2015年06月30日

シティボーイズ・ライブ ファイナルpart.1「燃えるゴミ」千秋楽みてきた。

突然ですが、シティボーイズ。私がシティボーイズに興味持ち始めたのは「ラジカルガジベリビンバシステム」やってた80年代後半からなので、渋谷のジァンジァンでやってた頃なんかは知らないけれど、でもなんだかんだで四半世紀ぐらい、シティボーイズは私のアイドルだったのでした。

その、毎年ゴールデンウィーク頃を楽しみにしていたライブ、ここしばらくは何年かおきになってましたが、あればはせ参じていたライブに、今年ついに「ファイナル」という銘がついて、月末だけど、平日だけど、これは何をおいても行かねば…!と思ってチケットとって、久しぶりの東京グローブ座にいってきました。千秋楽。

シティボーイズ・ライブ ファイナルpart.1「燃えるゴミ」

シティボーイズのライブは、前述のいとうせいこうとか、中村ゆうじとかがゲスト出演することが多くて、最近は若手の芸人さん入れたりもしてたけど、今回は原点回帰、というか、3人だけの舞台。2年ぶりに舞台で見た私の大好きなおじさんたちは、正直一見しただけで「ああ、おじいさんになった…」と感じるほど、やっぱりおじいさんになってた。だって66歳、66歳、65歳ですもん。当たり前といえば当たり前なんですが。

思えば9年前、当時の職場で過労死寸前で働いてて、子どももまだ小学生だったし自分の時間なんかほとんどとれなかった頃に、「マンドラゴラの降る沼」がまさかの銀粉蝶さんゲスト出演で、しかもせいこうちゃん、中村ゆうじ出て池上本門寺境内でやるっていうんで、発作的にチケットとって、子ども生まれてからたぶん初めて、ステージらしいステージを見たのがシティボーイズだったんです。

シティボーイズミックスPRESENTS マンドラゴラの降る沼 [DVD]
日本コロムビア (2006-12-02)
売り上げランキング: 16,300


当時は本当に仕事もハードで、パラハラっぽいのもあったし、休日は全部子どもの相手や部活で潰れるから人とも会えないし、今思い出してみてもあああ、辛いよねぇえ、というような日々を過ごしてたけど、この日は本当に久々にいっぱい笑いました。一人で観にいったんですけど、お寺の境内の特設テントっていうシチュエーションがまたアットホームな雰囲気でちっとも寂しくなかったし、懐かしい小劇場通い時代を思い出させて、当時はなかなか時間もお金もなかったけど、少しずつ、学生時代に好きだった観劇に気持ちが向くきっかけを作ってくれたのは、シティボーイズのライブだったんです。学生時代のアイドルだった、っていうだけじゃなくて、そういう意味でも私にとってはとっても大切な、大好きなカッコイイおじさまたち。

作・演出に気鋭の脚本家、前田司郎を迎えての3人コントは、それでもいい意味で相変わらずでした。ステージで2年ぶりの3人を見たとき、ああ、年取ったな、って正直思いました。きたろうさんがずいぶん痩せててちょっと心配になるぐらいだったし、まあいつものことではあるけれど斉木さん台詞忘れてるし、大竹さん息切れしてるぞ!とかちょっとドキドキしましたが、でも舞台が進むにつれ、そこは我らがおじさまたちのこと、だんだん調子出てきて、Ninagawa モナリザとか美輪さまの舞台ぐらい激しかったし、やっぱりいっぱいいっぱい笑わせてもらいました。
続きを読む
posted by なつめ at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マイブーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月28日

海街ダイアリーみてきた。

是枝監督の映画「海街ダイアリー」、これは原作も大好きなので、楽しみ半分、不安半分だったのですが、観て来ましたー。



正直、報道で最初にキャスト見たときには、綾瀬はるかと長澤まさみはないなぁ…と思ってたんですが、見終わって、これMVPは長澤まさみかな、と思いました。彼女、こういう蓮っ葉な役ぴったりだなぁっていうか、ビノシュみたいな生々しい役をやったらすごくいいんじゃないかと思いました。そういう意味ではよしのちゃんのスピンアウトちゃんと原作どおりのストーリーで彼女主人公で撮ったらよさげだなぁと思った。

