2016年07月24日

最近手に入れた本たち

海の日の連休は軽井沢の実家の別荘でのんびりしておりました。これにあたり、ちょうどamazonのプライム会員セールをやってたこともあって、Kindle Fireというのを買ってみたんですけども(3500円だったから、あんまり使えなくてもいいなーと思って)、これがなかなか快適。


プライム会員じゃないと8000円以上するんですね…プライムって一年あたり3900円の会費なので、Kindle買うためだけに一年だけ入会しても元取れる計算なのか。私は密林ヘビーユーザーなので、お急ぎとか到着日指定が無料のプライムはぜんぜん元取れるなと思ってすぐに入ったのですが、特典としてよく使ってたのはプライムビデオぐらいで(ミュージックは音楽の品揃えが貧弱すぎてすぐにアプリ外しちゃった)、それは主にスマホのアプリで見てたんです。

でもちょっと画面小さいなーっていうことで、ちょうどスマホを買い換えるつもりもあったので、大きめスマホにするか、動画や電子書籍用のKindle買って、スマホはやっぱり手の中におさまるサイズのものにするか、考えてたんですね。そこにセールで8GBのKindle Fireが3500円っていうのがあったので、これならまず試してみて、ダメなら親にでも譲ってあげようと買ってみたんです。

もともとiPhone用のKindleアプリは愛用してましたが、いやー画面サイズが少し大きくなるだけで、こんなに読書がラクになるのかと。自分の老眼のすすみ具合を再確認して涙目(←)、というのはともかくとして、すごく快適になりました。はっきりいって、ゲームとかその他の付属アプリは、使えねぇーというやつばかりですが、読書端末としては実に快適。電子書籍でも詰ん読になってたセール本とか、休み中にすいすい読んでしまいました。

中でも夢中になっちゃったのがコレ。



今年の手塚治虫賞とった作品。一ノ関圭という漫画家さんは始めて知りましたが、超寡作で幻の漫画家と呼ばれてる人らしいです。これコミックスだと2000円近いんですけど、Kindleだと1080円なんですよ。近頃、漫画は場所塞ぎだし紙の劣化が早いので、あれば電子版を買うことが多いのですが、こんなに割安だったら余計飛びつきますよねぇ。

手塚治虫賞は、「虫と歌」に出会わせてくれたりとかしたので結構賞としては信頼してます。

で、鼻紙写楽。なんとこの漫画家さんの24年ぶりの新作なんだそうで、ファンは待ちわびてただろうなぁ!と。歌舞伎の世界と東洲斎写楽を巡る時代もので、そもそも写楽じたいが謎の浮世絵作家ということで、漫画じゃなくてもそそる素材だし、時代考証もものすごくしっかりした作品で、歌舞伎の世界の舞台裏とかがものすごく面白い。写楽を巡る謎解きと、5代〜7代の団十郎(成田屋)の活躍した時代の歌舞伎の世界の攻防が並行して描かれて、ものすごくよくできた推理小説のような面白さです。

最近の漫画の絵柄ではありませんが、とにかくえげつないぐらいに絵が上手い人だなーと思ったら、芸大の油絵科を卒業している方なんだそうです。この作品は、2003年〜2009年にかけて連載されたものの、掲載誌が廃刊になって、とまってしまっているのだそう。こんなに面白いのに…!!

めちゃくちゃ売れたらどこかで連載再開、と言うこともあるかもしれないので、これはもう全力で布教しようとエントリー書いてみました。

ただ、これから買って読む方には、まず一番最後のページで掲載順を確認して、その順番で読み進めることをお奨めします。なんでこんなことにしちゃったのか編集者の意図がさっぱりわかんないんだけど、この作品の連載は、そもそも時系列が飛び飛びで、出来事の謎や物語の流れは、あとの作品を読んで、あれ、こういうことか!ってなるような、そういう複雑な仕掛けになってました。それを時系列順に編集しちゃったものだから、「これついさっき読んだじゃん」という話のあらすじが次の回で冗長に繰り返されたりという、よくわかんないことになってしまっています。

だいいち、全然関係なさそうな話が並行して語られるのをよくわからないまま読み進めていくうちに、「あ、これあの話のあの人か」「この会話はあのエピソードが裏にあるのだな」みたいなのが少しずつわかって謎がとけていく面白味が、この構成だと失われてしまいます。ほんっとになに考えてんの!って感じですが、どうにかこうにか単行本として一冊にまとめる体裁を整えようと編集者が苦心した結果かも知れません。だけどその努力の方向間違ってるよ…残念すぎるよ…!

書籍買いなおして裁断して自分で縫い直したい感じなんですけど、電子書籍だとそうもいかないので、とりあえず我慢。そして、続編が出た暁には、「完全版」「ディレクターズ・エディション」として、掲載順どおりの書籍をもう一度出して欲しい…(←絶対買う。たとえ豪華版でも買う。)

とにかくこういう作家さんがほとんど描いてないのって、もう残念すぎる。内田善美が筆を折り、杉浦日向子が早世してしまったのと同じぐらい残念すぎる…!編集者さんには受賞をきっかけに再度アプローチしてもらって、続きを描いてもらって欲しいです。
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posted by なつめ at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月22日

四月になれば彼女は

週末に息子の学校の面談行かなきゃならなかったり家族が入院したりして、せっかくの連休でしたがバタバタしてる間に終わってしまいました。と言うものの、実は連休だという自覚がなくて、金曜の夜になってようやく「あれっ、月曜日会社ないんだ」って感じだったので、レジャーの予定も入れておらず、逆によかったです。

家の近くの病院とはいえあれが必要これがナントカで何度も病院行くことにはなったのですが、こういうときやっぱり姉妹がいるといいですねぇ。私は三人姉妹の末っ子なんですが、女同士だと「じゃあAちゃん来なくていいからこれやっといてね」「私×時ぐらいに寄るけど何か持っていくものある?」とか、思い思いにやることを出して、結構やらなきゃならないことが片付くでしょ。これって女性特有だよなぁと思うのです。「勝手連」的に動き慣れてるというか。これに男の人が絡むと、必要なことのリストアップとかから始めないとちゃんとまわらないとか、ありがちだもんなぁ…。←男女差別ですみません、でも仕事とかPTAや学童の活動とかやっての実感。

いきなり手術が必要な病気とかじゃないので、本人もわりとぴんしゃんしてますが、歳が歳なので一週間から10日は入院することになりそうです。はあ、こういうことって急にくるんだなぁ、保険大事だなぁとかあらためて。

さて、入院中の身内に本を買っていってあげるついでに、出たばかりのコレも買いました!


