2006年01月26日

愛される小さきもの…『ぐらぐらの歯』

大好きな酒井駒子さんの挿画に惹かれて買った本です。


『ぐらぐらの歯−きかんぼのちいちゃいいもうと』
ドロシー・エドワーズ・作/酒井駒子・絵


ちょうど、テッチの歯もぐらぐらしていたので、抜けたら読んでやるつもりで買いました。でも、先に自分で読んでみて、これはおとなの読む絵本だな、と思ったので、カテゴリをこちらにしました。

詳しい内容は福音館のHPからどうぞ。

この絵本を読んでいると、なんとなく『となりのトトロ』のメイちゃんとさつきちゃんの姉妹を思い出します。「いもうと」はやんちゃなメイちゃんに似ています。というか、やんちゃな小さな女の子というのは、みんなこんなふうなんでしょうね。ところで私自身はどうだったのかな。年の離れた末っ子でしたから、きっとこんな風にやんちゃで、周囲のおおきいひとたちに慈しまれて育ってきたのでしょうが、残念ながら、こんな風に「ちっちゃな」頃の思い出というのは、いつしかディティールを忘れてしまいます。

けれど、この絵本を読みながら、ふとそんな自分自身がちっちゃな女の子だった頃のエピソードのディティールを、思い出すような錯覚にとらわれる瞬間が幾度もありました。二人の姉にくっついてまわったことや、姉の大事なおもちゃを壊してしまったこと…。そして、ちいさなテッチの姿もまた、このちいさいいもうとの姿に重なりました。ぐらぐらの歯をみんなに見せてまわっては得意そうにしていたテッチの姿、ほとんどばあばが編んだのですが、毛糸をひっかける手伝いをして、私にプレゼントしてくれたクリスマスの襟巻き…。

きかん気の小さい子供の相手はくたびれます。それはもう、実際そうなんです。でも、通り過ぎたとき、そんな幼いエピソードの一つ一つは、とてもいとおしく輝いて見えます。優しい優しい家族や大人のひとたちに、慈しまれながら育っていくいもうとの日々を、暖かな言葉で切り取った、手製のスクラップブックのような絵本です。幸せの手触りを忘れてしまったように感じたときに、是非手にとってみてください。自分もまた、愛されたちいさきものであったのだ、ということを、きっと思い出すことができるでしょう。



posted by なつめ at 23:57| Comment(2) | TrackBack(1) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。
なつめんさんの紹介、楽しみにしてました。
この本、姉のしかも大きくなってからの視点で語られているところがいいんですよね。
TB、送らせていただきました。
Posted by 海五郎 at 2006年01月29日 11:09
TBありがとうございます。そう、わたしが小さかったとき…っていうこの定形の書き出しが、なんともいえないオルゴールのような優しさなんですよね。

テッチのぐらぐらの歯(一本抜けたら堰を切ったように別のもぐらぐらしはじめました)にあわせて読んでやるのは、「やかまし村」にしようかと思ってます。男の子には、こっちのテイストのほうが受けそうなので。
Posted by なつめ at 2006年01月29日 23:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

ぐらぐらの歯
Excerpt: ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 ドロシー・エドワーズ/作 渡辺茂男/訳 酒井駒子/絵  福音館書店    最近は小学校などで「絵本の読み聞かせ」の活動をされている方が..
Weblog: わくわく本
Tracked: 2006-01-29 11:02
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。