2010年02月28日

「エドナ・ウェブスターへの贈り物」リチャード・ブローティガン

最近、長い文章を書く気力がなくて、ついついついったとかでつぶやく程度で終わってしまっていますが。この本のことはやっぱりブログぐらいの長さで書きたい。

エドナ・ウェブスターへの贈り物―故郷に残されていた未発表作品

1月26日発売のこの本。ずっと、発売を楽しみにしていました。生きている作家の新作を楽しみにすることはできるけど、死んでしまった作家の新作は、もう楽しみに待つことができない。ブローティガンが死んだのは、皮肉にも私がちょうどブローティガンに夢中になり始めたばかりの、1984年のこと。

その後未翻訳だった作品や、絶版になっていた作品が発売されたり、文庫化されたり、そんなことはあったけれど、基本的には絶筆とされた「不運な女」が最後の本になるんだなと思っていて。まさか、若い頃の作品が、こんな形で手に入ることが21世紀になっておきるなんて思ってもみなかった。

不運な女
ブローティガンの作品を初めて読んだとき、それまで大好きだった、高橋源一郎とか村上春樹とかがぶっ飛んだ。なんじゃ、ブローティガンのパクりだったのか、と思ったぐらい。世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(村上春樹)、さようならギャングたち(高橋源一郎)なんて、それぞれ「西瓜糖の日々」への熱烈といってもいいオマージュ作品。村上春樹がブローティガンのブの字も出さないのはあれは確信犯なのかもと思った。このブログの名前は当然のことながら、ブローティガンの小説からとっている。

中学・高校時代、すでに少々入手困難になっていた単行本を、少ないお小遣いで買える限り買い集めた。今手元にないのは、「ソンブレロ落下す」ぐらいかな。あのとき本屋さんにあったんだけど買えず、次にいったときにはもうなかった。お財布になかった1000円ちょっとぐらいが惜しいよ。いまや中古で5000円とかですもの。

なんでか理由はわからないけど、ここ数年再評価があったみたいで、「西瓜糖の日々」も文庫で手に入るようになった。のでこのエドナ・ウェブスターへの贈り物も是非たくさん売れて欲しい。

ブローティガンの小説が日本において輝いたのは、藤本和子女史の名訳に負うところが大きいと思う。私はオリジナルの英語版も結構買ったけど、藤本さんの翻訳が本当に好きだ。だから、「英語の小説は英語じゃなきゃわかんないよ」なんて全然思わない。ブローティガンを読むなら、藤本さんの訳を読んで、それから英語版を読むという順番だって、日本人なら全然かまわないと思う。

そして、この未発表作品の翻訳が、やっぱり藤本さんだったことが本当に嬉しい。ぱりぱりとした初刷りの本を手に、この本がどうぞたくさんの人の手に届きますようにと祈っています。そして私自身、大切に大切に、読みたい一冊です。



posted by なつめ at 21:23| Comment(2) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、はじめまして、コウと申します^^
ブローティガンさんを検索していてヒットしました。

で、嬉しい記事があったというわけです。
これから遡って読ませていただきます。

それでは、また♪
Posted by コウ at 2010年03月24日 16:01
◇コウさま
いらっしゃいませ。ブローティガンは最近文庫でも手に入るようになって最注目されだしたところへこの天国からの贈り物のような一冊が出て、本当に嬉しい限りです。どうぞいっぱい読んでくださいね。
Posted by なつめ at 2010年03月25日 08:47
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