今度、是枝監督により実写映画化されることが決まった「海街ダイアリー」の最新刊。

正直、実写映画化については、是枝監督は大正解だよなぁと思いつつ、ええっシャチ姉が綾瀬はるか!?よっちゃんが長瀬まさみ!?…最年少ヒロインすずちゃんが新人で、チカちゃんが夏帆というのはナイスキャストだと思ったのですが、上の二人はどうなのよ…と、少々不安に思ったのですが、記事でも「あえて」のキャスティングらしいので、うーん、化けてくれることを祈るか…って感じです。是枝監督って結構役者を化けさせるところがあるので。「そして父になる」の福山雅治とかほんっとに鼻持ちならない男の役をすごくリアルにやってたもんなぁ。

しかし、ここんとこの邦画は漫画の映画化ばっかですね。ホットロードとかアオハライドとか…。

ホットロードは能年ちゃんはまだいいとして、相手役の男の子がイメージ違いすぎる…。


紡木たくといえば、なんというかですね、やたら白っぽくてハレーションおこしてるみたいな画面の中で、薄っぺらな体型の儚くてリアリティない感じの男の子と女の子が詩的なことを呟くっていうのがデフォルトなので、この「わりとリアルにいそうだよね暴走族とかに…」っていう質感とか重力とかがあんまりイメージとあわないというか…。せめてもう少しペラペラ体型の子がよかった。すみません、薄っぺらい男の子が好きなんです(体系的に)。

話ずれましたが、海街の最新刊、一気読みしてしまいましたが、そろそろすずちゃんも進学に悩むようなお年頃なんですね。姉妹の姉たちの恋の物語も、ちょっとずつだけど進展していって、次の巻あたりでよっちゃんの新しい恋がどうなるかな?っていうのが気になる。

でも、全体的には連載始まった頃の棘がなくなって、どれもズンとくるところはあるし、読み終えたときのほっこり感は気持ちがいいんだけど、吉田秋生も丸くなったよなぁー、という気がしてしまう。

なんというか、21世紀の10代には古くさすぎてあまりリアリティないかも知れないんですけど、比較的初期の「河よりも長くゆるやかに」とかのあの、男子高校生たちのいい加減な日常をダラダラを描きながらもその中にあるヒリヒリとした家族の葛藤とか基地の町の風景とか、そういう乾いたナイフで前触れもなくぐっさり指されるような痛みが、巻数重ねるごとに減ってきて「まあこれはいいオチになるんだろうな」という予定調和的な穏やかさが強くなりすぎた感もあって。

河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)
吉田 秋生
小学館
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あと、登場人物がどんどん増えていって人間関係が広がっていくと、その中でぼけていくものもある感じがするんですよね。「この人とこの人くっついちゃったらいいじゃん!」と二次創作系とかでみんなが勝手に想像してるような脇のキャラクターの人間模様とかが公式で実際そういう感じに動き出したりとか。それはそれで楽しいんですけど、どこかでよっちゃんの最初の彼氏のエピソードあたりのヒリヒリした空気を懐かしむみたいな気持ちも沸いてきます。

でも、もちろんすごくいい漫画です。文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞とかも受賞してるしね。映画はどのへんまでやるのかなー。是枝監督のことなので、全部を映像化するというよりは、ストーリーとしては短く上手に切り取って、その分丁寧に描いてくれるんじゃないかと期待してます。これは劇場まで観にいくつもり。

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posted by なつめ at 02:20| Comment(1) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月30日

『永続敗戦論』白井聡 を読んだ。

母から借りてしばらくほったらかしてたのですが、2013年に出版されて割と話題になった表題の本を、ようやく読了しました。これは2012年に雑誌に連載された論文をもとに、2013年3月に出版された本なんですが、この本の予言がわりとその通りに現実になりつつある2014年の今、あらためて読むと結構ひやりとこたえる本でした。

永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)
白井 聡
太田出版
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著者の白井聡氏はこんな人。やべ、年下だ!なんというか、学生時代、憧れのお兄さんだった甲子園野球の選手たちが、気づけば同級生になり年下になり、やがてマジが21世紀生まれか!?みたいになっていくのには毎年飽きもせず衝撃を受けていたものでしたが、セクシータレントと政治学者、歴史学者はいつまでたっても年上みたいな錯覚はなかなか拭い去ることができず、ふむふむなるほどと納得しながら読み終えて77年生まれか!と知ったプチ衝撃はひっそりと心にとどめておきます。

一通り読んだだけで読み返したりしていませんが、憲法改「正」を叫ぶ現首相と、戦後レジームの脱却を謳う現政権閣僚たちの、あのように稚拙な理屈に基づくファシズムと軽々しい「愛国」が、何故今の日本でかくも広範囲に支持されるのか、という疑問に対する一つの解を与える論考としてとても興味深い本でした。アマゾンの書評欄がいい具合に辛辣な評で溢れています。それだけに割と積極的に読んだ人=インテリ左翼は、一所懸命読んだのだろうなという印象。なんせ著者は基本的に左派の論客なので、右の人は触りもしなかったんじゃないかしら。意外と「国体への冒涜じゃ!氏ね非国民!」みたいなネトウヨ系の方の書評はありませんでした。

にも関わらず、星一つから星五つまであるのは、おそらくこの本が、日本の右派と左派を相対化するにいたるほど徹底的に、現在の日本人のメンタリティの根底にある「敗戦の否認」というキーワードで、現在進行形の現象のおぞましさと、それに対抗しえない日本人の本質の部分を滅多切りにしているところへの反発が、いわゆる左派の人たちの中にもあるからだろうと思います。

私はだいたい親の教育もあって、うすら左翼ぐらいのメンタリティを維持しながら生きていますが、そこに母の世代の原水爆禁止運動化あたりが持っていたような情緒的な思い入れというか、正義感覚みたいなものはおそらく母の世代より薄いので、著者とおそらく感覚的に近いものがあり、面白く読めました。でも、辛辣な指摘を受けたときに自分自身がどーんと落ち込むような方にはオススメしません。

この本は「アメリカと日本は同盟国だから何かあったらアメリカは日本を助けてくれるし逆に日本はアメリカのために一肌脱がなきゃいけない、トモダチだから」とか「どこそこの国は親日家が多いから、何かあったらたくさん寄付もしてくれたしこれからもその国とだけは仲良くしていかなきゃ」的なロジックにシンパシーを感じる方には向いてません。外交戦略というものは、何かある都度基準が入れ替わる「正義」などという曖昧なものに基づくのではなくて、各国の、己の国益を最優先とする中で方向性が定まるものであって、「アメリカと日本は同盟国だから、中国と日本がケンカしたら、どんなことがあってもアメリカは飛んできて助けてくれる」などというナイーブな感覚は、外交的スタンダードからいったら噴飯ものなので、当然そのような保障は(ほぼまったく)ない、という話に「そりゃそうだよねー」と軽くうなずける人には、とても向いている本だと思います。共感しながらサクサク読めるでしょう。

