2014年05月30日

『永続敗戦論』白井聡 を読んだ。

母から借りてしばらくほったらかしてたのですが、2013年に出版されて割と話題になった表題の本を、ようやく読了しました。これは2012年に雑誌に連載された論文をもとに、2013年3月に出版された本なんですが、この本の予言がわりとその通りに現実になりつつある2014年の今、あらためて読むと結構ひやりとこたえる本でした。

永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)
白井 聡
太田出版
売り上げランキング: 4,439


著者の白井聡氏はこんな人。やべ、年下だ!なんというか、学生時代、憧れのお兄さんだった甲子園野球の選手たちが、気づけば同級生になり年下になり、やがてマジが21世紀生まれか!?みたいになっていくのには毎年飽きもせず衝撃を受けていたものでしたが、セクシータレントと政治学者、歴史学者はいつまでたっても年上みたいな錯覚はなかなか拭い去ることができず、ふむふむなるほどと納得しながら読み終えて77年生まれか!と知ったプチ衝撃はひっそりと心にとどめておきます。

一通り読んだだけで読み返したりしていませんが、憲法改「正」を叫ぶ現首相と、戦後レジームの脱却を謳う現政権閣僚たちの、あのように稚拙な理屈に基づくファシズムと軽々しい「愛国」が、何故今の日本でかくも広範囲に支持されるのか、という疑問に対する一つの解を与える論考としてとても興味深い本でした。アマゾンの書評欄がいい具合に辛辣な評で溢れています。それだけに割と積極的に読んだ人=インテリ左翼は、一所懸命読んだのだろうなという印象。なんせ著者は基本的に左派の論客なので、右の人は触りもしなかったんじゃないかしら。意外と「国体への冒涜じゃ!氏ね非国民!」みたいなネトウヨ系の方の書評はありませんでした。

にも関わらず、星一つから星五つまであるのは、おそらくこの本が、日本の右派と左派を相対化するにいたるほど徹底的に、現在の日本人のメンタリティの根底にある「敗戦の否認」というキーワードで、現在進行形の現象のおぞましさと、それに対抗しえない日本人の本質の部分を滅多切りにしているところへの反発が、いわゆる左派の人たちの中にもあるからだろうと思います。

私はだいたい親の教育もあって、うすら左翼ぐらいのメンタリティを維持しながら生きていますが、そこに母の世代の原水爆禁止運動化あたりが持っていたような情緒的な思い入れというか、正義感覚みたいなものはおそらく母の世代より薄いので、著者とおそらく感覚的に近いものがあり、面白く読めました。でも、辛辣な指摘を受けたときに自分自身がどーんと落ち込むような方にはオススメしません。

この本は「アメリカと日本は同盟国だから何かあったらアメリカは日本を助けてくれるし逆に日本はアメリカのために一肌脱がなきゃいけない、トモダチだから」とか「どこそこの国は親日家が多いから、何かあったらたくさん寄付もしてくれたしこれからもその国とだけは仲良くしていかなきゃ」的なロジックにシンパシーを感じる方には向いてません。外交戦略というものは、何かある都度基準が入れ替わる「正義」などという曖昧なものに基づくのではなくて、各国の、己の国益を最優先とする中で方向性が定まるものであって、「アメリカと日本は同盟国だから、中国と日本がケンカしたら、どんなことがあってもアメリカは飛んできて助けてくれる」などというナイーブな感覚は、外交的スタンダードからいったら噴飯ものなので、当然そのような保障は(ほぼまったく)ない、という話に「そりゃそうだよねー」と軽くうなずける人には、とても向いている本だと思います。共感しながらサクサク読めるでしょう。

全体的に、沢山引用された過去の政治学者は批評家たちの論考に関する掘り下げが割とあっさりしていたせいかも知れません。原典にあたらないとなんともいえないようなことが沢山批評の対象になっているので、本気で読むなら引用された本まで周辺読書が広がりそうな感じです。

