2005年07月23日

西瓜糖の日々

リチャード・ブローティガン著
藤本和子 訳
河出書房新社(1975)


ブローティガン『西瓜糖の日々』

このブログのタイトルの半分は、ブローティガンの小説のタイトルからとっています。
はじめてこの本を手に取ったのは、確か中学2年生ぐらいのころ、地存の本屋さんで。
河出書房新社のきれいな海外シリーズの一冊でした。
このシリーズには同じくブローティガンの「ビッグ・サーの南軍将軍」とか、デュラス、ロブ=グリエといったフランスのヌーボーロマンの作品とか、イロイロ入っていて装丁が綺麗だった。今はだいたい絶版、だと思う。

この本もほぼ装丁とタイトルに惹かれて買っただけなのだが。当時コナマイキにも読んでいた村上春樹とか高橋源一郎とかのルーツだ!とそのコナマイキな女の子は思ったわけです。実際、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」や、高橋源一郎の「さようなら ギャングたち」は、いずれもこの「西瓜糖の日々」へのオマージュというかパスティーシュだ。

ブローティガンの小説の多くは生前はあまり売れなかった。
彼はむしろ詩人として有名だったのかも。
詩的な文章を日本語に置き換えるのは難しい。
でも、この藤本和子さんの訳が絶妙なので、
英語版も持っているけど、藤本さん訳「が」いい、「だから」いい、
なんて思ってしまうこともあるほど。

いま、こうしてわたしの生活が西瓜糖の世界で過ぎてゆくように
かつても人々は西瓜糖の世界でいろいろなことをしたのだった。
あなたにそのことを話してあげよう。
わたしはここにいて、あなたは遠くにいるのだから。

…『西瓜糖の日々』冒頭のパラグラフ


こんな美しい書き出しの小説がほかにあるだろうか。

この小説について
夕焼けがはじまる少し前、光がななめにさしてきて、
世界がオレンジ色になるあの一瞬

と形容しておられるサイトさんがありました。(【みうたの砂場】さん)
この小説のはかなさとか静けさは、確かにそんな時間に似ています。

当時買いあさってだいぶ持ってるんだけど、絶版の作品がほとんど。
復刊ドットコムでは今「芝生の復讐」が盛り上がってる様子です。
晶文社さんお願い〜



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posted by なつめ at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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