全体的に、沢山引用された過去の政治学者は批評家たちの論考に関する掘り下げが割とあっさりしていたせいかも知れません。原典にあたらないとなんともいえないようなことが沢山批評の対象になっているので、本気で読むなら引用された本まで周辺読書が広がりそうな感じです。

でも、逆にそういう部分をこれだけさっと流して、しかも一刀両断って感じでぶった切りながら、「日本人はいかにして『敗戦』という体験を国民の血肉とする機会を失ったまま何十年という『戦後』を謳歌し、その条件前提が崩れた現在になってもその、受け入れられないがために永遠に終わらない『敗戦』を引きずったままでい続け、そのことが対米、周辺国との外交にどのような影響を及ぼし続けているか、そして何故今、集団的自衛権問題がかくも重要課題として取り上げられるのか(<ここの部分までは出版の時期からいっても実際に書かれているわけじゃないですが、確実にリンクしてます)」といったあたりにまでこの薄さの本で切り込んでいるのは、なかなか度胸があると思うし、評価されていいことだと思います。逆に上に書いたようなしっかりした論文だったら、ここまで多くの人が手に取ることはなかったでしょう。

その中で、領土問題における日本のダブルスタンダードのあたりは、関連する条文の原文を掲載しながらわりと詳細に考察しています。近頃テレビをつければ「中国機が異常接近!」とか「韓国はこんなにも事故が多いいい加減な国なのに我々に対して物申してくるぞ!」的なプロパガンダ番組がニュースからワイドショーまで毎日延々たれ流れさていて、オーウェルの小説よろしく一般人の中のヘイト感覚を煽っていますが、そうした番組のコメンテーターの台詞の多くが、いかに的はずれで、実際の歴史的事実や国際協定、国際標準的な外交のセオリーに関しての(意図的かそうでないかはともかくとして)無知に基づいているのかが、流し読みだけでもわかるようになっていますので、今まさにこの時期に読んでおいて損はない本だと思います。この調子で日本のファシズムと言論統制が進行すると、こういう本はそもそも出版すら出来なくなるかも知れないのですしね。

もちろんこれ一冊で何かがわかるような本ではありませんし、そういう風に何かを簡単に信奉することは、逆に危険でもあります。著者もおそらく、ここからひとがものを考え出すためのイントロダクション的な意味合いもこめて、多くの人の手に届くような文章と体裁を選んでいると思われるので、読むための敷居はとても低い。その一方で、議論の性急さや強引さはあります。ではありますが、それでもなお、こういう「最初の宝の地図」みたいなものをまず手にして、そこからすべてのドアを叩いてまわりながら、自分自身で世界を捉え直し、地図を書き換えていく自由が読者には与えられているわけです。その点も含めて私は星4つぐらいの良書だと思いました。自分自身が知性をもって、無知や因襲に基づく悪しき政治的振る舞いの暴力に立ち向かうための、「知りたい」という欲求を元気にしてくれる本です。

本書半ばにある『占領軍の「天皇への敬愛」が単なる打算にすぎないことを理解できないのが戦後日本の保守であり、そのことを理解はしても「米国の打算」が国家の当然の行為にすぎないことを理解しないのが戦後日本の左派である。言うなれば、前者は絶対的にナイーヴであり、後者は相対的にナイーヴである。』という指摘は、今さまざまなメディアで語られる改憲問題にまつわる議論が、何故か情緒的対立に常に集約されてしまって、国民にとっての利益という国家の存在意義にかかる部分がすっぽ抜けてばかりいるのは何故か、ということをよく説明しているように思います。

中学生ではちょっと難しいと思います。高校も、世界史ある程度進んでからじゃないと難しいかな。でも、にちゃんのまとめサイトあたりを読んで何でもわかった気になっているような、大人ぶりたいお年頃ちゃんに読ませて、耳からピーって湯気が出るぐらい一所懸命読んだ上での感想を聞いてみたい気もしますね。

以前レビューした「それでも日本人は戦争を選んだ」は、歴史学のアプローチでもって、『なぜ、回避できたはずの戦争が回避されなかったのか』『ターニングポイントや、そうした判断を規定したものはなんだったのか』、ということを子どもにもわかりやすく説明し、歴史から学ぶことの大切さを訴えた良書でしたが、「永続敗戦論」は、その戦争が「過去の出来事」ではなく「これから」はじまり得ること(しかも割と簡単に、かつ国民が関わらざるを得ないような形で)、という事実を、現在私たちが見聞きする出来事の中から掬い上げて説明しているという点で、より身近に感じやすいんじゃないかとかも思う。一日で読めるので、興味のある方は是非読んでみてください。いつ読むの?今でしょ!(<古い)

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posted by なつめ at 02:28| Comment(4) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月12日

ストーリー311 あれから3年

去年、2年目の311の日に買った漫画、「ストーリー311」の、3年目バージョンが、今回はカドカワ書店から出版されていました。前回の作品のレビューはこちらに書きましたが、あれから一年、やはり遅々として進まない被災地の復興の現状を見ると、もどかしい思いがします。

今年の「ストーリー311」は、被災地出身の漫画家さんたちも加えて、3年目の東北にひとりひとりの漫画家さんたちが真摯に向き合っています。

ストーリー311 あれから3年 漫画で描き残す東日本大震災 (単行本コミックス)
ひうら さとる 青木 俊直 うめ 岡本 慶子 新條 まゆ 二ノ宮 知子 松田 奈緒子 葉月 京 ななじ 眺 さちみ りほ おおや 和美
KADOKAWA/角川書店


今回は、前回の漫画に登場した人たちのその後を取材した作品もあって、前回、読んで胸がちぎれるような想いをした作品のモデルさんが、お母さんになっていたり、割と若い人への取材が多くて、これからをどう生きるか、という被災者の方々の模索の道を垣間見させてもらえるようなストーリーが多かった印象です。私はうっかり電車の中で第1話を読んでしまい、あやうく落涙しかけました。あと、前回登場した学校の先生のその後の話とか、11話の海の話とかがよかったです。

この作品は、漫画家さんだけでなく多くの人のボランティアで出来上がっていますが、今回この2巻を出すにあたって、クラウドファウンディングで資金を募ったのだそうです。目標額をはるかに超えるその金額にも驚いたし、なんというか、こう言ったら失礼ですけど、漫画家さんっていったら、だいたい部屋にこもってずーっと漫画描いてるわけで、多かれ少なかれコミュ障的なところがあったりする人が多いわけでしょう?その人たちが、部屋を飛び出して、実際に人にあって取材して、そうやって漫画をかき上げて、出版した、っていうことにも、心を打たれました。