でも、逆にそういう部分をこれだけさっと流して、しかも一刀両断って感じでぶった切りながら、「日本人はいかにして『敗戦』という体験を国民の血肉とする機会を失ったまま何十年という『戦後』を謳歌し、その条件前提が崩れた現在になってもその、受け入れられないがために永遠に終わらない『敗戦』を引きずったままでい続け、そのことが対米、周辺国との外交にどのような影響を及ぼし続けているか、そして何故今、集団的自衛権問題がかくも重要課題として取り上げられるのか(<ここの部分までは出版の時期からいっても実際に書かれているわけじゃないですが、確実にリンクしてます)」といったあたりにまでこの薄さの本で切り込んでいるのは、なかなか度胸があると思うし、評価されていいことだと思います。逆に上に書いたようなしっかりした論文だったら、ここまで多くの人が手に取ることはなかったでしょう。

その中で、領土問題における日本のダブルスタンダードのあたりは、関連する条文の原文を掲載しながらわりと詳細に考察しています。近頃テレビをつければ「中国機が異常接近!」とか「韓国はこんなにも事故が多いいい加減な国なのに我々に対して物申してくるぞ!」的なプロパガンダ番組がニュースからワイドショーまで毎日延々たれ流れさていて、オーウェルの小説よろしく一般人の中のヘイト感覚を煽っていますが、そうした番組のコメンテーターの台詞の多くが、いかに的はずれで、実際の歴史的事実や国際協定、国際標準的な外交のセオリーに関しての(意図的かそうでないかはともかくとして)無知に基づいているのかが、流し読みだけでもわかるようになっていますので、今まさにこの時期に読んでおいて損はない本だと思います。この調子で日本のファシズムと言論統制が進行すると、こういう本はそもそも出版すら出来なくなるかも知れないのですしね。

もちろんこれ一冊で何かがわかるような本ではありませんし、そういう風に何かを簡単に信奉することは、逆に危険でもあります。著者もおそらく、ここからひとがものを考え出すためのイントロダクション的な意味合いもこめて、多くの人の手に届くような文章と体裁を選んでいると思われるので、読むための敷居はとても低い。その一方で、議論の性急さや強引さはあります。ではありますが、それでもなお、こういう「最初の宝の地図」みたいなものをまず手にして、そこからすべてのドアを叩いてまわりながら、自分自身で世界を捉え直し、地図を書き換えていく自由が読者には与えられているわけです。その点も含めて私は星4つぐらいの良書だと思いました。自分自身が知性をもって、無知や因襲に基づく悪しき政治的振る舞いの暴力に立ち向かうための、「知りたい」という欲求を元気にしてくれる本です。

本書半ばにある『占領軍の「天皇への敬愛」が単なる打算にすぎないことを理解できないのが戦後日本の保守であり、そのことを理解はしても「米国の打算」が国家の当然の行為にすぎないことを理解しないのが戦後日本の左派である。言うなれば、前者は絶対的にナイーヴであり、後者は相対的にナイーヴである。』という指摘は、今さまざまなメディアで語られる改憲問題にまつわる議論が、何故か情緒的対立に常に集約されてしまって、国民にとっての利益という国家の存在意義にかかる部分がすっぽ抜けてばかりいるのは何故か、ということをよく説明しているように思います。

中学生ではちょっと難しいと思います。高校も、世界史ある程度進んでからじゃないと難しいかな。でも、にちゃんのまとめサイトあたりを読んで何でもわかった気になっているような、大人ぶりたいお年頃ちゃんに読ませて、耳からピーって湯気が出るぐらい一所懸命読んだ上での感想を聞いてみたい気もしますね。

以前レビューした「それでも日本人は戦争を選んだ」は、歴史学のアプローチでもって、『なぜ、回避できたはずの戦争が回避されなかったのか』『ターニングポイントや、そうした判断を規定したものはなんだったのか』、ということを子どもにもわかりやすく説明し、歴史から学ぶことの大切さを訴えた良書でしたが、「永続敗戦論」は、その戦争が「過去の出来事」ではなく「これから」はじまり得ること(しかも割と簡単に、かつ国民が関わらざるを得ないような形で)、という事実を、現在私たちが見聞きする出来事の中から掬い上げて説明しているという点で、より身近に感じやすいんじゃないかとかも思う。一日で読めるので、興味のある方は是非読んでみてください。いつ読むの?今でしょ!(<古い)