次点は夏帆ちゃんで、実際にはチカちゃんのシーンが全体通してみた中で一番ぐっときた。原作だと、わりとお笑い担当というか、陽気さ、明るさの部分を担当してるチカちゃんはあんまり深くキャラ掘り下げられてないところがあるんだけど、映画では「お父さんのこととかあんまよく覚えてないチカちゃん」という女の子のほんの僅かな心の揺らぎとかが(これは脚本がいいのか夏帆ちゃんの解釈がいいのかよくわからないけど、実に奇跡的なバランスで)表現されてて、そこがすごくよかった。

【以下ネタバレあるのでみたくない方注意】

続きを読む
ラベル:映画 漫画
posted by なつめ at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月27日

5人えぷ。

不確定という話ながら、f(x)ソルリの脱退話がニュースとして流れ、私的に昨日はお葬式状態でした…えぷの中で特にソルリ推し、ってわけじゃなかったんですが、それでもあの子も含めた五人のバランスというものが私的には神だったので、「仕事なのでいません」じゃなくて「脱退」という形で「いないのがデフォルト」ということになるとすれば、それはまた「ああ、ひとつの季節が終わった…」的な話で。

ああいう、少女と大人の女性の間の微妙な往還みたいなものも含めた商品って、SJとかみたいに「オッサンになってもずっと続けられる」というたちのものじゃなくて、期間限定っていうことはある意味最初からわかっていて、兵役なんかないけどそういう意味では女の子の魔法の季節のほうがずっとずっと短くて儚くて、だからこそもう一つ一つのステージを食い入るようにみて愛でてきたわけだけど、せめて一度は単コンやらせて綺麗な映像で残して欲しかったよ…T T

EXOとのカップリングだったSM WEEKぐらいしか結局それらしいステージってなくて、あれもDVDとかになってないので、公式の綺麗な映像で残ってるのはSMTのDVDぐらい。あとはMV除けば音楽番組の違法アップロードできる限り高画質で集めるしかないわけですが、それなんかもうほんっと磨り減るぐらい見てるもんデジタルだけど…!

I AM: SMTOWN LIVE WORLD TOUR in Madison Square Garden ライブDISC付コンプリートDVD BOX
エイベックス・ピクチャーズ (2012-10-03)
売り上げランキング: 2,521


朝ニュースを見たときからもう激欝で、夕べはひとり、お気に入りの動画を眺めながら御通夜やってました。その記録貼り付けておきます。自分の好きな動画のクリップ用含めて。歴史順じゃないです。


ピノキオはこれのときが一番好きだったかなぁ…水槽の前のやつも良かったけど。


ソルリの髪の毛のキノコみたいのが増えたり減ったりして可愛かった。太ましい足がまた可愛いね。

この曲は曲調から歌詞から本当に全部すんばらしかった。これで一位をとれて本当によかったと思う。さんざん難解な曲ばかりやらされてきたえぷが普通に一位とることなんてないと思ってたけど、これはキャッチーな表の顔を深読みの裏の顔を上手く使い分けた実に見事なバランスの名曲でした。歌詞は「恋する女の子の気持ち」みたいな建前だったけど、実際はチラチラと猟奇殺人を連想させるような歌詞でしてね。放送コードに引っかかるような言葉はないけど、明らかにそういう暗示をしてる、すごく上手い歌詞だった。それをこのお人形みたいに可愛い女の子たちが歌い踊る。なんというをたくホイホイ。



1集 - Pinocchio (CD+フォトブック)(韓国盤)
f(x)
SM Entertainment (2011-04-29)
売り上げランキング: 62,125

続きを読む
ラベル:f(x)
posted by なつめ at 01:26| Comment(1) | TrackBack(0) | マイブーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月16日