これ、取材慣れしたテレビや雑誌の記者じゃ作れないものだと思うんです。先週末ぐらいから、テレビやなにやら、いろんな媒体で、3年目の被災地を追う的なドキュメンタリー番組を色々やってますよね。だけど、正直、このこなれ方はなんなんだ、って思っちゃったのも事実なんです。今日も夜の9時台のNHKニュースは相変わらずの田老観光ホテルからの中継。これまで何度も放映してきたスポットです。なんか、手抜きしてない?って思っちゃうんです。

すべてが洗い流されてしまったあとに、鉄骨の足だけ残してぎりぎり建っているホテルの図というのは、絵にもなるでしょうしテレビ的にはつくりやすいんでしょう。でも、報道の取材ってそれでいいのか?と思うんです。もちろんあの場所はとても大きなシンボルではあるんですけども、奇跡の一本松だとか、田老ホテルとか、そこに被災地学習にくる小学生とか、そういうステレオタイプなまとまりやすい素材の中に、そこに生きてる人たちの悩みとか喜びとか、そういうものはあるのか?って思うんですよ。それは、報道関係者の怠慢だという気がしてなりません。

その点、この漫画を書いた沢山の漫画家さんたちは、自分たちの手の届く範囲の、会える人たちに、「なんか絵になるとこありません?」「このへんでお子さん亡くした方いませんかねー」なんていうゲスいかかわり方じゃなく、人と人として向き合って、その上でどう描いたらいいか悩み、自分の漫画のスタイルにさえ当てはめることができない現実の重みと向き合いながら、ひとつの作品をかきあげている。漫画作品として、饒舌だったりまとまりに欠けてたりするところはあるけれど、それはそれだけ作家さんたちが真摯に対象に向き合った結果だと思えて、自分も襟を正したくなります。

今週末にはサイン会などのイベントもあるそうです。あと、私は知らなかったんですが、前回の漫画作品からいくつか抜粋して、小中学生向けにノベライズした本もあるそうです。



あと、子どもさん向けということでは、去年、「はせがわくんきらいや」の長谷川集平さんが出版された「およぐひと」という絵本も挙げておきたいです。この絵本も、被災地を、というよりは、被災地とどう向き合えばいいのか、というクリエイターの戸惑いを、真摯に描いた作品で、なんというか、きちんとまとまったものを読んですっきりしたい人からみたら「なんだこれ」っていう絵本だと思うんですけど、この中の

「ぼくらのように テレビや しんぶんに のらないひとたち」

という言葉は本当に胸に突き刺さるもので、そして本当に救い上げられなければいけないのは、そういう「テレビやしんぶんにのらない」ちいさなちいさな一人ひとりなのだと、あらためて思い知らされる、厳しい絵本として、ご興味のある方には是非読んでみて欲しいと思います。

およぐひと (エルくらぶ)
長谷川 集平
解放出版社
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こういうクリエイターの人たちのさまざまな試みに触れながら思うことは、3年経ってなお、私たちはあの未曾有の災害とそれがもたらした分断に、どう向き合ったらいいのかわからずに迷い続けている、ということです。でもこれを、めんどくさいから考えない、とか、わかりやすいところだけ見る、になってしまうと、「テレビや しんぶんに のらない」私たちひとりひとり、というものは存在しないことになってしまう。

上手くいえませんが、目の前にいるだれかひとりのひとと、一所懸命かかわりあうこと。それはテレビやしんぶんにはのらないけど、そういうものを、ひとりひとりが言葉にしていかなきゃいけないんだろうな、という風に思ってます。「忘れてはいけない」「語り継ごう」とかいうそらぞらしい掛け声じゃなくて、もっと具体的な誰かとか何かと、具体的にかかわること。そういう地味で目だたないことを、続けていかないといけないんだな、って思います。去年計画してたのにチョビの不登校でいけなかったから、今年こそは仙台、いけるといいな。

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2013年03月08日

「さよなら、韓流」…リアルタイムだからこそ感じるなにものか。

早いもので私がSHINee→SUPER JUNIORの順番でK-POPにはまりだしてからなんだかんだで2年半ぐらいなのですが(<初めて「韓流アイドル研究してみた」という入門編記事を書いたのが2010年秋…PV見てもまだシンドンしか弁別できてない頃…ミンウクの区別がつかなかった(だが密かにミンくんの「かなぶん」が気に入っていた)頃…かつぎゅの「ぷにゃー」も気に入っていた頃…何故女子の靴紐をむすびながらはにかみ笑いをするややおっさん臭い顔立ちの子(しをにー)がダンスシーンになると消えるのかわからなかった頃…ヒョクチェが突然脱ぐことの意味がわかんなかった頃(だが意外と当時から私のバイアスはヒョクチェであった、不思議<たぶん痩せ型に弱い)…ドンヘについてはおそろしく印象がなかった頃…よくわかんないけど兄さんがセンターなんだな?とか思っていた頃…トゥギの首がもげそうな件については気づいていた頃…だがひちょのダンスがだいぶゆるいことにも気づいていたあの頃<長いよ)、これは、ちょうどその同じぐらいの時期に企画されて書かれ、つい先日出版されたばかりの本です。

さよなら、韓流
さよなら、韓流
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北原 みのり
河出書房新社
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なぜかあの河出書房新社から出た韓流本。著者の北原みのりさんという人は、1970年生まれなので、たぶん学年が同じかな?(私早生まれなので)というエッセイスト+事業家で、私はどっちかというと苦手なタイプだったので、本読んだのは初めてです。たまたまSJ関係で知り合った方々が、編集に携わってたり対談に登場してたり、というご縁があったので、読ませていただきました。

レビューに行く前に、なんで私がこの北原みのりさんって人を「どっちかっつうと苦手」と思ってたかというと、たまにRTされてくるついったのツイートに、
(1)別に言わなくてもいいのにわざわざ下品な言葉を選んでるっぽいツイートが多い、身体の特定部位とか。小学生男子には「うんこ!」とか「おなら!」言うだけでいちいちはしゃいで高揚感を得る、っていうなぞの特徴があるのだが、それに似たものを感じる
(2)「学歴もあり知的レベルは高いのにいちいち『あたしバカだから』と枕詞をつけて喋る女性特有の(たとえば室井佑月氏的な)めんどくさそうななにものか」を感じる(※室井佑月氏はたしか高卒だけど、高級クラブでホステスできる女性は基本的に一般企業でやってける頭のキレはあるので、知的レベルは高い)

という、どーにもこーにも私の生理的に苦手な属性があって、こういうタイプの人に「韓流はエロよね、エロなのよ!みんなエロ好きでしょ!?」とか声高に主張されるのがうっとおしい、私ステージでシャツびりびりとか腰ふりふりとか全然興味ないし、それ(<「エロいから韓流が好き」って人)たぶん欲求不満なだけだと思うからいっしょくたにしないでください私むしろ草食が好みです、とか思ってたんだけど、読んでみたら存外に面白かったんだなーこれが。

