2015年02月05日

「バベルの学校」観てきた。

ウネコンのELF先行予約、当落発表でしたねー。今日は有休とって出歩いていたので、発表時間の30分後ぐらいにはチェックできたのですが、3公演申し込んだうちの1公演しかあたりませんでした。お友だちと協力してたので、もう一つの希望公演も行けることになりほっと一息♪ですが、周囲の人たちも1公演だけ当選、という人が多かったので、とりあえず一つだけでもとれてよかったなぁ、という感じです。今回の遠征は、行ったことがない名古屋に初挑戦!です。味噌カツはあんまり好きじゃないので、ひつまぶしと手羽先と、噂のモーニングを食べてみるのが楽しみです^ ^

FC先行外れちゃった方も、まだオフィシャルサイト先行とか色々あるので、焦らずちゃんとしたお値段でチケット手に入れてくださいねー。私、チケットサイトって使ったことないんですけど、有名どころの某チケット〓通センターを試しに見たら、定価のほぼ倍の値段で売りに出してる人がいて、目が点だったよ…ダフ屋さんなんですかねぇ…

さて、今日は突発的なお仕事の谷間を利用してお休みとってきました。お友だちに誘われて、文京区の小さな小さな絵本図書館にいってきたのです。

花みち図書館
はなみち.JPG

白山の駅から歩いて7〜8分というところでしょうか。本当に普通のおうちが並んでいる路地を入ったところにある、大正時代の料亭を私設の図書館にしたもの。ご覧のとおり、入り口だけでも風情がありますが、中も本当に昔の日本家屋で、細い廊下の突き当たりの畳のお部屋が図書館です。毎週水曜日だけの開館。寄贈された絵本で運営されています。

いいのが、その絵本の一つ一つに、寄贈された方からのオススメコメントがついているんですよ。本屋さんのPOPみたいなものですね。それを読むだけでも楽しい。自分が好きだった絵本を誰かがオススメしてるとなんだか嬉しいし、好きなポイントが自分と全然違ったりするのもいとをかし。って感じでつい棚に見入ってしまいます。

畳のお部屋なので、小さなお子さんを連れたお母さんたちがいらしてました。私も友達もすでに大きなお子さんしかいないもので(苦笑)、自分たちで絵本を広げてお喋りしながら読んでいましたが、まったりしちゃってあっという間に時間が過ぎちゃいました。いま、自分の家に畳の部屋がないもので、畳の上でのんびりすることじたいが久しぶりだったなぁ。今度は寄贈する絵本を持ってまた伺いたいと思います。

んで、その後ラクーアの緑茶カフェでランチして…

ラクーアのふたり.JPG
カルーセルの見える窓際のお席で、ウラジーミルとエストラゴンも記念撮影。

それから、渋谷のアップリンクに、こんな映画を観にいってきました。

バベルの学校


シャルリ・エブドというタブロイド紙の事務所が襲撃された事件に始まり、連続するテロのニュースに、憂鬱になったり怒りを感じたりしている人が多いと思いますし、あのニュースを通じてフランスを「人種差別的な国」と思った人もいるかも知れません。twitterを見れば、エジプト出身の力士に信じられないようなヘイトスピーチが行われていたという記事が話題になったり、普段そんな風に見えなかった人まで恐怖心からか非常に危うい排他的なことを言い出したり、国会ニュースを見れば好戦的で挑発的な台詞を繰り返しては自己陶酔してるとしか思えない首相の異様な姿があって、世も末だという気分にならざるを得ません。

そういうときだからこそ見ておきたいなぁ、と思った映画です。2013年制作、パリのとある中学校の「適応クラス」と呼ばれる外国人の子たちが通常のフランス語の授業についていけるようになるまでの準備クラスの一年間を追ったドキュメンタリーで、去年フランス映画祭というので上映されているのを知って、なんとなく記憶していたもの。

あらすじなんかはHPで見ていただくとして、私本当にこれは今こそ多くの人に見て欲しい映画だなーって思いました。20年前のフランスにももちろん人種差別はあって、マルセイユなんか有色人種お断りのパン屋とかもあったし、現在のフランスだって差別ゼロだなんて言い張るつもりはありませんが、それでもあの国には、自国の政策に責任のある中国残留孤児や在日韓国朝鮮人の方たちに対してすら十分な適応支援を行うことをせず、難民受け入れに関しても国際標準に照らしてあまりにも消極的な日本に比べて、はるかに真摯に海外からの移民・難民をどのようにして市民として受けれていくか、ということに向き合って試行錯誤してきた歴史がある。フランスは年間3〜4万人の移民を受け入れており、この学校のようなフランス語を母国語としない子どもたちのための「適応クラス」はフランス全土に840校もある。年に両手で数えて指が余るぐらいしか難民を受け入れていないような日本とは全然土台と覚悟が違うのです。

ものすごい勢いで綴りを間違えながら黒板に自己紹介を書く女の子の姿から映画は始まります。それぞれの国の言葉での「こんにちは」を言ってみる。たったそれだけでも、同じ地域出身の子たちが、属する社会グループや宗教の違いによって「そんな挨拶私たちの国の常識じゃない、あなたの宗派だけの話よ」なんていいだして口論になったりもする。活用がめちゃくちゃだろうがくるくると表情を変え、よく自己主張するラテン系やアフリカ系の子たちに対して、フランス語の聞き取り書き取りはちゃんとできていても自分から話すということがほぼまったくない中国人の子がいる。母国でどこまで勉強してきたか、という内容だってバラバラ。いくらひとクラスの人数少ない(20人ちょっと)とはいえ、一人の先生がこの子たち全員を見るだなんて、大変すぎる…(汗)、というような、まさに「バベルの塔」の伝説を地で行くようなシーンが続く。

我々東洋人に比べて、お化粧もするしファッションも大人っぽく見える子たちが大半ですが、それでも忘れ物をしたらちゃんと謝って貸してくださいとお願いしなさい、と先生に厳しく言われて、意固地になって謝らず、体育が見学で終わっちゃう子がいたり、見た目とは違うティーンズらしい幼さもあります。

バックグラウンドも人それぞれ。難民としてフランスにやってきて、なかなかフランス語が出来ない両親に代わって毎日難民申請書類を書かなくてはいけなくて勉強が遅れてしまいがちな子、チェロが上手で、音楽学校に通うためにフランスにやってきて、そのためにフランス語を学んでいる子、アフリカに帰ったら学校にも通わせてもらえなくなり、女性器切除をされて無理やり結婚させられてしまうことがわかっている、という母と叔母の強い希望で、親元を離れ叔母さんの家の世話になりながら学校に通っている子、アスペルガー症候群のため、フランス語の習得とは関係なく一部の学習に困難がある子…おそらく普通の日本の公立中学に通っていても、これほどの多様性を経験することはほぼ不可能でしょう。

そういう凸凹の少ない、のっぺりとした社会に慣れきっている私たちは、こんな風に「いろんな価値観」をぶつけ合い、互いを懸命に理解しあうという、人が複数あつまれば当然するべき努力に対して、基本ものすごく怠慢なんじゃないかなぁと思うのです。きちんとコミュニケーションをとって理解する代わりに(「察する」といえば聞こえはいいけど)「勝手に勘ぐる」ことで相手の考えや行動の意味を決め付けていたり。それ、外国の人が相手じゃなくても、日本人同士だってそういうところあると思うのです。

でも映画に出てくる10代の彼らは、ぶつかって傷つくことも怖れていません。日本ではタブー視されがちな宗教のことだって、率直に話し合う。「うちのお父さんはムスリムだけど、お母さんはフランスにきて福音派のクリスチャンになっちゃって、私はお父さんとモスクにいって、翌日はお母さんと教会にいって、あっちいってこっちいって…ってやらされていたらもうわけがわからなくなったから、クリスチャンとしてお母さんと教会に行くことにしたわ」って言って屈託なく笑う女の子。「どうして世界にはこんなに沢山宗教がなきゃいけないの」という素朴な疑問。「世界」っていうのはそれそのものが「疑問」みたいだわ、という子どもの言葉にはっとさせられる。

毎年参加する学生映画祭に出品する作品を撮るために、それぞれがフランスにやってきた理由などを語りながら、クラスメートの気持ちがふと自分の気持ちと重なって涙を流したり、そんなピュアな思春期の子どもたちの心の揺れとか、それぞれの子どもの親を交えた三者面談のシーンなどで映し出される大人たちの事情だとか、そういうものが折り重なって、たくさん気づきを与えてくれる。1時間半あるかないかの短い作品ですが、それでもその中で流れる一年間という月日の中で、子どもたちがさまざまな背景を持ったクラスメートをお互いに「友だち」として認めあうようになっていく過程に寄り添う監督の視線は優しく、見ればほっこりした気持ちになれる映画です。

国の政策がどんどん内向きになっていって、社会も排他的になっていく今みたいな時期にこそ、多くの人に見て欲しい作品。パンフレットにあった監督の「異文化にふれるとさまざまなことが学べます。移民の人たちを受け入れていかないと、フランスはいい国になっていかないと思う。」「隣人に手を貸すという意味で移民の受け入れを続けていけば、フランスで将来、万が一戦争があったときなどに、周りの国の人に助けてもらえるとも考えています。」という言葉を紹介しておきますね。

でも、あまり小難しく考えなくてもいいです。10代の人は、この肌の色や目の色の違う子たちの中に、それでも、あ、こういう子クラスにいるな、とか、自分に似てるな、っていう子を発見できるかも知れないし、大人は大人で、思春期に「大人になること」に対してどんな夢を描いてだろう、っていうことを思い出したりもできるだろう。無口で、いつも強く自己主張はせず、ただ控えめに微笑んでいるだけだった中国人の女の子が、学年最後の授業の日、このクラスの担任を最後に学校を去る先生に「将来の夢は中国語の先生になること」と堂々と答えたところなんか、もうぐっときちゃって涙が出そうになった。

この子たちの5年後、10年後を是非また追って映画にしてもらいたいなーと思いました。映画の公式twitterさんによれば、監督は10年後のこの子たちの姿を撮りたいという計画であるとのこと。完成する頃には私もまたいい年になってるはずですが、絶対観にいきたいです。

この、日本中のいろんな17歳の姿を撮った橋口譲二の写真集、すごく好きなんですが、

17歳
17歳
posted with amazlet at 15.02.04
橋口 譲二
産業編集センター
売り上げランキング: 602,257


これ、この写真集に登場した子たちの20年後を負った「続き」の本があって、それがまたいいんです。
17歳の軌跡
17歳の軌跡
posted with amazlet at 15.02.04
橋口 譲二
文藝春秋
売り上げランキング: 44,099

こんな風に、あの子たちがどういう人生を送って、どんな大人になったのか、見てみたいなぁって思う。

買ってなかったけど、21世紀バージョンの「17歳」もあるんですよね。
17歳―2001‐2006
17歳―2001‐2006
posted with amazlet at 15.02.04
橋口 譲二
岩波書店
売り上げランキング: 854,919


今回の映画みたら、欲しくなってきたー。この21世紀版の17歳の子たちも、そろそろアラサーのはずです。今、どんな大人になっているんだろう。こっちも20年後、撮ってくれるといいなぁ。

てなわけで、リンゴのタルト食べて帰ってきました。いろいろ、幸せ。
たると♪.JPG

自重しないちぇんちぇん推しは、2012年のかわいいかわいい冬ジョンデ。この日本当に可愛いかった。

121230-incheon-airport-211.jpg

どんどん大人になっていっちゃうけど、でもたまに、あ、この表情変わらないな、って思うとちょっと安心する。

150131CHEN_0130.jpg
posted by なつめ at 01:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。
なつめさんの映画や本の紹介を読むたびにすごいなぁと思います。
最近は本読んでないなぁ・・・
ウネコンでとうとう名古屋上陸ですか!!!
ぜひお会いしたいです。
会場から30分かからない位のところに住んでいるので時間があれば声かけてください(*´∀`*)
Posted by しー at 2015年02月07日 17:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。