憲法学者に聞く安保法制 by 報道ステーション

これ、報道ステーションのHPなんですけど、とても充実した読み物なのでシェアしたいなと思って紹介します。

憲法学者に聞いた〜安保法制に関するアンケート調査の最終結果

私が「教育基本法改悪について」のエントリを書いて、安倍晋三氏の進めるユーゲント育成から始めるニッポン全体主義化構想の危険性とおぞましさに全力でツッコミ入れてたのが2006年なんですが、あのとき自分が感じた「こいつやべぇ」という印象があまりにも見事に現実になってしまって、わりと気絶しそうな毎日です。

なんせ9年前に「マスコミを上手く利用して国民に対してショック療法を行い、政府の言うとおりにしなくちゃ日本は終わりだと思わせて基本法を改悪⇒次は改憲に繋げるって戦法ですね。」と書いたことが、今まさに現実になってるわけなので。

水面下でどれほど保守勢力がこのことに向けて着々と準備してきたか、ということ、それに対して左派がいかに無策であったか、ということをしみじみと感じていますが、ただ愚痴ってもしょうがないわけで、おそらくアメリカ議会でしんちゃんが「夏までにキメてくっから!」と大見得きったがために、集団的自衛権(実際のところアメリカはさして期待もしていない戦力だというのに)行使容認に向けた安倍自民と政府の動きが非常に強引になって、色々と論理破綻をきたしていることは、この政権の政治の進め方の全体的な異常さを際立たせてくれるので、多くの人が「やばくね?」と感じるいい機会ではあると思うんですよね。ただ、のんびりしていたら一気にやられる。今年ってたぶん日本がこの先個人個人が尊重される民主国家でいられるか、そうじゃなくなって一気に全体主義、ファシズムへの道を突っ走るのか、という分かれ道なんだと思います。


これの1時間5分あたり〜にも決定的な憲法学者の見解が観られますが、これを見ても「たまたま呼ばれた3人が憲法違反と言っただけ」と言う人たちが、特にこの報道ステーションのHP見たらいいと思います。

菅官房長官が記者団に向かっていった「憲法違反じゃないという憲法学者はいっぱいいる」は「いち、にい、さん、たくさん」みたいな未開の地カウントであって、実際にはこれだけの人数の憲法学者が「違憲」と判断しているということ。そしてリンク先には名前出していいよ、と言った先生方の「何故そのような判断をしたか」という根拠もちゃんと紹介されている。

私もまだ全部読みきれてないんですが、難しい言葉で書く先生もいるけど、ちゃんと中高生でもわかるような言葉で書いてくれている先生もいるので、是非皆さんお時間あるとき読んでみてください。私は文学部の卒業で、法学なんてちゃんと学んだことはなかったけど、どの先生の文もすごく面白いです。世界の憲法のお勉強とかしたくなりますよ。

早稲田大学社会科総合学術院教授・西原博史氏
関西学院大学法学部教授・長岡徹氏

あたりは、とてもわかりやすくこの法案の問題点を噛み砕いて指摘して下さってます。

成城大学教授・西土彰一郎氏

この先生の一行コメント、とても控えめで穏やかだけど、痛烈な皮肉。すごいやこれ言われた相手が自分が斬られたとか気がつく前に心臓ひと突きにしてるな、という感じで私は大好きです。こういうことポロリといえる人になりたい…まるで必殺仕置き人みたい…

法政大学法学部教授・建石真公子氏

やばい専門的すぎてさっぱりわからない…!でもなんか勉強したら面白いんじゃないかと思う…。おまけの部分の、与党が盛んに使いたがる「武力行使もいとわない正義」の意味の「積極的平和主義」という言葉は、ヨハン・ガルトゥングというノルウェーの政治学者さんの用語として有名で、「「積極的平和」とは、構造的暴力をなくすための「構造的な」活動−貧困や差別の廃止、人間の生存や生命を保護し、環境や文化の保護、民主主義の確立等−」である、というガルトゥングの定義と「武力行使もいとわない」という定義はすっかり正反対になっている、という話はとても興味深いウンチクでした。

