2014年11月09日

大阪日帰り:11月文楽公演「奥州安達原」観てきた

先日引退された竹本住太夫さんが文化勲章を受章され、お返しとばかりにアホの橋下市長が文楽協会への補助金カットを発表し、絶滅危惧種だから保護する必要があるんじゃん!客がわんさか入ってりゃ補助金いらないじゃん!伝統芸能だぞ!?アホか!豆腐の角に頭ぶつけて氏ね!!と全力で呪いつつ高速バスを予約した私ですが、いってきました。11月文楽公演の第二部、「奥州安達原」

いやー、これ、初めてみる感じの作品でした。一応歴史モノの範疇に入る作品だと思うんですけど、黒塚伝説に基づくホラーっぽい段もあるし、何より仇同士の子ども同士が親の知らないうちに子ども作ってたり、謎の宝剣を取り戻すために男が女に変装して敵の家に入りこんでたり、いくらパンフレット読んでもなかなか頭に入ってこないやたら込み入った人間関係が、その「実はだれそれが変装している」とかでさらに込み入った関係になる上、もともとは平家と源氏の血筋なんだけど婚姻で結ばれた家同士で、でも立場上また制裁を下す立場と切られる立場にわかれなきゃならなくて…とかもう、どっちが悪者ともつかない設定が重なってややこしくて筋を追うのに必死。

「実は親子」とか「実は恋人」とか、これでもか!!って感じの「なんでここまで全員因縁がなきゃいけないんだよ…混乱しすぎるからむしろ他人でいいよ…orz」ってぐらいの複雑な人間関係の伏線で、書いてるヒトも面倒になったせいじゃないか、みたいな感じで「え、そのどんでん返しありなの?」という唐突などんでん返し連発されるもので、後半30分ぐらいおくちポカーン、って感じでした。

とりあえず、『生まれて初めて古典芸能を見る』という人にはあんまりオススメ演目とは言えないです。でも、なんていうのかなぁ…アカデミー賞とかはとれないと思うし、下手したらDVDにもならないんだけど、なんかどうにも忘れられないカルトムービーみたいなのって、たまにあるじゃないですか。そういうのを観ちゃったみたいな変な感じがありました。初めての人には薦められない。でも、なんか誰かと語りたい。「ねぇねぇねぇねぇ、あれ観た?観た?ちょっとアレってどうよ!?」って喋りたくなるような、そんな演目。全然説明できてません。すみません。

うっすらわかった気になれるダイジェスト(平成20年の公演時のもの)動画貼り付けておきますね。



このダイジェストだとカットされちゃってるけど、一番泣けたところは、駆け落ち後の生活困窮で盲目になっている儀仗の娘袖萩が、父親の窮状を心配して雪の中ひと目会いたいとやってくるシーン。武家の人間として迎え入れるわけにはいかない父親と、母親の浜夕に、歌に託して自分の駆け落ちの事情とかを伝えるんだけど、結果敵である貞任が相手の男だとわかり、余計会ってやることもできなくなっちゃう両親。雪の中、凍えたせいで持病の癪の発作を起こす袖萩に、幼い娘のお君が自分の着物を脱いでかけてやり、雪をすくって口に含ませ「私は温うございます」と健気に言うとことか。

目の見えない袖萩が、抱いてみて娘が薄着なことに気づいて、「こんな親不孝者の自分にこんなに親孝行な娘ができるとは、なんの因果か」と泣くところへ、こっそりと戻ってきた老母浜夕が、打ち掛けを投げてやり、「町人の家であったら、若い者のすることだもの、こんなよい娘を産んでよかったでかしたと許して家に入れてやり、婿よ舅よという関係にもなれただろうに、抱きしめてやりたい可愛い初孫の顔もろくに見てやることができないのは、武士に連れそうが故の薄情ざだと、諦めて去ってくれ」と悲しみをこらえて話すとこが一番の泣きどころだったなぁ。

本当だったら娘を暖かい家に入れてやりたい、いくら親に黙って駆け落ちしたとはいえ、ここまでひどく落ちぶれ、病身でもある娘を、母親が放っておきたいわけはありません。でも、武家の妻だから簡単に迎え入れてやることはできない。この葛藤と、三代の母娘が親と娘をそれぞれ思いあうとこが泣ける。ここは、この超展開ドラマの中だとダイジェストでカットされちゃうぐらい本筋から外れてるエピソードなんですが、逆に一番わかりやすくて一番泣けました。お人形さんが三味線の音にぴたっとあわせて三味線ひくところは、お人形さんメインで観ていても面白いですよ。はらはらと舞い散る紙ふぶきが本当の雪みたいで、絵的にもとても綺麗な場面です。