さて、exoちゃんたちの単独コンサートが終わり、Mっ子たちは教習所いったり、ありんこに悪戯したりと暇そうにしてますが、Kっ子たちは休む間もなくお仕事三昧ですね。



えくそちゃんたちの冠バラエティ、xoxoは結局4回で打ち切りみたいにして終わってしまうようです。現在の状況を考えればやむをえない措置でしょうが、ツアーのバックステージとか楽しみだったので、残念ですね…。

でも、公演後の楽屋のSMファミリー仲良し写真にSJメンバーたちの姿もあったので、テンションあがりました。f(x)のアンバーやビクトリアの写真もあったし、写真はあがってないけど、シンドンやウニョクもいたっんじゃなかったかな。

KyuXiumin.jpg
これも一種のキュミンといえなくもない…(ぎゅ×シウミン)。

Wook.jpg
うぎたんは本当にD.O.がお気に入りですね。周りの子たちはVIXXの子なのかな。私よく知らないんですが、VIXXとEXOちゃんたちは年齢も近いせいかとっても仲良しみたいですね。

wonhaeEXO.jpg
あああああ、しをにーが私のジョンデの肩を!抱いていますよ!!(そこ場所代わって的ななにか)

SuhoTae.jpg
テミン大人になったなぁ…キノコだったのになぁ…<回顧厨

近頃本当にもう回顧厨になってていけません。EXO単コンのダンスが思った以上にエロくてめげた挙句に、2012年頃の幼いちぇんちぇんを見返しては、めそめそしている毎日です。というわけで今夜の自重しないちぇんちぇん推しは、2012年頃のちぇんちぇん。

120910 Chen1.jpg
かわいいなあああ。

121212ICaipport.jpg
こんときの服も好き。

XiuChen.PNG
しうたまも若い。


うでが….JPG
今はこんなに腕とかムキムキなんだようううう。ムキムキ苦手なのに…ベッキョンとかスホさんとかガリガリ維持なのに…ジョンデよ、何故そっち方面に向かう…orz

EPJDsolo.JPG
でも、細腰は健在だったので、ちょっと安心しました。これかっこいい。
posted by なつめ at 02:28| Comment(4) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして(*^_^*)です。
初期の記事から読んでようやくようやくここでコメントするまでにいたりました。
年齢だけ重ねて成長のない私の足りない頭では何度も読み返さないといけなくて・・・。

真面目な記事も楽しい記事も、これから楽しみにしてます。
Posted by かな at 2014年05月30日 12:53
◇かなさま:
おおーこの記事に何かコメントいただけると思ってませんでした。さらっと読んだだけなのですが、でもニュースを見ながら、もう一回読みなおさなきゃ、と思ったりしています。

本当に人間というものは愚かで同じ過ちを繰り返してばっかりですが、でも今こんな風に狂い始めている国家のありようを見ていると、せめて何故こうなってしまうのか、ということだけでも知りたいと思うんですよね…そういうのが何度も何度も伝えられて、繰り返す失敗を経て、人間は少しだけ賢くなるのかも知れないです。

次はとりあえずオーウェルの1984読もうかと…。
Posted by なつめ at 2014年06月02日 01:03
なつめさま.コメントでいろいろご迷惑をおかけしました<m(__)m>
これからもよろしくお願い致します.

以前紹介してくださった「それでも日本人は戦争を選んだ」も読みました.
そして今日「永続敗戦論」をAmazonで注文しました.

私達には何ができるのでしょうか.
いろいろ考えたいと思います.

Posted by みんなのはは at 2014年06月03日 15:11
◇みんなのははさま
コメントの件はお気になさらず。興味を持っていただけて幸いです。是非感想聞かせてくださいね。
Posted by なつめ at 2014年06月09日 01:24
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