2014年03月12日

ストーリー311 あれから3年

去年、2年目の311の日に買った漫画、「ストーリー311」の、3年目バージョンが、今回はカドカワ書店から出版されていました。前回の作品のレビューはこちらに書きましたが、あれから一年、やはり遅々として進まない被災地の復興の現状を見ると、もどかしい思いがします。

今年の「ストーリー311」は、被災地出身の漫画家さんたちも加えて、3年目の東北にひとりひとりの漫画家さんたちが真摯に向き合っています。

ストーリー311 あれから3年 漫画で描き残す東日本大震災 (単行本コミックス)
ひうら さとる 青木 俊直 うめ 岡本 慶子 新條 まゆ 二ノ宮 知子 松田 奈緒子 葉月 京 ななじ 眺 さちみ りほ おおや 和美
KADOKAWA/角川書店


今回は、前回の漫画に登場した人たちのその後を取材した作品もあって、前回、読んで胸がちぎれるような想いをした作品のモデルさんが、お母さんになっていたり、割と若い人への取材が多くて、これからをどう生きるか、という被災者の方々の模索の道を垣間見させてもらえるようなストーリーが多かった印象です。私はうっかり電車の中で第1話を読んでしまい、あやうく落涙しかけました。あと、前回登場した学校の先生のその後の話とか、11話の海の話とかがよかったです。

この作品は、漫画家さんだけでなく多くの人のボランティアで出来上がっていますが、今回この2巻を出すにあたって、クラウドファウンディングで資金を募ったのだそうです。目標額をはるかに超えるその金額にも驚いたし、なんというか、こう言ったら失礼ですけど、漫画家さんっていったら、だいたい部屋にこもってずーっと漫画描いてるわけで、多かれ少なかれコミュ障的なところがあったりする人が多いわけでしょう?その人たちが、部屋を飛び出して、実際に人にあって取材して、そうやって漫画をかき上げて、出版した、っていうことにも、心を打たれました。

これ、取材慣れしたテレビや雑誌の記者じゃ作れないものだと思うんです。先週末ぐらいから、テレビやなにやら、いろんな媒体で、3年目の被災地を追う的なドキュメンタリー番組を色々やってますよね。だけど、正直、このこなれ方はなんなんだ、って思っちゃったのも事実なんです。今日も夜の9時台のNHKニュースは相変わらずの田老観光ホテルからの中継。これまで何度も放映してきたスポットです。なんか、手抜きしてない?って思っちゃうんです。

すべてが洗い流されてしまったあとに、鉄骨の足だけ残してぎりぎり建っているホテルの図というのは、絵にもなるでしょうしテレビ的にはつくりやすいんでしょう。でも、報道の取材ってそれでいいのか?と思うんです。もちろんあの場所はとても大きなシンボルではあるんですけども、奇跡の一本松だとか、田老ホテルとか、そこに被災地学習にくる小学生とか、そういうステレオタイプなまとまりやすい素材の中に、そこに生きてる人たちの悩みとか喜びとか、そういうものはあるのか?って思うんですよ。それは、報道関係者の怠慢だという気がしてなりません。

その点、この漫画を書いた沢山の漫画家さんたちは、自分たちの手の届く範囲の、会える人たちに、「なんか絵になるとこありません?」「このへんでお子さん亡くした方いませんかねー」なんていうゲスいかかわり方じゃなく、人と人として向き合って、その上でどう描いたらいいか悩み、自分の漫画のスタイルにさえ当てはめることができない現実の重みと向き合いながら、ひとつの作品をかきあげている。漫画作品として、饒舌だったりまとまりに欠けてたりするところはあるけれど、それはそれだけ作家さんたちが真摯に対象に向き合った結果だと思えて、自分も襟を正したくなります。

今週末にはサイン会などのイベントもあるそうです。あと、私は知らなかったんですが、前回の漫画作品からいくつか抜粋して、小中学生向けにノベライズした本もあるそうです。



あと、子どもさん向けということでは、去年、「はせがわくんきらいや」の長谷川集平さんが出版された「およぐひと」という絵本も挙げておきたいです。この絵本も、被災地を、というよりは、被災地とどう向き合えばいいのか、というクリエイターの戸惑いを、真摯に描いた作品で、なんというか、きちんとまとまったものを読んですっきりしたい人からみたら「なんだこれ」っていう絵本だと思うんですけど、この中の

「ぼくらのように テレビや しんぶんに のらないひとたち」

という言葉は本当に胸に突き刺さるもので、そして本当に救い上げられなければいけないのは、そういう「テレビやしんぶんにのらない」ちいさなちいさな一人ひとりなのだと、あらためて思い知らされる、厳しい絵本として、ご興味のある方には是非読んでみて欲しいと思います。