他の先生のコメントもちょっとずつ読んでみようと思います。仕事仕事で、大学でもう一度お勉強するチャンスなんかない社会人にとっては、こういうのすごく貴重ですよー。タダでこれだけ沢山の大学の先生のお話を聞けるようなものだもの。別に全部理解できなくても問題ないと思うので、いくつかでも「なるほど」と思うものがあったら、頭の引き出しに入れておくといいんじゃないかなと思います。

ハンナ・アーレント [DVD]
ポニーキャニオン (2014-08-05)
売り上げランキング: 3,630


これもう一度みたいな…映画館でみたときのレビューはこちら

思考停止しないために、少しずつでも学びつづけていきたいと思います。権力者は、国民が思考停止して自分たちの言うことに何でも賛成するようになることを望んでいるから。国が大学改革とかいって、哲学とか文学とかの思想系の学問の学科つぶしをしようとしてるのなんて、まさにその表れですからね。
ラベル:政治
posted by なつめ at 00:59| Comment(3) | TrackBack(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

いよいよ兵役ラッシュ…

この週末は東方神起のソウルでのライブで、いよいよ兵役前のラストライブということで、MERSの不安にも関わらず、多くのファンの皆さんが渡韓したようでしたが、ウネとトゥギが観にいってる写真があがってて、そうかそうか、観にいったんだなーと思ってたら、ウネはステージにもあげていただいたらしいw


最強さまフォーカスなんでウネあんまり映ってませんが。4月にも観ましたが、最強さまホントにこういうの大好きなんだなぁ。微笑ましい。カシやビギのお姉さま方に叱られるのではないかとハラハラしつつも、盛り上がっている様子なのでよかった…。

KRY神戸のレポも楽しそうで、ぎゅったんが「神戸ぎゅ」食べてたり、日本滞在も楽しんでくれているようで嬉しいです。

kobegyu.JPG

ウネといい、ユニット活動で人数少ないと、全員のときよりちょっといいもの食べさせてもらえてるようですね(笑)。KRY、今度はちゃんとDVDになるといいなぁー。レポで、SJのアルバム準備中ということもトークで出てきたそうなので、やっぱり7月に活動があるのかな…?という感じです。

ユノの入隊日も発表になったのに、全然噂すら出てこないヒョクチェはたぶん現役入隊するつもりなんだろうな、と思うのですが、そうなるとこれがヒョクお見送りアルバムになるんだろうなぁT T。冗談かも知れないけど、トゥギがアンコン逃したら当分スパショ観られないよ!って言ってたみたいだし、次のアルバムの活動は、短くても何ものにも邪魔されず、めいっぱい楽しんで欲しいです。本当に、一位とか関係なく、下らないスキャンダルに邪魔されることなく、ただただ活動を楽しんで欲しい。でもソシもカムバック準備中だっていうし、なんとなくえぷも動いてるし、7月のSMT前にどっと新曲ぶち込んでくる予定なのでしょうか。なんか大変そうだなぁ。

アンコンのライビュは12日しかいけないので、そこしか申し込んでないのですが、とれるかなぁー。今回はだいぶ会場が少ないようで、申し込んだ会場では申込み数が大幅にキャパをオーバーとか書かれててどきどきしてます。無事に席がとれますように(-人-)。
続きを読む
posted by なつめ at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | マイブーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月08日

中日文楽みてきた!…その2+KRY兄さんお帰りライブ@横浜

あああ、先週の文楽の感想書き終えないうちにあっという間に一週間たってしまいましたー。忘れないうちにメモメモ。

土曜日は栄のホテルに泊まって、朝ご飯はホテルの近くのハッシェル・カフェっていうカフェでキッシュのセットを食べてきました。ビルの3階だったかな、エレベーターが柱の裏側みたいなとこにあってちょっと入り口わかりづらいんですけど、中はとっても乙女なカフェで、私が入った10時前後ぐらいはガラガラだったんですが、のんびり食事して出てみたら、5〜6人お客さん並んでました。大通りから一本裏に入ったみたいなとこなのに、人気店なのかな…。

キッシュはたっぷりのサラダがついてものすごく大きくて、これにスムージーをつけたので満腹!文楽寝ちゃったらどうしようと思ったけど、やっぱり大好きな演目「女殺油地獄」だったのでそこは舞台に釘付けでした。

前回みたときも与兵衛は勘十郎さんだったんですが、やっぱりこの与兵衛という人間の愚かさ、小ささ、虚勢をはってるけど寂しがりやで見栄っ張りで短絡的で、どうしようもなく救いようのないクズっぽさに、でもすごいリアリティと説得力があって、はぁーって見とれてしまった。侍に泥をかけてしまい、あとで手討ちにしてくれる、と叔父に叱られ、「斬られたら死ぬ、死んだらどうしよう」と怯えて震える小心者、なのに自分の借金を返すために、何の罪もない他人の女房を刺し殺すにあたっては、子どもを残して死にたくない、と命乞いをする女に「おお、死にともないはず、尤も尤も。こなたの娘が可愛いほど、俺も俺を可愛がる親父がいとしい。金払ふて男立てねばならぬ。諦めて死んでくだされ」という身勝手さ。

終わった瞬間に、まわりのお客さんが口々に「ありゃ人間のクズだな」「最低」って言ってたもんね。でも、顔のパーツだってろくに動かない操り人形に、見た人たちがここまで嫌悪感持つってすごくないですか?すごいと思うんだよー。

今回のパンフレットは中日劇場特別版って感じで、普段劇場で売ってるパンフレットより高かったんですけど、玉男さん、勘十郎さん、和生さんのスペシャルインタビューが入ってて、あと、女殺油地獄の背景トリビアが入ってたりして、それも面白かったです。当時の油商人たちがどういう組合組織を作ってたか、とか。

私最初にこの演目みたときは、この殺されるお吉も、なんかこう無防備というか隙があるというか、ちょっと年下の与兵衛に甘えられることに関してまんざらでもないところがあるような気がして、なんで同業者のとこの息子だからってこんな親切に面倒みてやるのかなぁ、って疑問だったんですが、株仲間という同業者組合の結びつきの強さとか、当時の大阪の商人の事情があって、その上での面倒見のよさなんだなぁと思うと、人の好いのが祟った感じで余計気の毒に見え、与兵衛の悪さが余計に際立つという…

なんだけど、これ勘十郎さんの演じ方がそうなのか、与兵衛これだけの最低人間であるにも関わらず、どこかしら憎めない人間味が滲み出るところが不思議なんですよね。本当に親の気持ちなんてこれっぽっちもわかってないし、周囲にこんなに彼に親身になってくれる人が沢山いて、更生するチャンスだってたくさんあるのに、そのすべてのチャンスをいちいち自分から遠ざけてしまう愚かさ。逃れられそうなのに逃れられず、破滅へと至る不幸な転落に、どこかこの世界の無常を感じてしまう。

そのへんは、演じる大夫さんや人形遣いさんもなんですが、脚本がやっぱ上手いんだと思うのです。近松の描く人物像って、やっぱりちょっと他の作家とは市井の人々の心理描写とかのリアリティが違う気がするんですよねぇ。だから、どこか普遍性があって、現代になっても受け入れられやすいんじゃないかなぁ。今回は基本的に口上目当てだったので、日帰りにしようかとも思ったんですが、この演目このキャスティングで観たい、と思って一泊にして、やっぱりよかったです。

あと、前のエントリでも書いたけど、大夫さんでは咲甫大夫さんがよくなってきてる気がする。以前は語りわけとかわかりやすいし、聞き取りやすいのはいいと思うけど、そんなに心を揺さぶられる感じはしないなぁと思ってて、ものすごく人気あるけど、自分的にはあまりピンとこないな、っていう印象だったんですが、ここ数回、最初みたときよりずっと語りに深みがあるなぁって感じるようになった。心に響くっていうか。咲甫大夫さんはまだ若いので、これからもっともっとよくなるんだろうなぁ。