というのも、まずはこのタイトル。自分にとってのマイブームである「韓流」について延々語ってる本なのに「さよなら」っていうタイトルが何故選ばれたのか。実際この本が企画された当初のタイトル案は「韓流はエロである」だったのだそうだ(著者あとがきより)。ドラマから韓流にはまり、一気に新大久保のイケメンカフェ行脚や語学学習、渡韓へとのめりこんでいった著者が、「抑圧されていた日本女子の性欲が韓流によって解放されたのだ!エロス万歳!」というテーマで気分ノリノリ状態、国内的にもテレビのコマーシャルや紅白にもK-POP歌手や俳優が次々登場するような、蜜月期の絶頂みたいなところで企画されたのがこの本だったんですね。

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posted by なつめ at 02:55| Comment(8) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月08日

ペコロスの母に会いに行く

twitterのTLに流れてきて、なんとなく読みたくなって購入した漫画です。

ペコロスの母に会いに行く
岡野 雄一
西日本新聞社
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老いて認知症を発症し、グループホームに暮らす母みつえ(89歳)と、ペコロスこと息子ゆーいち(40歳にて東京より地元長崎にUターン、タウン誌編集等を経て、フリーの漫画家・ライターとなる、62歳)の、おかしくてちょっぴり切ない老いの日々をほのぼのとしたタッチで描く、4コマ漫画の本です。もともと自費出版だったものが評判を呼び、西日本出版社から刊行されて、なんと今年は映画にもなるんだとか。公式サイトとかFaceBookを見ると、まさに撮影佳境に入っているようです。赤木春恵さんちょっと違うんじゃ、という気はするものの、岩松了さん、温水洋一さん、加瀬亮さんなど芸達者な役者さんが揃ってるので、わりと期待できそう。原ひさ子さんとか生きてらしたらあってた気がする。トトロのおばあちゃん役の北林谷榮さんとかもアリかも知れない。ただ、赤木春恵さんももう米寿だし、これまでとは違う演技を見せてくれるかも知れませんね。

今月はちょうど岩波ホールで「八月の鯨」の再映があるらしくて、これももうどちらも亡くなった往年の大女優、リリアン・ギッシュとベティ・ディヴィスの競演がもんのすごく豪華な老女映画だったのですが、こんな風に「おおっ」と思わせられるような演技が見られるといいな。

八月の鯨 [DVD]
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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2012-06-08)
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いわゆる「闘病漫画」とか「介護漫画」というわけじゃなくて、老いもぼけもぜーんぶ泣き笑いしながらいつか穏やかに過ぎていく、老母との日々は、ここまで至るにはたぶんそれなりの修羅場もあっただろうな、と、祖母の自宅介護も見てきた私としては思ったりもするんですが、そのへん飲み込んだ上での穏やかな「晩年」の母親に寄り添う60過ぎの息子のまなざしはとてもあたたかくて、あー男の子っつうのは60歳過ぎてもマザコンなんだなと。いい意味で言ってますが。そんなことを思ったりしました。

ぼけにまつわる面白エピソードは、家族の認知症の介護経験がない人にとってはなんだか冗談みたいに思えるでしょうが、実際身内に認知症の人がいる人にとっては「あるあるあるある!」な話がいろいろあるんじゃないかと思います。

100歳で亡くなった母方の祖母も、最後の数年は寝たきりですっかりぼけてしまったのですが、もう四半世紀以上も前になくなった祖父と会話してたり、私なんか孫娘ですがこれまた大昔になくなった親戚とかのキャラクターを会うたびに適当に割り振られているのに、なぜかひ孫のチョビのことだけははっきり認識してたり、介護認定の人が家にくるときだけ妙〜にしゃきっとしちゃって、ああ、要介護度が下がっちゃう…orz っていうんで家族は逆の意味でハラハラしてたりとか、いろんなことを思い出しました。すごく大変(特に当時まだ働いていた母は)だったはずですが、でもそんな日々の中にも色んなちょっとした笑いがあったし、知らなかった若かりし日の祖母との出会いもあったし、あれはあれで得がたい日々だった、と思いだすと、この漫画の温かい空気はなんか腑に落ちるのです。

私自身はそんなことを思い出すきっかけになりましたが、家族の痴呆とか介護経験がなきゃ読めないかっていうとぜんぜんそんなことはなくて、長崎弁のあったかい台詞まわしや「ランターン」「おすわさん」といった地域性の強いキーワードに単純に好奇心をくすぐられながら、自分の知らない地方都市の生活を垣間見る、というのも単純にとても面白かったです。ああー、こういうことをこんな風に言うんだな、とか、東京に暮らしているとなんだか方言には逆にあこがれるんですよね。標準語じゃとてもとても表現しきれないようなことが「なるほど!」と膝を打ちたくなるような簡潔な言葉で表現できたり。

そして、老いて身軽になり精神だけは自由に時の流れを超える母の姿を追いかけながら、作者のペコロス氏もまた、長崎という土地で過ごした自らの幼年期、すでに亡くなっている父の面影と幾度も出会いなおし、ほこりのたまったアルバムの写真を一枚一枚丁寧に取り出して新しいアルバムに貼りなおすように、若き日の父や母の姿を丁寧に再構築していきます。それは親の老いや死というものを、自分の中に取り込んでいく作業のひとつなんだろうな、という感じがしました。絵柄のほのぼの感とは異なり、長崎の町を舞台に、時空を自在に飛び越えつつ物語が展開する構成はなかなかに巧みで、ぐっと引き込まれるものがあります。単純な日常系4コマではないです。

お母さんの生きてきた人生は、若い頃には戦争や原爆投下があり、酒乱の夫に泣かされて、苦難の連続であるのですが、それでも長く生きて老いて呆けていくことは、人生最後に与えられるプレゼントのようなものなのだなぁ、とふと思うような、そんなほろ苦い温かさがあります。これはひと昔ふた昔前の女性の「女の人生」なわけなので、こんなものを美化したらあかん、女性はもっと若いうちからちゃんと自分の幸せのために生きるべき!という21世紀的なツッコミは、ちょっと棚上げにして読みましょう。

思うにこれは、男性のほうが圧倒的に感情移入する漫画なんじゃないかな。男の子(62歳のオッサンだけど)というのは、とにかくオッサンになろうがハゲようが、お母さんが好きなんだよなぁ、こんな風に描かずにいられないぐらい、お母さんが好きなんだよなぁ、というところに、なんともいえないもどかしさと、人間という弱い生き物の愛おしさを感じる作品でした。

認知症の家族の介護生活のさなかにいる人には、場合によってはちょっとしんどいかも知れませんが、まだまだこれから、とか一段落した、という人には特にオススメの一冊かなーと思います。映画もいい感じに仕上がるといいな。
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2012年08月23日

