2005年08月27日

藤谷 治『恋するたなだ君』…それはハッピービギニング

夏休み中に新幹線で読んだ本です。


藤谷 治『恋するたなだ君』

ひとことで言うと、疾走する恋愛不思議小説。地図の会社に勤めているくせに、方向音痴でさえない男、愛車は中古の日産「パオ」。その車に「ろんぽう君」なんていう名前をつけている。それが「僕」ことたなだ君。

とまあこういう話を書くと、流行りの『電車男』風さえない男の純愛小説かあ、とスルーされてしまいそうなのですが、これはまた全然別ものです。だって純文学だから。

だけどこの疾走する感覚はなんだろう。単館ロードショーの邦画みたいに、不思議で愛らしい登場人物たちや、奇妙な町の奇妙な事件に、ついつい引きこまれて一気に読んでしまうのです。(一般論としては)そう魅力的なマドンナとも思えない、無愛想な「まばさん」。だけど見知らぬ町に迷い込んで出会ったその彼女に、たなだ君は一目ぼれします。

そこから先は恋のはじめの全力疾走。たなだ君の48時間の恋愛マラソンが始まるわけです。

ハッピーエンドの恋愛小説っていうのは多々あるんだけれど、この小説は、恋のハッピービギニング、までのお話です。それはつまり始まりの始まり。だからこそ、life goes on という喜びも不安もないまぜにした日々そのものを、愛したくなるそんな小説でした。恋愛について、ちょっとスレちゃったあなたに、是非。

【著者のその他の作品】
おがたQ、という女』…これは未読。
アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』…こっちは読みました。こちらも疾走するラブ&バカ小説。たなだ君同様、読み終えたときになんだかハッピーになれます。


posted by なつめ at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。