文楽って、いろいろ見るにつけ、大夫さんがかなりお爺さんになってからのほうが、声に滋味というか、深みみたいなのが出てくる気がするんですよね。でも、そこから先は体力がどんだけ続くかとの戦いになる。年取れば体力落ちるしあんまり長い場面を演じきれなくなる。だから、ものすごく長いことやるように見えて、実はスポーツとかと同じぐらい、本当に自分がやりたいことがやりたいようにやれて体力も続く、っていう期間は案外短いんじゃないかと思う。

今回の女殺油地獄ではクライマックスの油店の段を語った咲大夫さんがこの演目語り納めということで、円熟の語りっていうのはこういうのを言うんだろうなぁと思いながら聞いてました。語り納めって、この演目は自分でもうやらないって封印しちゃうんですかね。素人からするともったいないみたいに思っちゃうのですが、やっぱりスポーツ選手が引退決めるときみたいに、最高の芸でなくなる前にこれは語り納める、みたいなことを決意するってことなんだろうな…

というわけで、基本的には口上が目当てだったんだけど、色々と贅沢に楽しんできた二日間でした。7月、SMTでの大阪行きにあわせる公演のチケットも無事にゲットしました♪2部の「生写朝顔話」を観にいきいます。なんか、悲恋モノっぽいです。予習していこう…。この日(土曜日)は、大阪では天神祭りもあるんですよね。花火見られるといいなぁ。

続きを読む
posted by なつめ at 00:26| Comment(1) | TrackBack(0) | マイブーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月02日

中日文楽みてきた!…そのいち

KRYの3人も来日&リハ、いよいよツアーが始まるということで、兄さんも、2年間のお留守番組だった兄さんペンの皆さんも、揃ってワクワクしている感じがSNSからも感じられますが、そんな中私は空気読まずに週末、名古屋に文楽観にいってました。

中日劇場50周年記念 第3回中日文楽
2代目吉田玉男さん(もと玉女さん)の襲名披露記念公演でもあります。東京以外の地方公演観にいくのは初めて、中日劇場も初めてで、どんなものかなぁ、と思いながら、でもウネコンで味をしめた名古屋グルメを楽しみに、新幹線乗って出かけてきました。

電車乗ってから、帰りの新幹線の指定券の出発駅と到着駅間違えて予約してたことに気づいて大慌てしたりしたんですが、無事指定券も変更できて、まずは途中休憩で食べるお弁当を…。今回は前回のウネコンの時には食べられなかった天むすを食べよう!と決めてたので、有名な千寿の天むすと地雷也の天むすを両方買ってみました。

千寿っていうのは、本店は三重なんですね。ちょっと上手く写真とれなかったんですけど、リンク先をご覧いただければわかるとおり、千寿のは、えび天が外に出てません。普通天むすって聞いて思い浮かべるのって、地雷也のみたいな、おにぎりの上からえび天が顔を出してる感じだと思うんですけど、千寿は影も形もないので、あけたときはあれぇ?ってなります。

でも実際食べ比べてみたところでは、私は千寿のほうが好きだった!地雷也のは外に出てるからでしょうか、少しえび天の衣のとこがもそもそする感じがあるんですが、千寿のはご飯に完全にくるまれてるので衣がしっとりご飯に馴染んでて、えびもプリっとした感じ。地雷也には高菜ごはんバージョンとか他にもバリエーションがあるらしいので、また機会があったらそちらもチャレンジしてみようかと思いますが、プレーンに関しては私的には千寿の勝利!でした。

さて、天むすはともかくとして、中日劇場。いまどき珍しいエレベーターガールのいるエレベーターで9階にあがります。こじんまりした劇場だけど観やすい感じだったなー。2階席までお客さん入れてたのにはちょっとびっくりでしたが…(文楽をあんな上から見たら、黒子さんとかが屈んでウロウロしてるのとか全部丸見えなんじゃないだろうか…それはそれでちょっと面白そうだけど…)。私は1階の12列目ぐらいだったので、上すぎず、下すぎずでちょうどよかったです。専用劇場じゃないのであまり前のほうだと首が疲れそうだし。

床はもちろんつくりつけのはないので、何か特別にこしらえたっぽいのが舞台袖についていて、フィッティングルームみたいな四方が薄いカーテンのようになってる四角い枠で隠して、大夫さんや三味線さんが入れ替わる、って感じです。

