2006年04月30日

教育基本法を読む

子供に風邪をうつされて寝込んでおりました。明日は復活できるかなぁ…。残念ながらメイデイの休日のないわが社は普通に出社です。

さて、そんな中、28日には教育基本法の改正案がいよいよ閣議決定されたのですね。

「国と郷土を愛する」目標に】…日経新聞から。

当然、赤旗などを筆頭に「これは教育勅語の復活だ!」とか批判噴出なわけですが。でもひたすら「愛国心」のところばかりが強調されていて、ほかがどうだかさっぱりわかんない。そこで、教育基本法を読んでみることにする。

教育基本法】…現行の法律です。「条文のページ」から。

教育基本法改正案】…中国新聞より。

読み比べると…

うーん、全般的にくだくだしくなった印象。要するに、現行法は、詳しいことは自分で考えて解釈しなさい、といういわば「大人の法律」、改正案はまさにそれが教育の目的と謳っている「真理を求める態度」とやらをがんじがらめにして均一化された答えだけを列挙したマニュアルみたいに見えます。

仕事上、会員規約の制定などにも関わっているなつめママとしては、新・教育基本法は、別に「言うほど悪くはない」けど、「やっぱり悪評高いだけあってよくもない」というのが印象です。

どんなにくどくど書いたところで、細かく書けば書くほど、例外が漏れていることが明らかになってしまうのが規約や法律文の難しいところです。細かく規定すればするほど、「それは守ってるんだからこれは違反じゃない」と言い張る悪人が出てくるのです。だから、網はなるべく大きく。特に違反規定なんかについては、どうとでも解釈できるようにしとくのが会員規約なんかの基本です。

あと、これは会員規約ではないので、これが決まったところで国民全員にそれが義務として課せられるというのが何よりの大問題。会員規約は気に入らなければ入会しなければすむのですが、教育基本法はすべての国民に等しく降りかかってくることです。それがこんなお馬鹿向けマニュアルみたいなのでいいんだろうか。「家庭教育」の条項なんかもそう。こういうのがいちいち書かれていることじたい、いかにも常識のない国向けの法律って感じで、見てて恥ずかしい。法案作ってる人は恥ずかしくなかったんだろうか。

現行法案の第一条、教育の目的。

「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。 」


立派だと思います。簡潔な表現で、十分必要要素を満たしていると思います。私これで十分理解できますけど、なんか問題でも?って感じです。これで理解できない大人がいるとしたら、国語教育の中身が悪いんだよ、条文じゃなくて。

さらに、教育の機会均等について、改正案より。

2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。


一見、平等を謳ってるようだが、逆に「障害のある者」について、「すべて国民」といちいち分けて記述することで、差別を助長しているようではあるまいか。どうも気に入らない。

あと、「愛国心」がどうこう程度で馬鹿みたいに時間を使っている=国民の血税でまかなわれる政治家の給料を使っている、っていうことが一番赦しがたい気がします。だいいち、愛国心なんぞ、言われてどうこうなるもんじゃないわと思います。世界の国から愛される日本、自分自身がああ国民でよかったなぁ!と思える日本、そんな国だったら、いちいち教育基本法なんかで縛りを入れられなくたって、子供も大人も国や郷土を誇りにすると思いますね。

問題は、教育基本法じゃなくって、他国民にも自国民にも愛され尊敬される国づくりのほうじゃないんですか、と思うのですが、いかがでしょう。なんかあまりに議論が低レベルでついていけない…というのが正直な感想です。
posted by なつめ at 14:34| Comment(3) | TrackBack(0) | 世の中のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 こういう、クレームを恐れたメーカーの家電の取扱説明書みたいな法律になってしまうということは、国民は「大人の判断ができないおこちゃま」扱いされているということでしょうかね。
Posted by tomoko at 2006年05月01日 13:38
愛国心というのは、まず個人が自分及びその家族や友人、住まう地域を愛し尊重してこそ生まれるものではないか、と思うのは年寄りの繰言でしょうかねえ。現在の日本の状況でいきなり愛国心だけを強調?するというのは見当違いなのではと思います。むしろ国外に向かって誤解をけしかけているような。(汗
Posted by つ at 2006年05月01日 20:46
◇tomokoさま:日本の家電メーカーのマニュアルは「高卒女子でも理解できる」ということを基準に書かれているのだそうで、「女性差別」「学歴差別」のいい例なのですが、何はともあれこのトリセツ風法案、いかに読む人を馬鹿にしているか、というあたりが本当に不愉快なのです。でなきゃ、書いてる人が本当に馬鹿かどっちかですね。

◇つ さま:
>むしろ国外に向かって誤解をけしかけているような。(汗
ええ、まさにそう思います。小泉政権最後のすかしっ屁、という感じで、それでなくてもアジア外交に失策を繰り返しているのに、相手国を刺激するようなところばかり強調した今回の改正案。動かそうとしている人間の意図の不純さは、明白という気がします。

だって何十年もほったらかしで、なんの不自由もなかった基本法ですよ。男女の平等だって謳ってるし、国民すべてに機会均等を謳ってるし。今の法案で悪いとこなんて、な〜んにもないんです。読めば読むほどそうです。
Posted by なつめ at 2006年05月02日 02:34
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