およぐひと (エルくらぶ)
長谷川 集平
解放出版社
売り上げランキング: 153,444


こういうクリエイターの人たちのさまざまな試みに触れながら思うことは、3年経ってなお、私たちはあの未曾有の災害とそれがもたらした分断に、どう向き合ったらいいのかわからずに迷い続けている、ということです。でもこれを、めんどくさいから考えない、とか、わかりやすいところだけ見る、になってしまうと、「テレビや しんぶんに のらない」私たちひとりひとり、というものは存在しないことになってしまう。

上手くいえませんが、目の前にいるだれかひとりのひとと、一所懸命かかわりあうこと。それはテレビやしんぶんにはのらないけど、そういうものを、ひとりひとりが言葉にしていかなきゃいけないんだろうな、という風に思ってます。「忘れてはいけない」「語り継ごう」とかいうそらぞらしい掛け声じゃなくて、もっと具体的な誰かとか何かと、具体的にかかわること。そういう地味で目だたないことを、続けていかないといけないんだな、って思います。去年計画してたのにチョビの不登校でいけなかったから、今年こそは仙台、いけるといいな。


おまけ:
きーくんとウヒョンのコラボ、ToheartのMVが出てたのでぺた。

ウネとはまた一味違うキュートさがあるCPですね。背中かいてあげてたりとか、もうなんだこれw という可愛さでした。

さらにおまけ:

日本人。KJくん。ショタには興味ありませんでしたが、彼がいつかデビューしてステージで踊ってるとこを見てみたいと思いました。

自重しないちぇんちぇん推し(レイチェン脳):

長いし中国語も全然わかんないんですけども、基本的に6:07〜09あたりのレイチェンモーメントに満足です。てかジョンデいつ金髪にしたんだろう。

ふわふわ金髪メガネといえば、去年の秋ぐらいのコレが神ビズでした。
130928Chen1.jpg

かわいい♪と思っていただけたら、是非ぽちっと応援したげてください。鹿はついに異次元の20万票超えです。北京の底力すさまじい。
posted by なつめ at 00:59| Comment(4) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なつめ様、こんにちは。
コメントは2回目のアラフィフのsiwonペンです。sjのことはもちろんですが、その他の記事も
いつも楽しく拝見しています。
今回のコミックの件も知らなかったので、
教えていただきありがとうございました。
さっそく購入したいと思います。コミックの印税が寄付されると書いてありました。いろいろな形で支援されているかたがいるのですね。
また、いろいろな記事を楽しみにしています。
ちなみに、ウネ婚は、ドームシティと武道館に
行く予定です。
Posted by きりっこ at 2014年03月13日 10:38
なつめさん、こんにちは。

毎回楽しく読ませてもらってます。
もはやこのブログはチェンペンの聖地(笑)

今回、この漫画の収益が寄付されると聞いて、早速買いました。
情報発信ありがとうございます。

なつめさんは、いとうせいこう氏の著書「想い出ラヂオ」読まれましたか?
ぜひなつめさんのような感性豊かな方に読んで欲しい1冊です。
あれから3年、今だ私達に出来る何かを模索する日々。
私は阪神淡路大震災で被災したので、マスメディアの伝える復興と政治家の唱える復興、そしてここで暮らす人間の復興には、大きな隔たりがあることを、経験的に知っています。

そして、私達は決して弱者ではないと言う事も知っています。

涙を流しながらでも、歩みを辞めず俯かずに進む為にも、いとう氏の本は一つのビタミンになってくれました。

長々とごめんなさい。
なつめさんのブログも私のビタミンです。
Posted by ハル at 2014年03月13日 13:45
なつめさん、こんにちは。コメント3回目のれいしゃんぺんです。 


私、震災の時は浦安に住んでいて、去年から東北に住んでいるのですが、浦安では、液状化などでかなり被害を受けたのにもかかわらず、1年後には何も報道されなくなったのに対し、東北では毎日のように震災後の復興等のニュースが流れていて、もの凄く温度の違いを感じています。
コミックの件は知らなかったので、協力できたらなと思いました。

ところであの中国版不朽の名曲は、なつめさんがupしてくれた眼鏡じょんでの頃に収録されてるので、じょんでは金髪ぽい色なのです。いったい、いつ放送されるのかと首を長〜くして待っていましたが、あまりにも長くて私も忘れていて、今頃!?って感じです。
Posted by kana at 2014年03月14日 21:03
お返事遅くなって失礼しました。きりっこさん、是非身近な方にもご吹聴くださいね。ネットで拡散されててもなかなかリアルだとご存知ない方も多いので…。

ハルさん、せいこうさんの小説は三島由紀夫賞の候補になってたので知ってましたが未読でした。ノーライフキング初版で持ってた私としては読まずばなるまいて!ということでKindle購入してみました。お薦めありがとうございます。

kanaさん、不朽の名曲の収録教えていただいてありがとうございました。眼鏡のフレームも一緒ですもんね。そうだったのか!と合点です。
Posted by なつめ at 2014年03月21日 23:54
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