そのあとのどんでん返し、またどんでん返しの本筋のところは、大きな男の人形が並んで見得きって、迫力はあるけど内容的にやっぱり「ポカーン」になっちゃうんですが…

観る前から楽しみにしていたのは、黒塚伝説に基づくちょっぴりホラーな(ちょっぴりじゃないな、かなりスプラッター)「一の家の段」。鬼婆が出てきます。これは桐竹勘十郎さんが遣います。勘十郎さんは、これまで観た作品の中では男性役のイメージが強かったんだけど、女役かぁ…と思ってたら、鬼婆・岩手の役は普通で考えるところの女役とは全然違ってた。お人形も大きいし、なんせ本気で人殺しをやる役なんで、立ち回りの動きもすごいし。

鬼婆の岩手の立場としては、息子の仇討ちを助けたい、さらってきた宮の口をきけない病を治すための薬として、胎児の血が欲しい。狂ってるけどまあ筋は一本あるわけです。一種のダークヒーロー(ヒロイン)って感じで、うぉおおお、ってなります。そして、胎児の血をとるために殺して腹を割いた妊婦が、実は自分の娘だった、という悲劇もあとから発覚するのですが、それを知った瞬間ですら、娘よでかしたよくぞ犠牲になったと言ってやれなかったのは残念だった、と言うという、なんというか男世界の武家の理屈で動いていて、涙すら見せないので、そういう意味でも全然女役じゃないです。

最後には、その宮さまがニセモノだったとか、色々と自分のしてきたことが騙された結果で無駄だった、ということを知り自害するんですが、そこの死に方まで切腹なんだよ…私これまで歴史ドラマとかでも女性の切腹シーンなんか見たことないよ…!てんで、何からなにまで型破りでびっくり。凄惨な殺人シーンとか、胎児の血を絞るところとか、これ昔の劇場で薄暗くて、せいぜいろうそくの明りぐらいでしか見えない時代だったら本当に怖くて、帰り明るい道通らないと家に帰れない感じだったんじゃないかなぁーとか思いました。

でも、この全体的にホラーな段にも、観客席からちょっと笑いが漏れるぐらいのコミカルな演出も入ってるんです。最初に老婆の餌食になる旅人が、騙されて家に泊まって殺されちゃうシーンとか、こっちは老婆が鬼婆だとわかっているので「あ、あ、ダメダメそんなので騙されちゃ!」と思うんですが、旅人はコロっと騙されちゃう。スリルでひやひやしながらも、単純で騙されやすい旅人の反応に思わず笑っちゃったり、老婆の「ちょっと、それアリなのw?」みたいなぶっとびのモンスター的な行動が、逆になんかおかしくて笑っちゃう、みたいな。そういうふっと気が抜けるシーンと、もうバタン!って下駄の音がするだけでも、ビクってなっちゃうぐらいの緊張したシーンの緩急があって、なかなか体力使いますが、面白い段だと思いました。

たださあ、どんでん返しに次ぐどんでん返しの本筋エンディングでね、生き残ったのは男ばっかりみたいなことになるわけですが、この胎児の血のために惨殺された恋絹の夫(赤ん坊の父親)であるところの生駒(文楽に絶対出てくるあんまり役に立たないけど女にだけはもてる優男)が、結果的にその胎児の血のお陰で宝剣のありかが分かった、ということで、「莫大の功あり」とか言われて、主からの勘当を解いてもらうわけです。

「え、莫大の功ありってこいつなんにもしてないじゃん!敵の女と恋仲になって孕ませて勘当されて、その女殺されても自分はなんにもできなくて、にも関わらずその胎児の血のお陰で宝剣のありかがわかったからって男の手柄って何それ!何それ!?ちょっと待てナニソレ???」ってもう完全にお口ポカーンってなってるところへ、とどめの『生駒が悦び…』っていう語りが入って、もう、ええええええ!???ってなもんですよ。「おいコラ、ついさっき女房と赤ん坊惨殺されてんのに勘当解かれて悦び…ってお前何考えてんだ!この鶏頭!ちょっとよく考えてみろ!!」って感じだったんですけど、もうエンディングなんで立役の人形ずらっと並んで揃って見得きっちゃってて、「なーんーなーのーこーれーはーーー」と呆然としてたら終わっちゃった。

一緒に見に行ったともだちとは「この話は酷い!超展開にもほどがある!酷いけどなんか、むちゃくちゃ語りたくなる変な魅力がある!」というので、ひとしきりもりあがってしまいました。すみません、これ読んでも多分、何がよかったのかさっぱりわかんないと思うんですけど、そして話も全然筋追えないと思うんですけど、カルトムービー見ちゃった気分だと思ってください。もう一度お金だしてみたいかっていうとすごい微妙だけど、半券持ってたら2割引きとかだったらもう一度観たいかもしれない。でも、生まれて初めて見る文楽の演目はこれじゃないほうがいい気がする。というような作品でした。

なんなんだろうなぁ、これまで観てきた歴史モノの話って、武士の義理とかしきたりとかそういうものに縛られている男たちの論理のお陰で、人間としての情とか親子の愛とかそういうものが引き裂かれてしまい、その葛藤の中で女性たちが嘆き悲しみ…みたいなパターンが多くて、「あ、このパターンね」ってわりと理解しやすかった。でも、今回、徹底的に武家理論っていうか男理論ゴリ押しみたいな話で、そこに浜夕とか岩手みたいな武家の家の老婆たちも、ある意味男のように乗っかっている。もちろん葛藤はないわけじゃないんだけど、全体的に男の理屈のほうがメイン。その結果、話としては「わっかんねぇし全然共感できねぇよ!!!」って展開になるのかなぁ…と思った。

よくわかんないけど、浄瑠璃って町人の文化で、武家の話を描いていても、そこに偶然関わってしまう町人とか芸妓とかの悲劇が実は見どころ泣きどころとしてはメインだったりして、そこのところは今の時代の私とかが見ても、共感できたり心を揺さぶられたりするんだけど、武士話がメインになると途端に共感度が下がる気がするなぁ。もちろん観る人によって違うと思うんですけど、私はどうやらそんな感じです。

ちなみに、今まで見た中で、もう一度見たいなぁーっていうのは、やっぱり一番最初に見た「伊賀越道中双六」と「菅原伝授手習鑑」かなぁ…お互い思いあっているのに表に出すことができない老親と子どもの絡みがあると、なんか泣いちゃう。でもこれ両方とも住大夫さんだったからなぁ…別の大夫さんだったら違ったのかもしれない。二度と住大夫さんの語りでは聴けないんだなぁと思うと、本当に行けてよかった。あんだけ心を揺さぶられる語りに、これから先また出会えるのかなぁ。でも出会いたいです。あと、「女殺油地獄」はもう一度観たい。これはとにかく勘十郎さんの与兵衛がよすぎた。駄目男で色男。

文楽っていうのも一期一会感すごいっていうか、一度やった演目を次に観られるのが下手したら10年以上先とかだったりするので、語る大夫さんや演じる人形遣いの方も同じとは限らないし、「今観ておかねば…」感にすごい突き動かされてしまいます。まあ、舞台芸術ってみんな、今観ないと、同じものは二度と観られないものなんですけど、再演までのスパンが尋常じゃなく長いので…。12月はスパショの遠征での散財と休みがとれそうにいないので、東京公演はあきらめかなぁ、と思っているのですが、1月の大阪は行きたい!近松の「冥途の飛脚」が二部なので、これ見たいなぁ…。まだ配役が出てないので、それ見てからチケットとろうと思ってますが。

来年は、日本財団がお金を出した文楽の移動舞台がお披露目になります。これのおかげで、いままで文楽公演のなかった地域でも、文楽見られるようになるかもしれません。日本財団なんて右翼ヤクザの財団じゃん!って思ってたけど、この活動は評価せざるを得ない。東京も大阪も遠いしなぁ…って思ってる方、もしこの舞台がやってきたら、是非足を運んでみてくださいね。

ちなみに、前回の大阪遠征時には4列ガレー船状態の夜行バスで帰京し、死ぬ思いをしたのですが、今回は3列独立シートの夜行バスを利用して、おおおお、高いだけのことはある!って感じで、だいぶ楽でした。とはいえ、やっぱり熟睡というわけにはいかずに、今日は帰ってきてからごろごろしてましたが…。結局日帰りしても翌日寝てるので、二日がかりではあるんですよね^ ^; もうちょい体力が欲しいアラフォーです。

あと、今回は公演の始まるより早い時間に大阪入りして、ちょびっと観光もしてきました。これまで、大阪いっても文楽劇場のあるミナミに直行だったんですが、キタのちょっとおしゃれな一軒家カフェ、太陽の塔でランチ。すこーしエスニック風のそぼろご飯にたっぷりサラダとスープつきのランチ食べて、とってもおいしかったです。中崎町から歩いていく距離で、場所ちょっとわかりにくいんですが、おすすめ!ケーキもおいしそうだった…12月にまた行きたい。