ステレオタイプを解体する…「朝鮮半島をどう見るか」

前の特別企画のエントリに沢山のコメントありがとうございます。お返事書かなきゃと思いつつ、今週悪夢のように忙しいものですっぽかしですみません。で、あのエントリに書いた本、読了したのでちょっと感想をば。


朝鮮半島をどう見るか (集英社新書)
木村 幹
集英社
売り上げランキング: 37608


会社の往復の電車の中で二日で読めました。タイトルは堅苦しいですが、意外と誰でもすっと読める本です。そしてすんごく面白い!大変エキサイティングな本でした。

ちょっと期待してた「近現代史をざっと通読」っていうのとは違ったんですけど、でもこの本チョイスした自分ちょっと正解!と思った。ユーモアたっぷりの導入部から始まって、若い学生の問いに答える、というスタイルで、「親」朝鮮半島的⇔「反」朝鮮半島的、という正反対の立場にあっても、我々日本人が抱きがちな朝鮮半島に関するステレオタイプの理解・解釈を、データや歴史的事実をふんだんに提示しつつ、実に鮮やかな反証でもって、ひとつひとつ切り崩していく。

これ、別に朝鮮半島について興味がない人でも、一度読んでおくといいという気がします。「こんな感じがする」という印象だけでものごとを「わかった」気になってしまうってことはものすごく多くて、そのことが正確な事実の理解を妨げたり、ズレた結論に結びつくことってしばしばあるのですが、そういうときめんどくさがらずに「データ」にあたってみることの大切さがよくわかるし、そうして「目からウロコ」が落ちた状態で、どこにでも存在するバイアスというものをきっちり見分け、そのバイアスを勘定に入れた上で物事を見聞きし、自分なりに把握した上で、そのことに対する自分のスタンスを決定する、という、誰もがオトナになるまでに身につけるべき技術の指南書として、非常に優れていると思う。



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2012年03月20日

舟を編む…結び合う言葉

結構話題になってるみたいですね。この本、読了しました。


舟を編む
舟を編む
posted with amazlet at 12.03.20
三浦 しをん
光文社
売り上げランキング: 398


三浦しをん、という人は、「風が強く吹いている」しか読んだことなくて、可もなく不可もなしというかあまり印象の強い作家さんではなかったのですが、今回なんで読んでみたかというと、この小説が、出版社の中ではちょっとマイナーかつマニアックな部署である「辞典編集部」を舞台としていたからです。
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2012年02月15日

『Eric』ショーン・タン

絵本だけど、おとなが読む本カテゴリです。

Eric
Eric
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Shaun Tan
Templar Publishing
売り上げランキング: 2009


私はこちら↓の河出書房新社版で入手しちゃったんだけど、これから買う人には断然洋書をオススメしたいし、あとこの「遠い町から…」の中に収められた短編の中でもダントツにいいのがこの「Eric」なので、一冊本で持ってても全然損はないと思います。というか、とりえあず一冊、であれば、さしあたりこれがあればいいと思います。

遠い町から来た話
遠い町から来た話
posted with amazlet at 12.02.15
ショーン タン
河出書房新社
売り上げランキング: 8887


河出書房新社はすごく好きな出版社だし、このハードカバーの絵本も印刷は綺麗だし、プレゼントにしてもいいぐらい素敵な絵本なんですが、やっぱり絵の中に文字も入ってる作品が翻訳されちゃうと、どうしても違和感が…。なのでこちらもできれば洋書で買いなおしたい。

作者のショーン・タンは中国系のオーストラリア人。字のない絵本「アライバル」が昨年日本で刊行されて話題になったそうですがそちらは未読。

どんな話で何がいいのか…っていうのはちょっと説明しづらい。本人が監督してアカデミー賞短編アニメ賞を受賞した、こちらの作品で、雰囲気を味わっていただけるかな。

▼The Lost Thing (2010)

※つべで消されちゃったんで予告編に差し替え。
ごくやさしい英語なので聞き取れると思います。迷子の「なにか」を拾ってしまった青年の物語。ファンタジックで、少し遠い。残酷というほどでもなく、でも甘ったるくない。そんな作品です。

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ラベル:絵本
posted by なつめ at 23:25| Comment(3) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月06日

季節を愛でる本

子どもが保育園の頃は、節分といえば園でみんなで鬼のお面をつくって豆まきがあって、家でも豆まきやったし、七夕には「ご自由にお持ちかえりください」と小さな笹がバケツの水にさしてあって、家でもちょっとした七夕飾りができるようにもらって行けたり、なにかと日本の年中行事にあわせた行事や給食メニューがあって、自然に家のほうでも季節の行事にあわせた小さなお楽しみをやっていたけど、中学生にもなると、学校はお弁当だからひな祭りメニューの給食もないし、みんなで豆まきをしましょうでもないので、ちょっとうかうかしていると、すっかり季節感みたいなものが吹っ飛んでしまいます。3日の豆まきも、当日あわててお豆だけ買ってきて、とりあえず歳の数だけ食べようか?みたいな感じで済ませてしまって、一応恵方巻きもチョビの分だけ用意したけど、なんだかあわただしかったなあー。

そんなわけで、先日ヴィレッジ・ヴァンガードでうっかり衝動買いしてしまったこの本を寝る前にぱらぱらとめくっては、季節の行事を思い出してます。

おうちで楽しむ にほんの行事
広田 千悦子
技術評論社
売り上げランキング: 6569


買ったときには知らなくて単行本買っちゃったんだけど、文庫もあるようです。でも、この本の楽しみはほんわかタッチのちっちゃなイラストなので、文庫だとちょっとキツイかも。というか、40歳になると同時に老眼はじまっちゃったワタクシとしては、これ単行本でもイラストに添えた文字が結構ちっちゃいのでかーなーりー辛いものがあるのですが、それでもこういうほわほわしたイラスト見てるとなんか楽しいのでこういうのってついつい買いたくなっちゃう。

2月の日本の行事っていったら節分ぐらいしか思いつかないけど、針供養とか、初午(はつうま)とか、耳にしたことはあるけどいつ頃?っていうとピンとこない行事のことが書かれていて、それと、季節ごとのお料理メモ。春はフキノトウ味噌やヨモギ餅、タケノコごはん、お彼岸のぼた餅…などなど、見てると「あ、食べたい」っていう気分になるような「季節の」食べ物の作り方が色々。こういう小さなパズルのピースがはまっていって、日本の一年間がゆるーくわかる感じの構成になってます。
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ラベル:
posted by なつめ at 21:39| Comment(10) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月27日

追悼:北杜夫さん

北杜夫さんが亡くなった。っていうかキタモリオぐらい一発変換して欲しい。それぐらいおっきな人だ。

どくとるマンボウはもちろん面白かったけど…
どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)
北 杜夫
新潮社
売り上げランキング: 16


