2013年07月16日

大妖怪展@三井記念美術館

さて、海の日の連休、皆様いかがお過ごしだったでしょうか。私は実は連休っていうのがギリギリになるまで頭からすっぽ抜けてました。なので、ちょっぴり得した気分で、オフを楽しむことに。遠出しようかとも思ったのですが、あまりの暑さに何か涼しいことを…と思い、この展覧会にいってきました。

大妖怪展〜鬼と妖怪そしてゲゲゲ〜
9月1日まで開催してます。夏休み中には、親子鑑賞優待デーもあるそう。「妖怪」と聞くと子ども怖がるんじゃないか、と思われるかも知れませんが、行ったときには3〜4歳ぐらいのお子さんも、お父さんと一緒に興味深げに展示を見てました。付喪神系の妖怪なんかは、結構ユーモラスで、もとの道具はなんだろう?って子どもと一緒に推理する楽しみもあるし、まあよくよく考えてみるとアンパンマンとかてんどんマンとかあれかなり付喪神に近いだろう、っていう気もするし、案外小さいお子さん連れてっても大丈夫な展示だと思います。

三井記念美術館のある三井本館は建築物として国の重要文化財でもあり、特に展示の一室目は、重厚な部屋の作りと妖怪たちの浮世絵のあやしい雰囲気がマッチしていい感じです。ほかに、能面を多く展示した鬼をメインとする展示室や、展示されている江戸時代の浮世絵の構図を模して描かれた水木しげるの原画の展示室など、部屋ごとに工夫のある展示で退屈しませんでした。

それを描く絵師によって、同じ妖怪でも微妙にニュアンスが違って、とぼけた感じだったり、本当に幽玄を感じさせるようなタッチだったり、というのも面白いし、あと絵巻物っていうのは実に元祖漫画なんだよなぁーっていうのをつくづく感じました。二次元・三次元的な表現の組み合わせの妙で、あちら側の世界とこちら側の世界をたくみに表現していたり、そういうある種のコマ割とか構図の決め方みたいなのが、現代の漫画にも通じるところがあるなぁっていうか。

あと、「妖怪」っていうくくりになってるけど、結局これって当時の科学や医学じゃ説明がつかないものに対する名づけだったんだろうなぁーとか、社会的とか民俗的な禁忌が、どういう風に名前を与えられて「妖怪」化され、おそれられたり、逆にユーモラスに描かれることで畏れを免れたりという「共生」に向かっていくか、みたいなことを想像しながら見ていくのも面白かったです。山姥なんていうのは、明らかに口減らしで姥捨てされた女たちの生き残りだろうし、小豆洗いとか河童みたいなものは、子どもがむやみに川など危険な場所に近づかないように、というところから生まれたものだろうし、垢ねぶり(風呂に垢がたまってるとなめにくる)なんかは、ちゃんと掃除しなさい!っていう教訓だし…。そんな風に見てると、ただ怖いとか気味悪いとかじゃなくて、いろんな文化的な背景が浮かんできて面白いです。

あと、私若い頃には京極夏彦とかはまってたので、鳥山石燕の絵なんかがあったのもうれしかったです。
鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集 (角川文庫ソフィア)
鳥山 石燕
角川書店
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こちらは文庫ですが、私これの単行本の画集持ってますよー。漫画の陰陽師ブームとかもあって、一時期妖怪はまってたんで。京極は最近はあんまり読んでないですが、一番好きなのは鉄鼠の檻だなー。

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
京極 夏彦
講談社
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これは日本版「薔薇の名前」って感じですよ。薔薇の名前も面白いんですけどね。鉄鼠を読むと禅とか勉強したくなります。

中身は妖怪限定ってわけじゃないですが、日本の民俗学とフィールドワークの面白さ、という点では、遠野物語はやっぱりオススメです。
遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)
柳田 国男
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展示の中に、妖怪の一種として天狗も出てきたけど、烏天狗の少年が活躍するこの歴史ファンタジーは、小学校高学年から中学生ぐらいの夏休みの読書にオススメ。
完全版・本朝奇談(にほんふしぎばなし)天狗童子
佐藤 さとる 村上 豊
あかね書房
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コロボックルシリーズで有名な佐藤さとるさんの作品。あ、なんか話がズレてきた。

でもとにかく、妖怪ってはまってみると面白いし、美術館は三越日本橋店に近く地下鉄の三越前から地下道直結でいけますし、涼みに行くにはぴったりなので、興味のある方は是非!公式HPから100円割引券ダウンロードできます。ミュージアムにはカフェも併設してますし、同じビルには千疋屋とかも入ってますよー。

来週末はいよいよ選挙ですね。若者世代の投票率が1%下がると、若者は1人当たり年間13万5000円損しているとの試算を東北大学が発表したそうです。若者人口は少子化でどんどん減ってますから、とにかく普通に真面目にみんなが投票に行ったって、年寄りのほうが強いぐらいのバランスです。その上投票率まで低ければ、老後のことで頭いっぱい、でも自分が死んだあとのことは知らないよ、という高齢者の意見ばかりが強く反映された選挙結果、そしてその後の政治の流れ、っていうことに簡単になってしまいます。9条の手前の96条、これは9条改正派の人ですら「これを変えるのは民主主義国家としてちょっとまずい」と言う人が多いぐらいの条項です。何がまずいの?っていう方は、ちょっと古いですが、このあたりの記事とかを読んで、是非このことの危うさを考えていただきたいです。

今回の選挙は「ねじれ解消」が重要みたいに言われてますが、それがどこまで大きくゆり戻すかっていうのは、安倍首相率いる自民党がどれだけ調子づくかどうか、ということとイコールなので、このタイミングで圧勝させてしまっては本当にやばい。それでなくてももはや連立組む公明党の意見すらろくすっぽ聞かず、国際社会の顰蹙をかいながら右傾化姿勢をあらわにしている安倍首相が、憲法を変えて政治家の力を強大化させ、国民の基本的人権をないがしろにする方向に進むのは目に見えていると思います。これまでだってすでにネット選挙法とか児童ポルノ規制法とかいうもっともらしい名称で、その内実としては表現の自由を脅かしたり、容易に無実の人を逮捕できるような法律がぼこぼこ作られている。これ、見た目の軽々しさよりかなり怖いことだと思ってます。

入れたい人がいないから、っていう人もいるけれど、それでも誰かに投票しなければ、せっかくの政治への参加の機会をふいにしてしまうどころか、いやだなぁ、と内心思ってる人が当選する確立をあげてしまうことにもなりかねません。であれば、せめて「こいつは嫌だから入れたくない」と思ってる人じゃない人に投票する、であってもこの際オッケーだと思います。投票する権利があるのに投票しなければ、この先何年か続く政治に堂々と文句言う権利もなくなってしまいます。あと、投票する権利がある人は権利がない人の代理人でもあるわけです。まだ自分が政治に参加する権利のない子どもたち、日本に暮らす外国の方たち、そういう人たちの人権を守るのも投票権がある人たちの役目です。動物たちや自然そのものだって投票権はない。だからそれも代わりに守ってやらなきゃならない。投票なんかいっても何にも変わらない、なんていってたら変わるものも変わらないので、まずは大事な一票、無駄にしないようにしましょうね。


ラベル:美術 アート
posted by なつめ at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | おでかけメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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