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あと、今回は七福神めぐりっていうのやりたかったんですが、カフェ居心地よすぎてちょっと時間がなくなってしまい、代わりに浄瑠璃神社がある生玉神社にいってきました。色んな神社がひとところにあつまってて、神社のアパートみたい。浄瑠璃神社や、奥のほうにある源九郎稲荷は芸能の神さまってことらしい。浄瑠璃神社の絵馬を見てたらホリプロの人とかの名前もありました。あと、「豊竹亘大夫」っていう、大夫さんの名前があって、えー、若手の人かなぁ?なんていいながらパンフレット見てたら、ちゃんといた!平成23年が初舞台の若手大夫さんですね。今回は、道行千里の岩田帯、っていうシーンで、大勢大夫さんと三味線さんが並ぶちょっとふわふわした道行のシーンがあるんですが、そこで出演されてました。一か所ぐらい、一人だけで語るとこがあったかな。なんか「おお、彼なんだ!」って感じで、応援する気持ちになっちゃいました。

生玉神社の杜の中には、井原西鶴像なんかもあって、緑の中に「…ご隠居、落語の練習ですか…?」みたいなポーズの西鶴さんがいます。ちょっとシュール。

saikaku.JPG

あと、今文楽劇場の展示室では、文楽の舞台、という展示をやっていて、舞台セットの中に入った気分を味わえる展示をやってます。楽しかったのが、一人遣い用の小さいやつですが、お人形さん持たせてもらえたこと!ちょうどすいている時間に入ったこともあって、舞台セットの中にお人形さん持って入って、写真も撮ることができました。ちゃんと首とか動かすと、お人形さんとカップル気分を味わえるんですよ。楽しかったー。

実際の舞台でも、一人遣いのお人形は同じ形です。女中さん役のお人形が出てくると、あ、さっき触ったのと同じやつ…って思って、なんかちょっとワクワクしました。大きな役のつくお人形は、もっと顔や手が動いたりするので、中もきっと違うんだろうなぁ…。

何度か文楽のために通っているうちに、大阪もだいぶ慣れてきました。エスカレーターの右じゃなくて左をあけるのとか、最初いったときは「本当にそうなんだ!テレビで見た!!」みたいな感じでしたが、もうスっと位置を変えられるよー。12月のスパショはお泊りで二日行くので、あいた時間にまたちょっと観光したいなーと思ってます。とりあえず七福神巡りリベンジしたい。ご朱印ガールデビューしたい。

さて、スパショは今週は香港、ミーミのREWIND活動も順調そうで、こんな写真を見るにつけ、うれしい気持ちと、ああ、でももうシンドンは海外一緒にいけないんだな、っていう淋しさと、あがったりさがったりしてますが、ELFジャパンでシンドンへのメッセージ募集してます。14日金曜日までの募集なので、まだの方忘れないうちにGOGO!です。

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ちなみに、8周年のときの空港…カオス…
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1年間で、すっかり大人になりました←違 MAMAの投票、9周年記念企画は終わったけど、まだ続いてますよ。今、これまで唯一一位をキープしてたベスト男性グループ賞でもEXOに抜かれちゃってます。私も持てる限りのアカウントでせっせと投票してますが、厳しい。「一位のためだけじゃなく、メンバーたちと一緒に活動できることが幸せ」ってトゥギは言ったけど、でも彼らが自由に活動するためには実績で勝ち取らなきゃならないものもあるので、やっぱり一つはトロフィー持たせてあげたいです。ツイッターのアカウントとかフェイスブックのアカウントとかでも投票できるので、どうぞ皆さんぽちぽちしたげてください。

自重しないちぇんちぇん推し、11月6日がクリスの誕生日だったもので、クリチェン画像をあさっては回顧欝になってます…はぁ。レイチェンシッパーだけど、クリチェンはそれに勝るとも劣らないというかそれより好きっていうぐらい好きだったんだよ…弟ジョンデ可愛い…

何が萌えるってやっぱこういうカメラ全然まわってないところでよく仲よさそうにくっついてるとこがよくてですな…。
KCmoment.JPG

あとこの圧倒的な体格差。
くりちぇん.JPG

体格差萌え.JPG

なんぼ探しても出てこないこれの高画質。
ぜんぶ ゆきの せいだ.jpg

こんな甘ったるい歌を歌ってるのがクリスだなんて、まだなんか慣れません。いや、クリスじゃなくて、ウーイーファンなんだな、って頭じゃわかってるんですけどねぇ。


posted by なつめ at 22:08| Comment(0) | TrackBack(0) | おでかけメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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