子供と読むならやっぱり「船乗りクプクプの冒険」。
船乗りクプクプの冒険 (集英社文庫)
北 杜夫
集英社
売り上げランキング: 2070

子供がはじめて読むナンセンス小説にオススメ。

私にとっての思い出の作品は、「楡家の人びと」。
楡家の人びと 第1部 (新潮文庫 き 4-57)
北 杜夫
新潮社
売り上げランキング: 115


なんでそんなことをしようと思ったのか思い出せないのだが、小学生(たしか五年生か六年生)のとき、一週間で細雪(谷崎潤一郎)を読破して、次の一週間で楡家の人びとを読み、読み終わったところで知恵熱を出した、という…。

それと、もう一冊、どうやら今絶版らしいのだが、すごく好きな小説が、「白きたおやかな峰」。ヒマラヤを目指す男たちの姿を描いた山岳小説で、医師でもあった北杜夫が実際に登山隊遠征に同行した体験をもとに書かれている。よくある「デデンデンデデン」的な音楽と一緒にヘリの空撮で始まる登山映画っぽいのを想像しないで欲しい。この小説のよさは、そういう見せかけのかっこよさのない中で、でも登場人物ひとりひとりに惚れずにいられないようなリアリティなのです。ああ、再読したいが見つからない。うう。電子書籍でいいから出して欲しい。

北杜夫さんという人は、精神科医なのに自分が躁鬱病をわずらってもいて、ご家族はそれは苦労したらしい。娘の斉藤由香さんの文章というのは読んだことがないのだが、この機会に一度読んでみようかなと思う。

あと、90年代にNHKがやってた、「世界わが心の旅」というシリーズものの紀行番組があって、これに北杜夫が出てた回がすごくよかった。ラストシーンがめちゃくちゃよくて、北杜夫がカジノでまけちゃって、借りたお金もすっちゃってぼろ負けして、本人が言うには、カメラマン一人残して同行者もみんな行っちゃったと。で、最後の台詞がたしか、「みんなもう僕をおいてかえってしまいました。僕はいったいどうしたらいいのでしょう。これはもう、乞食をするしかなくなりました…」みたいなこと言って、それで「プリーズ・ギブ・ミー・サム・マネー」みたいな妙ちきりんな英語で歌を歌いだすんですよ。そんなことやってる間に、おもむろにカメラが空のほうに向かってパンしていって、そのまま終わり、っていう。えええ???っていうシュールなラスト。北杜夫の作品そのままみたいなドキュメンタリーで。すごくよかった。これ、再放送してくれるといいなぁ。

小説家って、やっぱりいいですよね。人は死んでも、作品は残る。北杜夫さんの作品は、100年経ってもやっぱりその時代の誰かに、愛されるような気がする。北杜夫さんの作品がそうだったように、亡くなったことは寂しいんだけど、しめっぽい気分にはあまりならないのです。この、軽やかさが、とてもとても素敵だった。謹んで、ご冥福を祈ります。
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2011年10月17日

「猫を抱いて象と泳ぐ」小川洋子

単行本が出たときから、読みたくて仕方なかった本だったのだけれど、何かタイミングがあわずにそのままになっていた本が、文庫になっていたので、あらためて買ってみました。


猫を抱いて象と泳ぐ (文春文庫)
小川 洋子
文藝春秋 (2011-07-08)
売り上げランキング: 8651


小川洋子は「博士の愛した数式」が有名だと思いますが、存命の日本の小説家の中でも、ストーリーテラーとして特に優れた小説家だと思っていて、好きな作家さんです。日本の小説というのはどうも「私小説」の比重が大きくて、エンタメ系意外でストーリーで読ませるものになかなか出会えない。ノーベル文学賞に幾度となく取りざたされる村上春樹とかですらそうです。彼の場合は初期三部作でおそらく書くべきことはすべて終わったんだと思う。「羊をめぐる冒険」は私は今でも名作だと思っているけど(本当は「1973年のピンボール」のほうが好きですが)、「ノルウェイの森」から先は、ほぼそれまでに蓄えたテクニックだけで書いていると思う。

でまあ、それはともかくとして、小川洋子です。この作品が2009年の発表で、その後はどうやら、短編集とか対談本が主で、このようなじっくりした長編を書いてないらしい。

「大きくなること、それは悲劇である」。この箴言を胸に十一歳の身体のまま成長を止めた少年は、からくり人形を操りチェスを指すリトル・アリョーヒンとなる。盤面の海に無限の可能性を見出す彼は、いつしか「盤下の詩人」として奇跡のような棋譜を生み出す。静謐にして美しい、小川ワールドの到達点を示す傑作。


というのが、BOOKSデータベースの謳い文句ですが、えええ到達点にされてる、と私は焦ってしまいました。でも、そう書きたくなるような、完成度の高い小説でした。ヨーロッパ映画を見ているような、そんな小説。

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ラベル:小説
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2011年10月01日

市川春子「虫の歌」「25時のバカンス」

市川春子の第二作品集「25時のバカンス」が出てたので、早速買いました。




この人は、第一作品集で「手塚治虫賞」をとってて、いまいち記憶がないんですが、たぶんその賞のことを調べてて、ふと思いついて買ったんだったと思います。



わりとゆっくりペースで発表している人のようで、二冊目までに二年かかってるんですが、やっぱり好きだなぁ。ワンパターンっていえばワンパターンなんですが、今回もやはり秘められた皮膚の内側を裏返す妄想とか、近親相姦的な姉弟、擬似兄弟姉妹の織り成す静かで残酷な物語展開に、「うむ」とうなってしまいました。

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posted by なつめ at 11:33| Comment(4) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月19日

マザー・テレサの言葉

ブックフェアで女子パウロ会のブースを覗いて、文庫があったので買ったのです。「マザー・テレサ 日々のことば」…1月1日から12月31日まで、日めくりカレンダーみたいにマザー・テレサの言葉が書いてある。

マザー・テレサ 日々のことば
マザーテレサ
女子パウロ会
売り上げランキング: 108342


私の誕生日、元旦はこんなの。

『あなたの心の中に、神を愛する喜びを持ちつづけてください。そしてこの喜びを、あなたが出会うすべての人たちと分かち合いましょう。特に、聖なる者となれるよう、家族といっしょに祈りましょう。』

家族や友達の誕生日の言葉を見てみたり、記念日の言葉を見てみたり。マザー・テレサの言葉の本はたくさんあるけど、365日の言葉というこの本の切り口はなんとなくすきです。

どれひとつ同じもののない一日一日にひとつずつの言葉。

短い後書きの中で、マザー・テレサが最初にたったひとりスラムに分け入っていったのは38歳のときと知る。生涯を決める一歩目をいつ踏み出すのかなんて、案外そのときには気づかずにいるものなのかも知れないです。

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2010年06月06日

エドナ・ウェブスターへの贈り物…リチャード・ブローティガン

このブログが「西瓜糖とサクランボ」というタイトルである時点で、ピンとくる人はピンときているはずですが、私はリチャード・ブローティガンのファンです。リチャード・ブローティガンを読む前に私をとりこにしていたのは、確か早川書房の全集で読んだ、ボリス・ヴィアンだったと思います。「ニューオールリンズのジャズ」というのが聴きたくて、レコード買ってもらったりしたなぁ。

最初に手にしたのは、河出書房新社版の「西瓜糖の日々」。以下のレビューにも出てくる、半分倉庫みたいな本屋でのできごとでした。とても綺麗な装丁だったのです。銅版画みたいな絵がぼかしっぽいビニールのカバーで覆われたソフトカバーの本。最初はただ、その装丁に惹かれたのだと思います。

読んでみて、ぶっとびました。ちょうどこの本のあとがきで、江國香織さんが書いてるように、「ブローティガン前」と「ブローティガン後」で、自分の人生がすぱっときりわけられるんじゃないかっていう感じ、あれはわかる。

以下、ブクログに書いたレビューの転載です。

エドナ・ウェブスターへの贈り物 故郷に残されていた未発表作品
リチャード ブローティガン
ホーム社
売り上げランキング: 91911


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2010年05月16日

『「悪」と戦う』高橋源一郎…四半世紀ぶりのギフト

発売前から、深夜の「メイキング」ツイートで話題が高まっていた、高橋源一郎さんの最新作、『「悪」と戦う』を読みました。

akutotatakau.jpg

生まれて初めて読んだ高橋さんの小説「さようならギャングたち」(1985年の講談社文庫版。奥付を見たら初刷りだった)と、並べてみました。

高橋さんは、この作品について、「デビュー作『さようならギャングたち』でやりのこしていたこと」を、その「忘れ物」を回収しにいった、と書いています。その言葉に嘘偽りはありませんでした。

初めて高橋さんの本を読んだのは中学生で、多分14歳ぐらい。20歳はオバサンで、19歳までに死ぬんだと思い込んでいたアイタタ文学少女だった私は、この「なんじゃこりゃ」な小説に一気に夢中になりました。

インターネットを始めた頃に入り浸っていたのは、今はなき「高橋源一郎なぺえじ」というマイナーだけど超コアなファンサイトで、そこの掲示板で自分よりもうちょっと大人な人たちと、喧々諤々のブンガク論をやり取りするのがすごく楽しかったのを覚えています。その掲示板の常連さんの中に、現在小説家になられた藤谷治さんもいました。藤谷さんの最初の小説「アンダンテ・モッツァレラ・チーズ」が出たときの興奮は忘れられないなぁ。ついにこの掲示板からプロ作家出たよ!と盛り上がったものです。
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ラベル:
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2010年05月13日

もものじてん

100512_210947.jpgことり文庫さんから届きました♪

日頃から辞書や事典に関わる仕事をしていますが、こういうチャーミングな辞書はまだ扱ったことがありません。残念。

自分だけの辞書を作りたくなります。「悪魔の辞典」なんていうシニカルな古典もありますが、もっとタイニーでslightな日常のこと。ひとつひとつメモしてみようかな…なんて思ったりします。



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2010年05月07日

「百年の家」…20世紀を俯瞰する。

こんな絵本を買いました。

百年の家 (講談社の翻訳絵本)
J.パトリック・ルイス ロベルト・インノチェンティ
講談社
売り上げランキング: 22475


建築会社の絵本じゃないですよ。国際アンデルセン賞受賞画家のロベルト・インノチェンティ(イタリア人)が絵を描いた、大型絵本です。

一軒の家、時の流れ、といえば、永遠の名作「ちいさいおうち」がすぐ頭に浮かびますが、それとはまた少し趣きの違う、もう少し大人の絵本です。

ちいさいおうち (岩波の子どもの本)
バージニア・リー・バートン
岩波書店
売り上げランキング: 4063


ブクログのレビューを転載します。ああ、最近こんな調子で「ずくなし」な私…。ご容赦を。

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ラベル:絵本
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2010年05月01日

すべすべまんじゅうがに。

先日テッチとラーメンズのDVDを見ていて、ふと気になって調べてみたら、実在するんだねぇ、スベスベマンンジュウガニ。まさかウメボシイソギンチャクも実在するとは。Wikipediaだけじゃなくて、ブリタニカや平凡社の百科事典に載ってたので、間違いないです。こんなのが気軽に検索できる電子辞書やっぱすごい。仕事がこっち関係なので、テッチを前に、ちょっと誇らしく思いました。

さて、旅支度。明日からお山のおうちに二泊、東京戻ってZEDを見る。テッチが張り切っていた囲碁大会は、なんと参加者多数で抽選となり、テッチは抽選漏れしてしまいました。テッチはがっかり。鬼のいぬまに洗濯ジャブジャブ、と思っていた私もがっかり。でもまあ、その翌日が遠足なので、まいっか。早めに戻って体力温存。そんなGWになりそうです。今日はテッチは野球の試合。鬼のいぬまに…じゃないけど、普通に洗濯ジャブジャブいたします。

最近読んだ本。

Sudden fiction (2) (文春文庫)
ロバート・シャパード 柴田 元幸
文芸春秋
売り上げランキング: 137608


超短編小説・世界編。なぜパート1じゃないかというと、パート1は村上春樹が訳に参加してるから。最近書店のリブロさんから得た情報によれば、シルヴァスタインの「おおきな木」をあすなろ書房が村上春樹訳で出すんだそうです。おおきな木が「やれやれ」とかつぶやくんでしょうか。げんなり。

The Giving Tree
The Giving Tree
posted with amazlet at 10.05.01
Shel Silverstein
HarperCollins
売り上げランキング: 165

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2010年02月28日

「エドナ・ウェブスターへの贈り物」リチャード・ブローティガン

最近、長い文章を書く気力がなくて、ついついついったとかでつぶやく程度で終わってしまっていますが。この本のことはやっぱりブログぐらいの長さで書きたい。

エドナ・ウェブスターへの贈り物―故郷に残されていた未発表作品

1月26日発売のこの本。ずっと、発売を楽しみにしていました。生きている作家の新作を楽しみにすることはできるけど、死んでしまった作家の新作は、もう楽しみに待つことができない。ブローティガンが死んだのは、皮肉にも私がちょうどブローティガンに夢中になり始めたばかりの、1984年のこと。

その後未翻訳だった作品や、絶版になっていた作品が発売されたり、文庫化されたり、そんなことはあったけれど、基本的には絶筆とされた「不運な女」が最後の本になるんだなと思っていて。まさか、若い頃の作品が、こんな形で手に入ることが21世紀になっておきるなんて思ってもみなかった。

不運な女
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posted by なつめ at 21:23| Comment(2) | TrackBack(0) | おとなが読む本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする