまいちないような企画展って、逆にキュレーターの腕の見せどころみたいなところがあって、面白いことが多いんですよね。目玉として一応ゴッホとかモンドリアンとか置いてますが、でも観て断然面白いのは前半のバルビゾン派とハーグ派です。といっても基本的にモチーフは自然の風景か、農民とかなんですけど。

やっぱり面白いのは、バルビゾン派にせよハーグ派にせよ同じような場所で大勢の画家が同じようなテーマで絵を描いてるわけで、そんなのポンと一点だけあっても「ふーん」で終わっちゃうかも知れないんですけど、これがいろんな画家の作品が並ぶとやっぱり画風というか、この人のにはぐっと心をつかまれるなとか、逆に上手だけどこの人のは全然刺さらないなーとか、そういう違いが浮かび出てくるところかな。

ミレーがそこそこ数ありましたが、私はそんなに惹かれませんでした。よかったのは、シャルル=フランソワ・ドービニーのエッジング。一点だけあったクールベの油彩もよかったです。これはカタログの印刷だとすっかり黒ずんでしまうんだけど、水車小屋の水の表現はわりと明るい色彩でなされていて、これとクールベらしい黒の対比がよかった。

上は二人ともフランスの画家ですが、本題のハーグ派では、ウィレム・ルーロフスという人の絵がよかったなぁ。この人の光の扱い方っていうのは印象派に繋がるものという気がした。あと、この人の構図は、わりと地平線が高めなんですね。そのバランスが私はすごく好きで。だいたい同じような場所やテーマで書いてるヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフという人の絵が同じ部屋にあったんですけど、この人のやつは、構図的には落ち着いてるんです。空の広さと地平線の位置と。ところが、その落ち着きと凡庸さって紙一重で、なんか似てるのに惹かれないんですよ。不思議なものです。

ここのページで二人の作品が並んでるのが観られるので、是非比較してみてください。ルーロフスって、かなりゆるぎない意思をもって構図を決めてる人という気がするというか、すごく絵に視線を感じるんですよね。でもヴァイセンブルフのはなんかこう、ぼやーんとしてるっていうか、眠くなっちゃうんです。

もちろんそういうのが好きという人はいると思うので、好みの問題なのですが、今回私はこのルーロフスとドービニーがヒットでした。ドービニーのエッジングだけの展覧会とかどこかでやらないかなー。

有名な画家の作品目当てにみにいくのもいいですが、なんか聞いたことない画家の絵がいろいろ集まってる展覧会も面白いですよ。ここの美術館はゴッホのひまわりがウリという認識の方も多いかとは思うのですが、入り口で行列できてて、絵をみにきたんだか人の頭みにきたんだか、みたいなことになっちゃう美術展じゃなくて、こういうほどほどの客入りの美術館でゆったり絵を見る午後というのもなかなかいいんじゃないかと思います。

こちらの展覧会は、6月の29日まで。
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posted by なつめ at 02:29| Comment(2) | TrackBack(0) | おでかけメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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