2015年06月28日

海街ダイアリーみてきた。

是枝監督の映画「海街ダイアリー」、これは原作も大好きなので、楽しみ半分、不安半分だったのですが、観て来ましたー。



正直、報道で最初にキャスト見たときには、綾瀬はるかと長澤まさみはないなぁ…と思ってたんですが、見終わって、これMVPは長澤まさみかな、と思いました。彼女、こういう蓮っ葉な役ぴったりだなぁっていうか、ビノシュみたいな生々しい役をやったらすごくいいんじゃないかと思いました。そういう意味ではよしのちゃんのスピンアウトちゃんと原作どおりのストーリーで彼女主人公で撮ったらよさげだなぁと思った。

次点は夏帆ちゃんで、実際にはチカちゃんのシーンが全体通してみた中で一番ぐっときた。原作だと、わりとお笑い担当というか、陽気さ、明るさの部分を担当してるチカちゃんはあんまり深くキャラ掘り下げられてないところがあるんだけど、映画では「お父さんのこととかあんまよく覚えてないチカちゃん」という女の子のほんの僅かな心の揺らぎとかが(これは脚本がいいのか夏帆ちゃんの解釈がいいのかよくわからないけど、実に奇跡的なバランスで)表現されてて、そこがすごくよかった。

【以下ネタバレあるのでみたくない方注意】

原作の持っているヒリヒリとした痛みはかなり意図的にそぎ落とされていて、その分生ぬるく、私は映画としては是枝監督の作品並べた中でも特にいいほうだとは思えなかったけど(正直ぬるい、と思った)、でも誰と観にいってもたぶんすがすがしい気持ちで見終えることができる映画だと思うので、おでいつとかにはオススメします。広瀬すずちゃん可愛いし。

全体としては、綾瀬はるかの演じるシャチ姉が主人公な映画なんだろうなと思う。すずちゃんが鎌倉にやってきて、徐々に自分の居場所を得ていく、というのが大枠のストーリーではあるんだけれども、力点が置かれているのはすずちゃんのほうではなくて、すずという妹を得ることによって、すずと同じように「子どもなのに大人にならざるを得なかった」シャチ姉が、ずっと許せない存在であった「毒親」としての、自分たちを捨てて出て行った子どものような母親・優しすぎて不倫するダメな父親と自分自身、予想外の形で重ね合わせながら、心理的な和解を果たしていく、という物語になってるんですね。

これ、原作はそこまで甘くなくて、法事のあと駅で母を見送るシャチ姉のモノローグ『私たちが母の家を訪れることはたぶんないだろう 母が再び鎌倉を訪れるのははるか先のことだろう』ははるかに絶望的で、「でも元気で生きていてくれればそれでいい」っていう落としどころが逆にリアルで胸に突き刺さる。シャチ姉は映画版ほどすずに自分の子ども時代を強く重ね合わせていないし、四姉妹ももっと互いに自立してる。そのあたりが、映画版は生ぬるいなーっていうか、わかりやすいけどちょっと違うよな、って思ってしまって。

でも、逆に言えばこれが是枝監督の優しさなんだろうなと思う。「そして父になる」とかもそうだったけど、大人に振り回される子どもの側にいつも寄り添ってる人だな、って思う。そこのスタンスが、吉田秋生とは少し違うんだと思います。

さっきも書いたけど、長澤まさみの生々しさと、三女チカちゃんという存在にリアリティを与えた夏帆は私的に評価高かったです。個人的に一番ぐっときたのは、チカちゃんがすずとちくわカレー食べてるときの二人の会話のシーンでした。チカちゃんは年齢的には当然すずの姉なんだけど、父親との関わりにおいては、チカちゃんはほとんど記憶ないのに対して、すずは長く一緒に過ごして、看取りまでしてるんですね。その点で、年上年下の関係が、どこか逆転する部分のある不思議な関係性が、漫画の中よりはるかに印象深く描かれていて、私はこのシーンが全部のシーンの中で一番好きでした。原作ではわりと掘り下げられないチカちゃんの内面にリアリティを与えていたのは夏帆ちゃんの演技だったなぁ、と思うので、キャラクターを掴むのがすごく上手い女優さんなんだと思う。漫画ではさほど感じなかった店長とチカちゃんの関係性におけるある種のファザコン的な雰囲気も、実に絶妙のバランスで描かれていて、ここは映画版に軍配かなと思いました。

夏帆ちゃんは、コレも好きなんだよねぇ。



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これ渡辺あやの脚本だったから見たんだけど、すんごいいい映画だった。

ちょいと脱線しましたが、あとはやっぱりこの監督、相変わらず子ども撮るの上手いよなぁ、と思いました。子どもっていうにはちょっと大きい子たちだけど、すずちゃんの中学生活のシーン、とくに前田旺志郎演じる風太とのシーンすごくよかったし。桜の坂道のシーン、すずちゃんのアップより、引きの絵のほうが百万倍いいですよあれ。

あとは、加瀬亮ってほんとバケモンだなぁと思った。いい意味で。彼どの役をやっても、全然「あ、加瀬亮だわ」ってなんないんですよね。キムタクの対極というか、終わってから「え、あれ加瀬亮だったの!?」ってなることばっか。今回も「あ、そっか、加瀬亮だったか!」っていう感じだった。いい役者さんだなぁ。

買ったまんまでほったらかしになってるこのドラマも、夏休みにでも見直そうかなーと思いました。

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ずっとみてたのに最終回を見逃したのだった…

海街の7巻いつ出るのかなぁ…そろそろ終わりかな、と思うのですが、楽しみです。

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ラベル:映画 漫画
posted by なつめ at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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