今回私は玉男さんの襲名披露の口上が主な目的で行ったのですが、口上やるときこの床でやったのは、なんかちんまりしてて微笑ましかったです。まさかあの狭いところから男性4人出てくるとか思わなくて…。口上は、玉男さんと同期入門の人形遣いの吉田和生さん、桐竹勘十郎さんが、入門時からの思い出を交えて挨拶をする、っていう感じで、ほぇーこの世代の人たちは中学生とかから一緒にやってるんだ!とあらためてびっくりしたりしながら聞いてました。中日劇場と同じ年数、一緒に修行して芸を磨いて同じ舞台に立ってるなんて、なんかすごいなぁ。それでもまだまだ芸の道はこれから、みたいな感じですから、一生精進なんですねぇ。

なんか口上ってもっとものすごく厳粛な感じのものなのかなーと思ってたんですけど、地方公演だからなのかしらん、とってもアットホームっていうか、ほのぼのとしたあったかい感じの時間でした。

1日目の土曜日は、二部の仮名手本忠臣蔵を観劇。これはもう誰でも知ってる演目ですが、全部やったら一日かかるようなものだそうで、今回は三段目と四段目。意地悪な高師直にあれこれ言われて、我慢できなくなった塩谷判官がついにキレちゃって、殿中での刃傷沙汰になってしまってから塩谷判官が切腹を命じられ、お家取り潰しになるところまでです。途中に有名なおかると勘平のエピソードが挟まってて、そこのおかるが人間国宝の吉田蓑助さん、勘平が勘十郎さんという師弟コンビっていうところがすごいお得感あります。

これは10年ぐらい前のやつですが、文使いの段の雰囲気だけ…


まあ要するに仕事中なんだけど、お手紙届けるのにかこつけて腰元のおかるが塩谷判官の御付で恋人の勘平に会いにきて、ねぇ、ちょっとだけイイコトしましょうよ、って言って誘ってきて、席を外してる間に判官が高師直(吉良さまにあたる)を斬りつけちゃって一大事に…っていう話なんですが、ここのおかるが「ね、ちょっとだけ」って誘うところがまあエロいというかなんというか、そりゃこんな感じで袖とかひっぱられた上にうなじとか見せつけられたら、男もコロっといっちゃうよね…!っていう艶っぽさで、案の定勘平「じゃあ、ちょっとだけ…」ってそそくさと門外に出てしまうのでした。ああああ。ダメじゃん!仕事中はちゃんと仕事してないと…!

このために、事件が起きてしまってから、屋敷にも戻れず不忠者として仇討ちにも参加させてもらえず、自害する羽目になるのですが… そこんとこまでの話は今回やってないので見てないのですが、文楽ってだいたい男がダメダメで心中せなならん羽目になるパターンが多いんですけど、この話はどう見ても女が悪い…。ファム・ファタールっていうやつでしょうか?勘平かわいそう。だけど、後の段で仇討ちの資金調達のためにおかるが身売りとかまでするそうで、結構壮絶。後半もいつか見てみたいなぁー。

4段目は、塩谷判官の切腹シーンが見所です。文楽って、太夫さんの語り、三味線、お人形の三位一体の芸術ってよく言いますが、この切腹シーンは語りなし。静かな静かな舞台の上で、死に装束に着替えた判官が、作法にのっとり切腹の儀式に入っていく。ものすごく静謐な雰囲気で、シーンと見入ってしまいました。切腹なんていう妙な処刑方法を思いついたのって日本人だけだと思うんですけど、人の死ぬときに不謹慎ですが、確かになんともいえない美学があるというか。ドラマなんかだとあんまり露骨に見せられるものじゃないので適当にシルエットとかいきなりカメラがパンしちゃったりしますが、文楽は別に血も出ませんので一連の動作を全部見て、こういう風にやるんだ、と妙に感心したりしていました。ちなみにこれ、介錯つかないんですよね…辛そう…
続きを読む
posted by なつめ at 01:18| Comment(1) | TrackBack(0) | マイブーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする