2016年08月06日

シン・ゴジラについて暑苦しく語りたい。

さて、公開から一週間経ちました庵野秀明監督・脚本映画「シン・ゴジラ」。ネタバレしちゃいけないっていうから私もうずーーーーーーっと我慢してたんですけど、もういい加減ネタバレブログも次々に出てるのでいいでしょう!?っていうことで、ゴジラ語り解禁したいと思います。

【当方のスペック】
・自分はオタクではない、といい続けているのはオタクがキモイからではなく、自分のような浅い特撮ファンがオタクを自称するのはおこがましい、というオタクへのリスペクトによるものです。

・ゴレンジャー、リアルタイム世代。サンバルカンあたりまで見たあとの休止期間を経て、息子誕生とともに「ハリケンジャー」あたりから英雄時間視聴再開。

好きな特撮テレビ番組は「ゴレンジャー」「ロボコン」「デンジマン」「デカレンジャー」「シンケンジャー」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンコスモス」「ウルトラマンネクサス」「仮面ライダークウガ」「響鬼」「ファイズ」「電王」という感じで、わりと保守派。子どもがヒーローものを卒業したあとも、こっそりビデオに撮って観続けること数年、最近ようやく卒業…しかけたような…

でもamazonプライムに加入していることから、仮面ライダー・アマゾンズは見始めてしまった。

ライダーものとして正しく暗い。鬱い。小さいお友達置いてきぼり。しばしばNice Boat.な感じなので苦手な方にはオススメしません。一応血液描写黒になってるけど。


プライム会員ならamazonビデオで無料視聴可。

・初代ゴジラは年齢的に生まれてない。初代と怪獣プロレスものとしてのゴジラは、一般教養として数作はテレビやDVDでみた。劇場版に行き始めたのはおそらく2002年のゴジラ×メカゴジラ(主に釈由美子のおっぱいがゆさゆさ揺れていたことしか記憶にないが、攻殻機動隊っぽいのやりたかったんだろうなーと思いつつ見てた)。


ハリウッド版には納得していない。特に2014年、ゴジラの造形にはその前のハリウッド版よりもかなり満足したけど、オチがあれってどうよ…!?って思ったクチ。あと、巨大さを強調するため、なかなか全身がうつらないゴジラにフラストレーション…



基本的にはどっちかっていうとゴジラよりガメラ派なんだと思う。平成ガメラ好き。「ガメラ ちいさき勇者たち」は劇場でダダ泣き。



やばい予告編を見るだけでまた泣きそうです。津田寛治さんが好き。



・エヴァンゲリオンはテレビ版をリアルタイム視聴。後半、アニメといいつつ静止画だらけになっていくのを爆笑しながら見ていたクチ。旧劇場版は、突然の実写挿入シーンとかに苦笑しつつ劇場でみた。新劇場版同時上映の「巨神兵東京にあらわる」は超贅沢なミニチュア使用特撮だときき、子どもをダシに劇場に走る。脚本が厨二病すぎて戦慄しつつもミニチュア爆破に大満足して帰宅。

そんな私が、公開翌日そして4日後と、一週間に2回観にいった映画、それが「シン・ゴジラ」であります。

シンゴジ.jpg



【以下、暑苦しいの注意、見てない人は回れ右して劇場へGO!】続きを読む
タグ:映画 特撮
posted by なつめ at 14:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月23日

「海よりもまだ深く」みてきた

午前中と午後の用事の間にぽかっと時間があいてしまったため、すきま時間で是枝監督の新作「海よりもまだ深く」を観て来ました。

海よりもまだ深く



阿部ちゃん、真木よう子、樹木希林、リリー・フランキーとザッツ是枝組って感じのキャスティングで外しようがないよなっていう映画なので、それほど積極的に観にいくつもりではなかったのですが。

上に貼り付けていますが、予告編はあんまりよくありませんでしたが本編のほうがよかったです。家族の物語みたいな視点で見てしまうとちょっとつまらないです。どちらかというと、舞台となる清瀬の団地、高齢化が進み、ゆっくりと老いて死んでいく「コロニー」としての団地の物語として観た方が面白いと思うのですが、そのあたりが少し食い足りない感じがしました。

コンスタントに良作を作り続けている是枝監督ですが、テレビドラマ「ゴーイング マイ ホーム」、「そして父になる」、漫画原作の「海街Diary」、本作ときて、私が「誰も知らない」ぐらいいいと思ったのは「そして父になる」ぐらいかなぁ…。ほろ苦い優しさに満ちた作品ばかりで、ども作品も見て損はないと思うのですが、やっぱり「誰も知らない」には敵わないかな…と正直思ってしまう。





この映画が公開された2004年には、この作品のモチーフとなった巣鴨子ども置き去り事件というのはまだまだ人にショックを与える事件でした。ネグレクトという言葉もまださほど一般には知られていなかったと思うし。そして、現在、2016年の日本では、子どもの貧困はOECD加盟34カ国中11位という状態が恒常化しており、もはやこの映画で描かれた「当時まだ特殊だった」風景も、既視感のあるものになりつつあるかも知れません。といったようなテーマに対する先見性という意味でもすごい映画だったと思うのだよな…

もちろん、最新作も良作です。相変わらずこの監督は子どもの微妙な表情を捉えるのが上手い。樹木希林、橋爪功ら老人たちの老いの演技の確かさ。ままならない人生の終焉地としての古ぼけた団地のコミュニティのリアリティ。年金暮らしの親の脛をかじり続けざるを得ない中年の姉弟。ああ、いやだな、と思うんだけど現実ってこんなもので、そしてそのすべてが嫌いっていうわけでもない。愛おしい。でも、こんなはずじゃなかった。そういうものがぐるぐるぐるぐるしながらも温かみを残す構成っていうのはホントこの監督ならではだし、上手いよなぁと思う。

でもどうも最近、こういう作り方で安定しちゃってるよな…と言う気がするのも事実。是枝監督の作品っぽいよね、というところから先のあと一歩、食い足りない感があってなぁ…ううむ。好きな監督だけに期待値が高すぎるのかもしれません。

予告編みた中では断然、西川美和監督のこの作品に期待。




先に小説出ちゃってるんですけど、私は映画を観るまでは…って我慢しててまだ読んでないのです。10月公開。超楽しみ。西川美和監督に関しては、外れた、と思ったことが一度もない。今回も期待しています。

ぎゅのソロコンのチケットはようやく家に届きました。やっぱり紙チケいいね!楽しみです♪ちなみに、せぶちちゃんの日本での初ライブが8月6日、7日という噂が流れてるんですが、とにかく早く日程決めてくれい…!夏の予定がたてられないでござるよ…!!
タグ:映画
posted by なつめ at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月16日

終戦の日に「野火」を観た。

8月入ってから仕事が完全に修羅場ってて、ああ、SJのDEVIL活動、あれで終わりだと思ってたけどまだ活動続くんだ、とか、リパケあるんだ、とか色々思いつつ、残業三昧で一日10時間もPCの前に座ってるのに家に戻ってまでPC開く元気がなかったので、ブログの更新もすっかりサボってました。その間にも色んなことがありすぎて、どこから手をつけていいのやら。

と言う状態なので、大人しくいちばん手前から始めることにします。今日みてきた映画の話を。8月15日は言うまでもなく、太平洋戦争が終結した日、日本の敗戦記念日なわけですが、今年はその終戦から70周年ということで、いまや世界に好戦的政治家として名を知られてしまったシンゾーの談話がどうなるか、という話が何週間も前から世間をにぎわせてましたね。

まあ実際出た談話は、「相変わらずの『約束守る気一切しないのでなんでもぺらぺら饒舌に喋ります』感はぷんぷんするけれども予想していたほどのヤバさではなく、『直接手は汚さない上級ネトウヨ』が非常に慎重に批判がきても誤魔化せる程度のウヨっぽさを漂わせつつ、一般保守には『まあいいんじゃないの』と言わせる内容」だったので、ギリギリほっとしたといえばほっとしましたが、太平洋戦争終結の記念日を前にいきなり日露戦争の勝ち自慢から入り、悪いのは日本じゃなくてブロック経済なんだよ〜んとか、しかし私は謝らないキリッ(`・ω・´)!!とか、「21世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリード」(今まで女性の人権問題とか性差別問題に関して、日本が世界をリードしてたことなんかあったか…???先進国中、男女の平等指数のビリッけつ案件は枚挙に暇がないので圧倒的ビリっていう意味ではリードしてますが)とか、ウヨ好きのしそうなタームをちりばめ、言ってることとやってることが全然違う系を恥ずかしげもなくぶっこんでくるあたりは流石だな、鉄面皮ってこういうこと言うんだな、って思いましたけど、そんな話をしてるとあっという間に夜が明けそうなのでそのへんはこの程度にしといて、今日みてきた映画は「野火」。



原作はこれ。読売文学賞を受賞した大岡昇平の小説(1951年発表)です。
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もともと行こうかな、いつ行こうかな、早くしないと東京終わっちゃうな、とか思いつつ、観たらしんどくなりそうな映画だし、タイミングつかめずにいたんですが、たとえ台風がきても絶対この週末観にいかねば、と思わせてくれたドキュメンタリー番組がありました。

NHKドキュメンタリー「女たちの太平洋戦争〜従軍看護婦 激戦地の記録〜
これ、8月21日(金)にも再放送(13時30分〜)があるので、みていない方には是非みていただきたいのですが、映画の舞台と同じ南方戦線に、従軍看護婦として赴いた女性たちのインタビューを中心とした番組だったんですね。これが、なんというかおそろしくガツンとくる内容だった。

赤十字から派遣された元看護婦たちは、80代90代の高齢女性ばかりですが、職業婦人だった人たちらしく、実に明晰な言葉で語る。当時赤十字の看護婦は、卒業後12年間召集があれば義務に応じる必要があった。生まれたばかりの乳飲み子を置いて、戦地に赴いた看護婦もいたそうです。

彼女たちを待っていたのは、医薬品どころか水も電気もろくに使えない病院と、大量の負傷者、マラリアなどの感染症患者、そして食糧難。補給はなく、後方だったはずの病院も戦況悪化につれいつの間にか前線となり、空爆で、ほんの一時前までは生きていた同僚が頭の半分が吹き飛んだ姿で見つかったときの様子(「あのとき何故無理にでも防空壕に連れていかなかったんだろうって」)、足手まといになる重症患者を殺せと指示され、静脈に空気を注射して殺したこと(「毒なんかなくても静脈に空気を入れたら人は死ぬんです。でもね、七転八倒してもがき苦しんで死ぬの。」)、死体を荼毘に付す余裕もなく、毎日死んでいく兵士の死体をトロッコで運んでは放り出し「ほれ、いっちょうあがり」と軽口を叩くほど感覚が麻痺していったこと、現地民から食料を強奪したこと(「私たち悪いことしたよ。土人が一所懸命に作った穀物を盗んで食べたんだもの。」など、自身の経験したおそらくは思い出したくもない地獄を、顔出しで、インタビュアーをまっすぐに見つめ、はっきりとした口調で語る姿をみていたら、これはもたもたしてないで観にいかなきゃ、とあらためて思ったの。生きながらえたこの人たちが、かくも赤裸々に戦場の現実を語り残そうとしている。この事実を真摯に受け止めれば、「なんか観ると気が重くなりそうだなぁ…」という理由でもたもたしていてはいけない、と思って。

渋谷に出るのが嫌だったので、立川の映画館にいったんですが、予約時にはけっこうガラガラかなーと思ってたんだけど、7割がたは席が埋まっていました。若い人もいましたが、かなり高齢の一人客も多かったです。ご遺族の方かな…とふと思ったりしました。塚本晋也監督って「鉄男」とかの監督でどっちかっていうとアングラなイメージなので、あれぐらい客層がばらけてるのはわりと以外でした。立川っていう場所柄もあるのかも。

私、思春期にちょうどベトナム戦争映画が非常に多く作られてた時期で、確か小学生で「地獄の黙示録」が公開、「キリング・フィールド」「ディア・ハンター」あたりはしばしばテレビでやってたし、「プラトーン」「カジュアリティーズ」「グッドモーニング・ベトナム」「フルメタル・ジャケット」「バーディ」どれも映画館でみました。「84★チャーリー・モピック ベトナムの照準」という非常にマイナーな映画もありますが、これはモキュメンタリー(ドキュメンタリー風フィクション)の傑作です。

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という具合で、かなり戦争もののバイオレンス表現には耐性のある私ですが、それでも野火はかなりしんどかった。この手の映像がダメな人は、たぶん15分と見てられないと思います。でも、ある程度耐性ある人は、観にいく価値がある映画だと思う。というか、是非多くの人に見てほしいと思います。この映画と、「女たちの太平洋戦争」での生存者たちの証言は、一致してるもの。人がモノ扱いされる戦場、そして戦死者の大半が餓死であった南方戦線の異常な空気が見事に映像化されています。

私、これを戦後生まれの監督が撮った、ということに深い意義があると思っていて、さっき挙げたドキュメンタリー観てても思いましたが、もう戦後70年にもなって、実際に戦争を経験して地獄をみた人たちもどんどん高齢化して、亡くなったり、呆けてしまったりして、証言を得ることが難しくなっている。映画監督だって、戦争経験のあるような監督はもう年取って現役引退したり亡くなったり、もはや日本では「経験者が語る」だけでは戦争の語り継ぎができなくなろうとしてるんですよね。

そんな中でふわっとした「一般市民は戦争の犠牲者」的なテンプレで、描く内容は特攻か広島長崎、せいぜいたまに戦艦もの、みたいな映画やドラマばかり製作されてたら、それは戦死者を「悼む」から、「美化する」に容易につながりかねないと思ってて、特攻映画を観て「この方たちの犠牲のお陰で尊い平和が…」とか言いながら同時に嫌韓・嫌中ツイート垂れ流している10代20代のTwitterアカウントなんかみてると、もう非常にヤバイ、と危機感をおぼえるわけです。

現に「女性たちの戦争」の放送のあと「従軍看護師さんを悪者として描き自虐史観をおしつけようとするサヨク番組だ」みたいなツイートみかけて、どういうオツムで見たらそういう理解になるんだよ…!って倒れ死にそうになりましたもん。あの証言者たちが何故あそこまで赤裸々に、味方である日本軍の加害性も含めて戦争を語ったのか。それは「戦争はそうやって人の人間性を奪ってしまう恐ろしいものであることを知って欲しい」「こんなことを二度と若い人たちに経験させたくない」という気持ちからでしょう。「悪意ある番組に悪者扱いされた」なんて彼女たちの誰が思うのか。第一そんな気持ちだったら、インタビューなんか応じないっての。

こういう憂慮すべき状態にあって、原作に対してもほぼ忠実な映画化を、戦後生まれの監督がやった、っていうことの意義をしみじみ感じたし、自分も戦後生まれだから知らないし伝えられない、じゃなくて、語り継ぐためにできることをしないといけないなぁ、と思いました。

NHK、近頃はすっかり政府広報化してジャーナリズム精神なんか見るも無残に崩壊しちゃってますが、こういういい仕事もしてまして、戦争証言アーカイブっていうところで、フィリピンにいた方の証言とか見られます。私この証言集、少しずつでも全部みようと思ってるんだけど、これとか、見て欲しいです。

永田勝美さん「見守るしかない餓死の兵士
最後のほうの「遺族の人は聞かされると、ほんとうのことを聞かされると嫌なんだろね。それは名誉の戦死であるとか、人を助けようと思って自分が犠牲になったんですよとか、そういう美談はあれば喜ぶよ。しかし、現地の戦地の実態というものは、そんな美談はないんですよ。そんな美しい戦争だなんてない。もうみんな目を背けるような話ばっかしでしょう。(中略)言ってそれが何かの形で受け継がれて、戦争というものは、やっぱりいかんものだなぁ、悪いんだなぁと、これを分かってもらうといいわけですよね。」という言葉を、しっかり受け止めないといけないと思う。

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posted by なつめ at 02:28| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月28日

海街ダイアリーみてきた。

是枝監督の映画「海街ダイアリー」、これは原作も大好きなので、楽しみ半分、不安半分だったのですが、観て来ましたー。



正直、報道で最初にキャスト見たときには、綾瀬はるかと長澤まさみはないなぁ…と思ってたんですが、見終わって、これMVPは長澤まさみかな、と思いました。彼女、こういう蓮っ葉な役ぴったりだなぁっていうか、ビノシュみたいな生々しい役をやったらすごくいいんじゃないかと思いました。そういう意味ではよしのちゃんのスピンアウトちゃんと原作どおりのストーリーで彼女主人公で撮ったらよさげだなぁと思った。

次点は夏帆ちゃんで、実際にはチカちゃんのシーンが全体通してみた中で一番ぐっときた。原作だと、わりとお笑い担当というか、陽気さ、明るさの部分を担当してるチカちゃんはあんまり深くキャラ掘り下げられてないところがあるんだけど、映画では「お父さんのこととかあんまよく覚えてないチカちゃん」という女の子のほんの僅かな心の揺らぎとかが(これは脚本がいいのか夏帆ちゃんの解釈がいいのかよくわからないけど、実に奇跡的なバランスで)表現されてて、そこがすごくよかった。

【以下ネタバレあるのでみたくない方注意】

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タグ:映画 漫画
posted by なつめ at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月17日

風邪をひいたので「ホテル・ルワンダ」観た。

いやー死んでました。先週の金曜から喉がチリチリで病院行ったりしてたんですが、インフルエンザではないですよ、よかったね、って言われてそうかよかったのか、って気分になってたらそこから38度台3日だもん。アウトプットが同じだったらインフルでもそうじゃなくても同じだぁwと呻きながら寝込んでました。今年は割と風邪ひきそうになってもぎりぎりで持ち直してたので、このまま冬を越せると思ってたんですが残念。週末行くつもりだった文楽もいけなかった…T T 代わりに文楽初めての母が行ってきたので、チケットは無駄にはならなかったのですが、天網島時雨炬燵は楽しみにしてたので残念。4月は絶対風邪引かずに行くぞー。

で、週末ずっと寝込んでたんですが、咳がひどくて眠れないので、座ったままこんな映画をボーっと観てました。

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1994年のルワンダ大虐殺をテーマにした映画です。映画は事件の10年度に撮られたものですが、今年はもう2015年なので、この事件からももう20年経っちゃってるんだなぁ。

当時私はニュースもそんなにしっかり読み込んでなくて、フツ族ツチ族の対立、ということだけはどうにか頭に入れたけど、どっちがどっちを殺したんだか、というのもものすごくあやふやで、ただ「歴史上の出来事」じゃなくて、自分が生きてる間に起きたジェノサイドとして、なんとなくどこかでちゃんと勉強し直さないと、と思ってた出来事でした。たまたまTSUTAYAの宅配レンタルがキャンペーン中で、一ヶ月タダでお試しできるというので、申し込んでみたので、まずコレを借りてみたのです。

社会派映画で、テーマがテーマだけに尻込みする人もいるかもですが、そういうテーマを扱いながら、中心になってるのは夫婦愛(主人公はフツ族出身であり、奥さんはツチ族出身)だったりして、随所に夫婦の愛と絆を確かめ合うようなシーンがあって、ホームドラマみたいな趣もあります。主人公が結果的に1000人以上のホテルに逃げ込んだ難民を救うことになるのも、スーパーヒーローとして、ってわけじゃなくて、基本的にはただ家族を守ろうとする一人の父親として、自分の使える知恵とコネと勇気を最大限に発揮した結果であって、そういう意味でもホームドラマっぽさがあります。

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posted by なつめ at 23:13| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月05日

「バベルの学校」観てきた。

ウネコンのELF先行予約、当落発表でしたねー。今日は有休とって出歩いていたので、発表時間の30分後ぐらいにはチェックできたのですが、3公演申し込んだうちの1公演しかあたりませんでした。お友だちと協力してたので、もう一つの希望公演も行けることになりほっと一息♪ですが、周囲の人たちも1公演だけ当選、という人が多かったので、とりあえず一つだけでもとれてよかったなぁ、という感じです。今回の遠征は、行ったことがない名古屋に初挑戦!です。味噌カツはあんまり好きじゃないので、ひつまぶしと手羽先と、噂のモーニングを食べてみるのが楽しみです^ ^

FC先行外れちゃった方も、まだオフィシャルサイト先行とか色々あるので、焦らずちゃんとしたお値段でチケット手に入れてくださいねー。私、チケットサイトって使ったことないんですけど、有名どころの某チケット〓通センターを試しに見たら、定価のほぼ倍の値段で売りに出してる人がいて、目が点だったよ…ダフ屋さんなんですかねぇ…

さて、今日は突発的なお仕事の谷間を利用してお休みとってきました。お友だちに誘われて、文京区の小さな小さな絵本図書館にいってきたのです。

花みち図書館
はなみち.JPG

白山の駅から歩いて7〜8分というところでしょうか。本当に普通のおうちが並んでいる路地を入ったところにある、大正時代の料亭を私設の図書館にしたもの。ご覧のとおり、入り口だけでも風情がありますが、中も本当に昔の日本家屋で、細い廊下の突き当たりの畳のお部屋が図書館です。毎週水曜日だけの開館。寄贈された絵本で運営されています。

いいのが、その絵本の一つ一つに、寄贈された方からのオススメコメントがついているんですよ。本屋さんのPOPみたいなものですね。それを読むだけでも楽しい。自分が好きだった絵本を誰かがオススメしてるとなんだか嬉しいし、好きなポイントが自分と全然違ったりするのもいとをかし。って感じでつい棚に見入ってしまいます。

畳のお部屋なので、小さなお子さんを連れたお母さんたちがいらしてました。私も友達もすでに大きなお子さんしかいないもので(苦笑)、自分たちで絵本を広げてお喋りしながら読んでいましたが、まったりしちゃってあっという間に時間が過ぎちゃいました。いま、自分の家に畳の部屋がないもので、畳の上でのんびりすることじたいが久しぶりだったなぁ。今度は寄贈する絵本を持ってまた伺いたいと思います。

んで、その後ラクーアの緑茶カフェでランチして…

ラクーアのふたり.JPG
カルーセルの見える窓際のお席で、ウラジーミルとエストラゴンも記念撮影。

それから、渋谷のアップリンクに、こんな映画を観にいってきました。

バベルの学校


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posted by なつめ at 01:35| Comment(1) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月22日

「6才のボクが、大人になるまで」みてきた&福岡お疲れさまでしたん♪

前からちょっと気になってたんですけどタイミング逃して見られてなかった映画、新宿が終わっちゃう!と思って観にいきました。んがっ新宿立ち見と言われて結局日比谷まで観にいきました…

6才のボクが、大人になるまで


ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞した作品だそうです。何がすごいってこれ、主人公の6才の少年メイソンJR.が18才になって独り立ちするまでの期間を、【12年かけて】とってるということ。ドキュメンタリーじゃなんです。劇映画なんですよ。でも、まる12年、同じキャストが同じ役を演じ続けた映画なんです。もちろん365日ってわけじゃなくて、毎年夏の数日間を撮影にあて、それを12年続けたんだそう。

わが国には「北の国から」というギネス級の超連続ドラマがありましたが、この映画はそれよりもっとこじんまりとしています。メイソン6才と姉のサマンサ、母親のオリヴィアの3人家族、別れた夫のメイソン(シニア)の4人家族の12年間を、息子のメイソン(ジュニア)を中心に、淡々と紡いだ作品で、「これは何年」「これは何年」なんていう区切りもないし、小うるさい説明もなく、台詞と映像だけで状況を飲み込め、という作品。

近頃こういう、きちんと客を放り出す作品が少なくなってる気がするので、私はものすごく好きでした。時代年代も、流れる音楽、ちらっとうつるゲーム機(大昔のX-BOXからWiiへ)だとか携帯(からiPhoneへ)、車、パソコン(懐かしのボンダイブルー!そして薄型ノート、一体型へ)、や登場人物たちが話題にする選挙の話などで大まかに察するしかないし、区切りの繋ぎも特別なことをしてないので、「ん?子どもの背伸びた?」とか「あ、髪型代わった」とか「お母さん太った」とかで、新たな一年が積み重なったことに観客が自分で気づくしかない。こういうのってすごく好きなんです。

台詞にも出てこないし物語の本筋とも関係ない、壁に貼られたピンナップとか、登場人物のちょっとした服装なんかを見ながら、登場人物のキャラクター設定とかを読み取りながらみていくのがすごく面白くて、できればDVDでまたゆっくり観て見たいなぁと思った。私、映画は映画館で、派なんですが、この作品については、DVDで一人で見るのもよさそうだなぁと思った。

なんていうか、上みたいな細かいところが見直したい需要だけじゃなくて、子どもの成長記録をハンディカムとかで撮ったりしたやつって、大勢人がいる映画館より、家でひっそりお酒でも飲みながら観たくないですか。それに近い感覚というか。

12年間の間に、これといって大きな事件とか人が死ぬとかはありません。まあ、全然なんにもないわけじゃないんだけど、どれもたぶん、アメリカの典型的な家族に起きる典型的な出来事で、渦中にいる人間にとってはしんどかったり特別だったりするんだけど、でもまな板に並べてしまうと「まあ、よくあることさ」って言われちゃうような、そういう凡庸さ。そこがまたいいんだよなぁ。

こんなの、いくらでもドラマチックに作ろうとすればできるはずなんだけど、でもあくまで市井の人たちの、ドラマになりそうだけどならないし、上手くいきそうだけど行かない、もどかしい毎日を本当にうまく再現した映画だなーって思います。それでもドキュメンタリーじゃなくて劇映画っていうところがいい。毎年、撮影前に、その年のストーリーを話し合って撮影したんだそうで、出演者の経年変化が違和感なく物語の中に織り込まれているのは、そのキメうちじゃない作り方にも秘密があるんだろうなと思います。これ、真似しようとしてもなかなかできることじゃなくて、たぶん映画史に残っちゃう作品になるんじゃないかなぁ。

若くして母親、父親になってしまったオリヴィア、メイソン(シニア)の両親がすごくいいです。シングルマザーで自分はしっかりしなきゃとか色々考えてはいるんだけど、まあ選ぶ男選ぶ男だめんずばかり、考えすぎて過保護になったり色々たまって娘にきっついこと言われて逆ギレしちゃったりする母親、そして若い頃にはやんちゃしましてねぇ、でも今じゃ保険の外交やって新しい奥さんの実家の保守的な義父母とも上手くやってます、そして別れた子どもたちともわりかしいい関係です、人間的には相変わらずチャラいけど!みたいな、ダメダメでだけど憎めない父親。そんな両親、特に母親の再婚、離婚、再婚、離婚に振り回されながら大人になっていく姉弟。

家庭環境もあって子どもたちもわりと早く大人びてはいくんだけど、それでも思春期にはそれなりの反抗期を迎えたり、何か自意識が芽生えはじめて青臭い思想を女の子に向かって延々語っちゃったり、そういう「なーんーかーありました!自分もありましたこれ!!」みたいな、穴があったら埋めてしまいたい黒歴史的な、でも誰もが通り抜けてくるような少年期、思春期を通過して、大人になっていく少年、少女の表情の瑞々しさ。

子役ってまあどんどん顔とか体型とか変わっていくんですよねぇ。あ、太っちゃったとか、わぁ、急に背が伸びた!とか、なんというか盆暮れぐらいしか会わない親戚の子ども見てるみたいな感じです。そして、子どもたちだけじゃなく両親たちもまた、親として、人間として、ちょっとずつ成長して、変わっていく。その感じがすごくよかったです。

誰も完璧じゃないし、色々欠点がある。だめんずツアーを延々続けてるオリヴィアも、たまに会いにきちゃちょっといいこと言って帰っていくという美味しいとこどりで、でもあれこれ抜けてるし押し付けがましいところもあるメイソン(父)も、人として親として最初から完璧じゃないし、物語の最後まで、人として親として完璧にはなっていかない。成長する部分もあれば、失われていく部分もある。

でも、彼女も彼も、その不完全な人間なりに、子どもたちのいい親でありたいと懸命にもがいてるのが台詞の端々とか表情からわかるし、その努力がトンチンカンだったり通じなかったりすることがいっぱいあっても、彼らなりの成長は僅かながらあって、小説みたいに何もかもぴたっと上手くはいかないけど、それでも続いていく毎日は美しいなぁ、とか、そんな暖かい気持ちが残りました。色々分かっているけど、あるいは含むところはあるけれど、あえて言葉にはしないでおくところとか、そういう家族のリアリティも随所にあって、共感したなぁ。

そして、父親も母親も知らないところで成長していく子どもたちの姿を観ながら、自分も親の知らないところで少しずつ大人になっていったように、自分の子どももどんどん知らない世界で成長していくんだなぁ、とあらためて思ってジーンとなったりしてました。ラスト、これから大人の世界に踏み出していく少年の中に蓄積された時間を、二時間程度の映画の中で一緒に経験してきたからこそ、彼のこれからを想像して、うん、がんばれ!って気持ちになる。

父親であったり母親であったりするということは、この映画を観る条件にはならないと思うけど、自分自身が思春期真っ盛りというより、それをちょっと通り過ぎた20代以降の方にオススメしたい映画です。老いていく自分の親に対する視線とか、自分が通過してきた青春時代の、すごく真剣で、でも通過したあとなんとなく気恥ずかしくてなかったことにしてきたものへの視線とかが、映画観る前と後では少し変わるかも知れません。

11月から上映始まった映画ですが、まだ色んなところでやるみたい。機会のある方は是非、劇場へ足を運んでみてください。劇場でみる利点がひとつあるとすれば、これ35ミリのフィルムで撮影してる映画なんです。デジタル撮影全盛のこの時代に、フィルムの色が見られるのって稀有だと思うので、そのあたり劇場に行かれる方は是非堪能してください。


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2014年12月02日

トム・アット・ザ・ファームみてきた

土曜日にレイトショーで、この映画観て来ました。

tomalaferme.jpeg

なんで見ようと思ったのか全然覚えてなくて、このグザヴィエ・ドランというカナダの青年監督(若干25歳!)についても、カンヌの寵児的なことだけうっすらと読んだけど、他の作品は見たことなくて、予備知識ほぼゼロだったんだけど、なんとなくこう、アナザー・カントリー的なやつ?と思いながら観にいったら、サイコスリラーだったという。まったく覚悟せずに行ったおかげで、逆になんの予想もつかなくて、エンドロール流れるまでずっとドキドキ緊張しっぱなしだったので、それはそれでめいっぱい楽しんだ、と言えるかも。

物語は、恋人のギヨームを亡くしたドラン監督自身が演じるトムが、葬儀のために恋人の実家の農園を訪れるところから始まります。恋人(同性愛です)を失った喪失感と、だだっ広い田舎の道を失踪する車の映像から始まるオープニングの切ない美しさが、どことなく壊れている恋人の母親、兄の登場によって少しずつ緊張感を帯びてくるんですが、ここでも私はまだサスペンスだと思ってないので、微妙な違和感を感じつつも、死んだ恋人に対する喪の仕事をしていく物語なんだな、とか思って見てたんですが、このギヨームの兄、フランシスが、母親に弟がゲイであることを知らせないための嘘(「サラ」という女性の恋人がいることになっている)を、トムにも強制するところから、少しずつ軋みが大きくなっていきます。

ネタバレしちゃうと面白くないのであまりストーリーは書けませんが、携帯電話の電波も届かず町中から離れた孤立した農場に留まるうちに、徐々に狂っていく登場人物たちの関係性は、確かにサイコスリラーではあるんだけど、ただの「ぎょっとさせて怖がらせるためのサスペンス」じゃないんだよなぁ。

やはり、映画の中には登場しない、トムの恋人であり、母アガットの自慢の息子であり、兄フランシスの愛憎を一身に浴びた弟であった彼=ギヨームの死、彼の喪失というものが、残された人たちにもたらすとてつもないブラックホールみたいなものを、彼らがいかにして埋めようとするのか、という喪の仕事というテーマはしっかりとあるんです。それが、彼の死によって露になるまでは、綿密に覆い隠されていた色んな嘘や秘密によって、捻れ、歪み、正しく昇華されないまま、狂った均衡を生み出してしまうという恐怖が、すごーく心理的に「くる」んですね。嘘に嘘を重ねながら、でも時折ぎょっとするほどの生々しさで愛情を求める登場人物たちの姿は、やっぱりただのホラー映画のそれじゃなくて、私たちの側にあるという感じがします。

話としては全然違うんだけど、この閉鎖的な家庭、永遠に続く喪、すべてを支配している母親の存在、とかいう共通項で、なんとなくガルシア・ロルカの「ベルナルダ・アルバの家」を連想しました。トムを支配しているのはフランシスなんだけど、でもそのフランシスも実際には母親に支配されている感じがしたんだよねぇ。ゲイだ同性愛だなんていうことは口にするのもタブーみたいな田舎の閉塞した空気感とかも、時代やタブーの背景は違うけどどこか似てる感じがして。

三大悲劇集 血の婚礼 他二篇 (岩波文庫)
ガルシーア ロルカ
岩波書店
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学生時代に買ってもらったロルカ戯曲集は絶版ですが、一応↑の中に入ってるみたい。これはこれで大変オススメの戯曲。

とにかく見ていて、すごく演劇的な作品だなぁと思ってたら、実際舞台演劇を映画化したらしいです。もとの戯曲を書いて、映画化にも協力しているミシェル・マルク・ブシャールのエッセイがこちらで読めます。是非演劇バージョンのほうも観てみたいと思ったんだけど、こういうのはなかなか来日しないかなぁー。

でも映画がうんとお客さん入ったらあり得るかも知れないので、ご興味ある方は是非劇場に足を運んでみてください。この非凡な美青年監督を大画面で見るためだけでも!いや、実際もんのすごい綺麗な子だったよ…子役出身なんだそうです。かれこれ4年ばかりKぽアイドルを見続けてきて、25歳前後っていうのは「綺麗な男の子」たちが「男」になってしまう直前の、いっちばん奇跡的なビジュアルを堪能できる時期である、という結論に達したのですが、まさにその時期なんで、ほんとそういう目的でもいいんじゃないかとw

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2014年10月20日

悪童日記みてきた。

今日は、午前中に美容院いって、昼から映画ーと思って駅までいったところで定期券を忘れたことに気づき、orzってなりながら一度家に戻り、一瞬そこで諦めてしまいそうになったんですけどそこで気力を振り絞って、新宿までこの映画みにいってきました。

悪童日記


原作:アゴタ・クリストフ
悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
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これ、私がたしか大学生の頃に翻訳が出まして、フランス文学としては当時異例っていうぐらい売れたベストセラー小説でした。そもそもフランス文学が日本でベストセラーとかほっとんどないので。アゴタ・クリストフはハンガリーからの難民作家で、フランス人じゃないのですが、フランス語で書いた作品です。フランス語が母国語でない作家、かつ子どもが描いた日記という体裁の作品なので、文章は短くて完結で、大学で1〜2年習った程度のフランス語レベルでも、原語原作もわりとサクサク読めました。

その淡々とした簡潔な文体で、ざくざくと皮膚を抉るような物語がすごくスピーディーに展開する。面白くて一晩で読んでしまう感じ。続編もあって、全部で三部作ですが、トータルでも一週間で読みきれちゃうと思います。というか、続きが読みたくて我慢できなくて三日で読んじゃうと思います。私はそのクチでした。二作目、三作目もそんな感じで面白いは面白いのですが、やっぱり終わってぼーっとするぐらい面白かったのは第一作のこの作品。処女作にはその作家のすべてのいいところが詰まっている、というけれど、まさにそういう感じの作品。

でも、あんだけ夢中になって読んだわりに(原語の本まで買って辞書ひきながら読んだのに)、実は細かいストーリーは忘れてしまっていて、なので比較的まっさらな気分で映画を観ることができました。加齢による健忘すばらしい。知ってることでも忘れることによりフレッシュな気分で再び楽しめる←前向き

原作では、あえて具体的な国名とか出さず、どことでもとれるような書き方にしてあったそうですが、今回映画化の権利を射止めた監督はハンガリー人で、そこははっきりとハンガリーを舞台にしてます。第二次世界大戦末期のハンガリー含む東欧諸国がどのような状態であったか、っていう基礎的な世界史の知識が一応頭に入ってることが見る前提になるかと思います。わからなくてもまあストーリーが追えないわけではないのですが、なぜドイツ軍将校がおばあちゃんの家にいるのかとか、ユダヤ人の靴屋の運命が何故ああなるのかとかは、世界史のその部分の知識があったほうがすんなり理解できるはず。

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2014年02月13日

ファルージャ…自己責任と、責任について。

昨日(日付変わったんで一昨日)は、渋谷のアップリンクで、この映画を見てきました。

ファルージャ―イラク戦争 日本人人質事件 そして…


ドキュメンタリー映画です。若手監督を支援するプロジェクトの出資で作ったのかな。伊藤めぐみさんという女性監督の作品。Twitterで流れてきてふと思い立ってみてきたんですが、アップリンクっていうのはなかなか面白い劇場で、せいぜい30〜40人ぐらいしか一度に入れないミニシアターなんですが、面白い映画を色々やってるんですよね。場所は渋谷の文化村の裏手あたりで、一階には美味しい自然食系のレストランもあります。

予告編動画はあんまりいい出来ではありません。映画の雰囲気はこんなにおどろおどろしい感じじゃないので。もう少し淡々としたドキュメンタリーです。小泉政権時代に起きたイラク戦争、そしてその中で行われた自衛隊の海外派遣、「アメリカの仲間」として日本人が拘束されたファルージャ人質事件と、その後の「自己責任論」バッシングと中傷の嵐。その集団リンチを経て、当事者たちは現在をどう生きているのか。また、日本人にとって「終わった」戦争であるイラク戦争の舞台となったその国では、今何が進行しているのか。若干盛り込みすぎではありますが、あの戦争をリアルタイムで知らない若い世代の人にも、一通りのことがおさらいできる作りになっています。

演出とか編集には稚拙さがあって、ぶっちゃけ素人臭いです。でも、そのへんのマイナス点は、なんにしてもこの監督が、カメラ持って現在のイラクに飛び込んでいって、今のイラクとそこに関わる人たちの姿を撮って帰ってきて公開した、という一点で相殺されるんじゃないかと思う。というような映画でした。

最初のほうの事件おさらいは、当時をリアルタイムで知ってる私ぐらいの世代だと冗長に感じますが、もう10年経ってるので若い人が見るにはこれぐらい必要かなと思う。イントロダクションのあとは、当時人質となって拘束され、現在もイラクで医療支援活動を行っている高遠さん、また当時最年少の18歳で拘束され、現在はNPOを立ち上げて、通信教育学校の若者たちの支援活動をしている今井さんの現在を追いつつ、米軍が使用したと思われる劣化ウラン弾による赤ん坊の奇形の問題、米軍が撤退した現在も内戦状態が続き、不安定な政情の中、多くの人が命を落とし続けるイラクの現状、また人質事件当時巻き起こった「自己責任」論とバッシングについて、当時の報道関係者まで取材してまな板に載せている。

監督自身が当時高校生ながら反戦デモに参加したりしていた女の子だった、ということで、ある種のバイアスはありますが、それでもそういう色眼鏡で見て避けてしまうのはあまりにもったいない映画です。正直、こういうものは20〜30年ぐらい前だったら、テレビがいいドキュメンタリーを撮ったんじゃないかと思う。でも、今のテレビは本当にダメです。深夜ですら、こういう野心的なテーマを選び、誰も知らないことを、誰も行かない場所にいって取材してこよう、っていうドキュメンタリーがなくなった。だからこういうものを見たいと思ったら、めんどくさくても劇場まで足を運ぶしかありません。そしてこの映画は、「作品」としての出来はイマイチでもやっぱり人に見られるべき素材だと思いました。

当時を知らない若い人はよくわかんない話だと思いますが、「自己責任」という今おおはやりの言葉は、このとき出てきたものだと思います。この言葉はその後、あらゆる場面で拡大解釈されるようになって、今やちょっとでもマジョリティと違うことを選んだ人は、そのことによって生じる不利益を『全部自己責任だから自分でなんとかしろ』といわれかねない世の中になっているな、ということは皆さん感じているのではないでしょうか。

実験経済学の論文で、「スパイト行為」(自分の利益を損ねてでも他者に罰を与えようとする行為)に関するレポートがあって(ちょっと古い。2006年のもの)、それを読んだときに私、ああ、まったくその通りだ、と思ったんですけども、日本人と米国人のグループを対象とした実験で、簡単に言うと、「日本人はそのことによって仮に自分自身も損をすることになるとしても、他人が得をすることを妨害したがる傾向が有意に高い」という結果が出た、っていう話なんですよね。

海外で犯罪に巻き込まれたときに、国が自国民を守ってくれる、ということは本来どの国民にとっても利益となることなのですが、「お前を助けるためにこれだけ金と労力がかかった、弁償しろ」と言う人たちは、自分がそういう立場になったときには同じように弁済を迫られるリスクがあるにも関わらず、この助けられた人たちを全力で叩きのめそうとする。落ち着いて考えるとどうかしてる話なんですが、この論理の応用はいたるところに見られます。

たとえば、今冬季オリンピックをやってるわけなんですけども、これでメダルをとれなかった選手に対して、「国費を使っているのに税金泥棒」とか言い出す馬鹿が出てくる。マジかと思うのですが、出てくる。でもここ、お金かけなきゃとても個人のまかなえる金額じゃオリンピックに出られるような海外遠征もできないし、となると今度東京に来るっていうオリンピックの招致だってできっこないわけです。私は基本的にオリンピックなんか来なくていいよと思ってるほうなんですけど、来たら経済潤って万々歳とか言ってるような人が、何故メダルとれなかったぐらいで選手が「国賊」みたいなことを言い出すのか?

私は結構どれもこれも、あの事件のときに、国が「自己責任」論を持ち出して、彼らを「何も考えずに危険地域に行って国から助けてもらった、国家にとって存在することじたいが迷惑な人間」である、という扱いをすることによって、多くの誤報やネガキャンも鵜呑みにした人たちによる集団リンチを先導したからだ、と思ってるんですよ。

「国民は国家に迷惑をかけるな」というのを国が言い出したらこれかなり末期です。マイノリティは死ねといってるようなものだからです。イノベーションを起こすのは、常にマイノリティであるにも関わらず、それを叩き潰していったら、進歩や前進なんか起きないんですが、秩序維持を最優先とする全体主義者たちはそれでもその崖っぷちに国民を追い込もうとする。

今アベシンゾーが憲法変えなくても解釈変えれば自衛隊は海外派兵できるとか言い出してますが、ファルージャの人質事件が発生したそもそもの理由というか原因は、戦争が始まるや否や小泉首相が、つまり海外から見れば日本という「国が」アメリカの戦争を支持しますよ、と世界に向けてアピールしたことです。イラクの国民が「平和主義だと思っていた日本人が、自分たちの敵であるアメリカを支持した、ピストルを持った軍隊を送り込んできた、彼らはなんの罪もない民間人を沢山殺しているアメリカの仲間だから、この殺戮の責任は日本人にもある」と解釈したことが発端なのであって、あの時期ゲリラに拘束された日本人はそうした国の方針によって拘束され、または殺されたわけです。

そして、その方針決定について「責任」があった当時の政治家、官僚に対しても、監督は取材を試みるのですが、誰1人として取材に応じない。その部分まで映画の中に入れたのは、なかなかぐっじょぶでした。

ダラダラ長くなりましたが、要するに現在も続いているイラクの戦争は、我々ひとりひとりが好むと好まざるとに関わらず、首長にしてしまった人間が「日本はその戦争を支持する」と世界に発信したが故に、その結果に関しても我々国民ひとりひとりに責任があることになってしまった、っていうことです。おそらくは劣化ウラン弾の放射線が原因で、心臓が身体の外にある赤ちゃん、頭が二つある赤ちゃん、そんな赤ちゃんたちの姿を私は、この映画の中で見てきました。あの赤ちゃんたちの死に対して、私は「責任」がある。それはうすっぺらな「自己責任」論における「責任」なんかとは比べ物にならないような重たい責任だと思うのです。

開戦理由とされたイラクの大量破壊兵器は発見されませんでした。そして今、アベシンゾーとその取り巻き連中に支配された政府広報テレビ(NHK)は、北朝鮮の危機について煽り立てる報道を繰り返しています。このことについて、国民の「責任」の本質とは何か、有権者はよくよく考えねばなりません。

しんどい映画ですが、現在も医療支援活動を続けている高遠さんのバイタリティ、若い今井さんが若者支援という新しい形の社会貢献の道を見つけて進んでいく姿に、元気づけられる映画でもあります。上演はもうしばらく続くらしいので、お時間ある方は是非どうぞ。
タグ:映画
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2014年01月26日

「ハンナ・アーレント」…私とあなたの中にある悪の凡庸さ

見てきてからもう半月もたっちゃったんですけど、アベシンゾー中心とする自民党政権の政治的暴走によるきな臭い状況は延々続くばかりか悪化しているので、これはやっぱり見るべき映画ということでレビューしておこうと思います。

映画「ハンナ・アーレント

去年の秋にまず東京の岩波ホールで公開されてロングランとなり全国での公開が広がっている作品。



ハンナ・アーレントの人物像については、Wikipediaあたりにものっているので、そのへんご覧いただければと思いますが、ドイツ系ユダヤ人の哲学者・思想家で、自身も亡命先のフランスで収容施設生活を経験(当時フランスはドイツ占領下にあったので、アウシュビッツのような殺され方こそしなかったものの、ユダヤ系の住民は収容施設に入れられて多くの人が亡くなっています)、その後アメリカに亡命という経験をしている人です。

映画は彼女が亡命先のアメリカで戦後順調な大学教授生活を送っている最中の1960年代初頭、ナチス・ドイツの戦犯、アドルフ・アイヒマンが逮捕され、大量虐殺の罪で裁かれることになった裁判の傍聴記録を書くことになるところから始まります。

ユダヤ人である彼女に対して求められていたのは、当然ながらナチス・ドイツの極悪人を糾弾し、「人間の皮を被った悪魔」の本性を描く、ということ。もちろん、ハンナ自身もどんな悪魔がそこにいるのか、と怯えながら、それに対峙しようと傍聴に赴いたのだと思います(ちなみに裁判の映像は、当時の実際のアイヒマン裁判で撮られた映像を使っているそうです)。ところが彼女がそこで見たのは、何百万人もの人を死地に送り込んだ極悪非道のモンスターではなくて、「すべて上から命令されたことでした。」「私はその命令を私の職分にしたがって実行しただけです。」「結果として死んだユダヤ人のことは気の毒だとは思います。」「ですが私は命令を実行するほかなかったのです。」といい続ける、ただの小役人の姿でした。

彼女は憤りながら言います。「彼はメフィストテレスなどのようなものではなく、官僚システムの中で自ら考え、自分のしたことの結果を想像すること放棄した小役人にすぎなかった。」何百万人もの死が、民族に対する悪意にすら基づかず、思考停止した人間の事務処理によってもたらされたという事実をハンナは憤りをもって直視し、これを「悪の凡庸さ」と名づけ、「最も恐ろしい悪は他の人とは違う特別な人間によって引き起こされるのではなく、考えることを放棄したごく普通の人間によって行われる。」ということをその傍聴記録において主張します。

そもそも彼女は哲学者なので、NYタイムズに掲載された傍聴記録はいわゆる一般大衆が期待するような傍聴記録(やれアイヒマンはどのような冷酷な目をしていたか、どのように汗をぬぐったか、とかそういう中継的な記録)にはならず、しかもその思索の過程において、考えることを放棄したアイヒマン、当時のドイツ人たちとあわせ、被害者であるユダヤ人の中にも、組織の長として多くの人間を死地に追いやる結果に加担した人間たちがいたこと、彼らの行動次第では死なずにすんだ人がいたかもしれないということも、事実として指摘してしまいます。

このことは一般のユダヤ人社会のみならず、彼女が属していたリベラルな知識人階級の人びとからも容易には受け入れられず、彼女は「人殺しのナチスを擁護した」というレッテルを貼られてすさまじいバッシングに晒されることになります。彼女が信頼した友人たちの多くも、彼女に背を向けていくことになります。しまいにはシオニスト組織から身の安全について警告を行われるところまでいってしまう。

このヒステリックな反応は、ホロコースト当事者でない私たち日本人には少し理解しがたいところではあります。彼女はナチスを擁護などしていないし、単に「彼の悪は皆が期待しているような悪ではなく、このように『誰にでも起こり得る』悪だったのだ、と指摘したに過ぎないのですが、でもそれは「あれは我々とは違う特別な人間、人間の皮をかぶった悪魔のやったことだ。火炙りにしろ。」と主張することで、自分と「彼ら」を切り離して安心したい人たちにとっては、耐え難い不安をもたらすことだったのだろう、と思いました。

たとえば私たち日本人の立場に置き換えてみれば、「太平洋戦争は軍部の暴走によって起きたことで、一般の国民は正しい情報も知らされず、ただ巻き込まれて多くの死者を出したのだ」と思いたい人たちにとって、「いや、結構ノリノリだった人たちもいる」とかそういうことは「あってはならない」ことで、「あったとしても例外」でなくてはならず、ましてや「自分もその中において日本軍の数々の戦果に高揚したのだ」なんていうことは口が裂けても言えないわけです。だからこそ、そういう指摘やその指摘に繋がる論説に対して、人はほとんどヒステリックに反発することになるわけです。

同様に、彼女がいくら論理的に「事実を事実として書いただけ、あれは特別な人間ではない。」と説明しても、それを認めれば「凡庸な悪」が自らの中にもあることを認めたくない人たちからは感情的な反発を食らうばかりで、ついには大学教授の職も失いかねない状況まで追い込まれます。

映画は、ハンナがこうしたバッシングに対する回答を、ついに大学の公開講義の形で行うシーンをクライマックスとし、彼女の力強い反駁に、多くの学生が拍手を送るシーンへとうつりますが、それでも講義後旧知の友人を見つけた彼女が「来てくれたのね。」と嬉しそうに駆け寄ろうとすると、その友人は、彼女に対して決別の言葉を伝えて背を向けていくという、アメリカ映画だったらここでみんなが「感動!」「やっぱりハンナが正しい!」ってなって、彼女をバッシングした人たちがすごすご退散して大団円、ってなるはずだよなぁーというのに対して、実にヨーロッパ映画っぽいもやもや感を残したエンディングへと繋がっていきますが、それが事実そうであったということ含め、「わかりやすい解」を求めて「考えることを放棄」したい人々の欲求に対して、あくまで「考える人」であり続け、解けない謎と格闘し続けるハンナの思索の強度を感じさせるものになっています。

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タグ:映画
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2013年10月06日

そして父になる

先週みてきたのでもう一週間たっちゃったんですが、この映画の話を。

そして父になる(是枝裕和監督)



今年のカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したこともあってか、わりと大きめの劇場で見てきたんですが、ほぼ満席でした。福山雅治ファンも多いのかなー。私は、昔の「ひとつ屋根の下」あたりの時期の「売り出し中のミュージシャンがテレビドラマに出てる」って感じのイメージが強くて、今のコンサートをやれば満席、テレビをつければ彼出演のコマーシャルだらけでいったい広告してる商品が何なのかすらよくわからん、観てないがガリレオは当たり役らしい、とかの状況がよく飲み込めてないんですが、でも彼も父親役やる年齢なのかーと感慨深く。


いしだ壱成およびのりピーがああいうことになっちゃったんで、おそらくもう再放送とかないドラマですが、この頃とほとんど顔変わってない福山雅治すごい。

是枝監督は同じくカンヌで大絶賛され、柳楽優弥くんが史上最年少で主演男優賞を受賞した「誰も知らない」も大好きなのですが、あれは1980年代に起きた「巣鴨子ども置き去り事件」をモチーフにしていて、今回の作品も、実際に起きた赤ん坊取り違え事件とその後を追ったルポルタージュ「ねじれた絆」に着想を得ています。

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こっちの本は未読なんですが…。

以下、ネタバレあるのでこれからご覧になる方はご注意を。
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タグ:映画
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2013年05月06日

セデック・バレ

このGW中にとにかく観たい映画、ということで、吉祥寺のバウスシアターにいってきました。セデック・バレ、台湾映画、2011 年作品。



予告編映像のラストにも出てきますが、第一部第二部あわせて4時間半。さすがに疲れるだろうと思って、二日に分けて見に行くつもりだったんですが、第一部みたらもうたまんなくなって、出てすぐチケット買って第二部も見てしまいました。

1895年から半世紀にわたり続いた台湾の日本統治時代に起きた、原住民族による部族蜂起「霧社事件」を題材とする映画ですが、歴史映画というより、歴史に題材を得たスケールの大きなエンターテイメント映画ですね。

私はホウ・シャオシェンの初期の一連の映画作品が大好きで、90年代にはずいぶん沢山劇場で観てたんですが…

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たとえばこれとか、ホウ・シャオシェン監督の自伝的長編で、今は監督もえらいゲイジュツテキになっちゃって、うーんややこしいな、っていう作風に変わってきちゃったんであんまり観なくなっちゃったんですが、このへんの初期作品の絵の作り方とかは小津映画にも通じるリアリズムがあって、すごい好きだった。

で、そこそこ沢山観てたんですが、そこに出てきた日本統治下の台湾とか、日本統治時代の香りの残る台湾都心部の風景とはまったく違う、生々しい「占領」「支配」の姿が描かれていて、それもすごかったし、そもそも台湾の先住民族のことって、あちらの教科書にも数行しか出てこないらしいんですね。日本でも教科書にアイヌ民族のことなんて、そんなに詳しく書いてないじゃないですか。そのぐらいの扱いらしい。だから当然初めて知る歴史。こんな首狩り族が台湾に住んでたってことも知らなかったし、もう色々びっくり、目からウロコの映画でした。

こうやって書くと「台湾は親日国だと思ってたのに、反日映画で盛り上がるなんてがっかり」とか言い出す人が出てくるんですけど、そんなみみっちい映画じゃないです。だいたい、スタッフがすごい。アジアの映画人総結集みたいなスタッフです。のっけからアクションシーンがすごいんですが、アクション監督は韓国から招聘。バイオレンス映画「オールド・ボーイ」などで活躍したシム・ジェウォン、ヤン・ギルヨンらが参加しています。山奥の先住民の集落から、そこを開拓して日本人が作らせた「村」まで、当然セットで再現してるわけですが、この美術がまた素晴らしいと思ったら、「スワロウテイル」の美術を手がけた種田洋平なんかが参加してたりするわけです。監督は知らない人だったんですけど、プロデューサーが香港映画の大監督ジョン・ウーやらテレンス・チャンやら、なんだこの豪華スタッフ!という。

でも最初からこんな大企画がスムーズにとおったわけじゃなくて、監督は10年以上前からこの映画が撮りたくて、自分で700万円用意して5分間のトレイラーを撮って、ネット公開して資金集めをしたんだそうです。45万台湾ドル集めたんだけど、計画は頓挫してしまい、それから別の映画「海角七号/君想う、国境の南」っていう映画を撮って、それがヒットして、それでまたこの「セデック・バレ」にとりかかったんだそうです。リアリティを追求して先住民族をキャスティング。多くは素人、長い時間をかけての演技指導を経てから撮影にとりかかったんだとか。とにかくだから、これ完成させたのは、ひたすら監督の熱意とこだわりなんですよね。

でもこの出演者の大半が素人だなんてびっくりです。主人公の壮年期を演じたリン・チンタイさんなんかは現役の牧師さんなんだそうで。でもむちゃくちゃかっこいいですよ。人生の年輪を思わせるその存在感は、もう演技超えてこの人の存在感そのものなんだろうな、という感じで。

以下ネタバレあり要注意。
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タグ:映画
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2013年04月20日

久しぶりの更新と、39窃盗団のこと。

新学期始まっていい加減チョビも学校行き始めるかと思いきや徹底抗戦の不登校で、担任の先生は若手で真面目なんだけどもうそんなに毎日電話くれちゃうと余計プレッシャーだからやめてwwみたいな話を調整しなきゃならんかったり、ケースワーカーに相談いったりで目の回るような日々を過ごしていたら、もうゴールデンウィーク目前になっちゃいました。今年は旅行計画どころじゃなかったのですが、姉夫婦がチョビとばあばを軽井沢につれてってくれるというので、私は猫さんのお世話係で留守番です。まあいいか。半月もブログ更新してなかったので、しをにーとミーミのお誕生日もすっぽかしてしまった…そして今日はるうるう(EXO-M)のお誕生日らしい。いやーめでたい。だが忙しいw

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とりあえず二人まとめておめでと♪

しをにーのお誕生日時期の聖地巡礼(<正しい意味で)ツイートは微笑ましかったですが、このへんの交友関係のビッグさ加減には毎度のことながらクラクラしますね。

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4/15のweiboですが、アンディ・ラウとジャッキー・チェン(若干背後霊になってるジャッキー愛おしい…)だって。ワールドスターすぎる…。

あと、ミーミの全力の変顔愛おしい。
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昔流行ったあの千円札折り曲げるやつを思い出しました…。

SS5海外ツアー、皮切りは南米だそうです。空港写真見てたらシンドン皮ジャン姿だし、どんちゃんに至ってはマフラー巻いてるのに、ヘンリーはピンクのぺらっぺらのTシャツ一枚で、この人たちみんな自分どこに行くのかわかってるのかなぁ…と不安になりました。毎週のように飛行機乗ってどっか行ってる感じなので、わかんなくなりそうですよね。ツアーはブラジル、アルゼンチン、ペルー、チリを一日おきにまわるハードスケジュールなので、怪我や病気がないといいなぁと思います。南米えるぷちゃんたち、メンバーと一緒に楽しんでね!

南米行きたいなぁ…ってツイートしてる兄さんの写真見てたらちょっと切なくなったけど、弟たちが頑張ってくれるからね。兄さんの入隊までのカウントダウンも始まってしまった…。5/6、ゴールデンウィーク中ではありますが、特にセレモニーはやらないみたいですね。公益勤務だし、静かに入隊したいという本人の希望をかなえてあげられるといいなぁ。

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ひちょが入隊したときには、2年ってめちゃくちゃ長いと思ったけど、秋にはひちょが帰ってくる。トゥギは芸能兵として忙しく活動してるし、きっと兄さんの2年間も、あっという間だよ!って思います。そうそう、ELFジャパンでは兄さんへのメッセージ募集中です。24日までなので、お忘れなく!

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posted by なつめ at 02:16| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月16日

I AMみてきた

もう先週の話になっちゃうんですが、思い立ってI AMみてきました。ここへきてまた予告編動画っぽいので回ってますね。そこまで見せちゃう!?みたいな。


SJ代表は、ひょくみん!ひょくみん!

私は自他ともに認めるウネペンですが、でもヒョクミンは正義だと思っている。内気なミンくんがヒョクチェと一緒だと比較的リラックスしてるところがいいんだよなぁ。

ともあれ、感想。なるべくネタバレなしで。

なんというかこれほとんど期待してなかったんです実は。SJのPARIS公演に絡めたドキュメンタリーが、結構お涙頂戴な構成だったじゃないですか。なんかそういう感じかなぁーと思って、だったら大画面でわざわざ見なくてもいいか、とちょっと思ってたんです。でも、ご覧になった方たちが「もう一度みたい!」とかツイートされてるのを見て、やっぱり行っておこうかなぁーと。

んで、結論からいうと、これは「劇場で見てよかった!」でした。正直、SS3の3D映画よりもお得感あったかなぁ。ただし、これかなりの予備知識が必要な映画だとは思いました。NYのSM TOWNのライブステージと、アーティストへのインタビュー、練習生時代の映像が、フラッシュバックっぽく交錯するので、「ああ、これは」というのがぱっと見でわかる人じゃないと、なんのことやら…って感じじゃないかと思います。逆に、ある程度の予備知識がある人には「うぎゃーこれはお宝映像やん!」とか「おお、懐かしい」とか「あ、若い(幼い)、かわいい♪」とかでひっきりなしに興奮したり萌えたりって感じで、二時間あっても忙しすぎたよ!ぐらいの感じじゃないかと。長時間インタビュー聞かせる構成じゃないので、お涙頂戴ゴリ押しはないです。でも、途中何度かうるっとくるとこはあります。

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タグ:f(x) SM town
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2012年05月25日

サニー 永遠の仲間たち

今年入ってから、引越しだなんだで劇場で全然映画を見てなかったので、もやもやが溜まっていたのですが、今日はちょっと上手い具合に時間があいたので、超久しぶりに映画みてきました。

サニー 永遠の仲間たち


カン・ソラちゃんの出演映画ですよー。韓国では740万人を動員した大ヒット映画だそうです。正直、ソラちゃん出演ってことがなかったら気づかなかったかも知れない映画だったのですが、これアラフォーの私にはあまりにもジャストミートで、久々に劇場で見た映画がこれでよかった!って感じで本当に気持ちよく帰ってくることができました。渋谷あまりに人が多くて劇場つくまでげんなりしてたんだけど、帰りは足どりも軽くなっちゃうぐらい、爽やかな映画でした。
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posted by なつめ at 02:31| Comment(33) | TrackBack(1) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月22日

「それから」…森田芳光監督 逝く

お昼休みの頃につらーっとtwitterのTLを眺めてたら、またあらたな訃報が流れてきました。森田芳光監督、急性肝不全で死去。享年61歳。

出世作の「家族ゲーム」のときには、私ちょっとまだ子どもだったので、見たのも劇場じゃなくテレビのなんとか洋画劇場とかにあがってからで、ヘンな映画だなぁーという印象でしかなかったのですが、「それから」は劇場でも見たし。森田芳光の映画の中でも特に好きなのはやっぱりこれだなぁ。


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残念ながらつべにも映画の予告編とかはなくて、これはサントラ曲に映画の写真をあわせた紙芝居ですが、雰囲気はちょっと味わえるかと。



夏目漱石の小説「それから」の映画化。プッツン女優とか言われている藤谷美和子がまだ若くて、儚げなヒロインの印象にうまく沿っていました。「さみしくっていけないから、またきて頂戴」という小説まんまの台詞が、ある種にリアリティを持ってちゃんと音声化されているというのが見ていて実に不思議だったなぁ。主演は松田優作、小林薫。今は朝の連ドラの気のいいおっちゃんを演じている小林薫ですが、この映画の小林薫はすごかった。優作さんもよかったんだけど、この映画の小林薫には鬼気迫るものがあった。「どうも、運命だから、仕方がない」という平岡の台詞、ここで代助と平岡が対峙するシーンでは、抑えた演技ながらどうしたって小林薫に眼が行く。すごいですよ。

森田芳光って「家族ゲーム」があるので、なんとなくニューウェーブみたいな位置づけだったけど、「それから」は本当になんというかものすごく原作に忠実な映画化で、でもそれが昭和(当時昭和ですからね)という原作とは違う時代にありながら、時代劇的な「遠さ」がなくて、そこに登場する人物の感情の生々しさみたいなのが、すごーく抑制された演出の中にぎゅっと濃縮されてる、不思議なトーンの映画です。うーん言葉で説明してもあんまり上手くいえないんですが、とにかくこの映画は、いっぺん見ても損はしないと思う。ただし、結構集中して入り込んでみないともったいないので、体力あるときに見る映画だと思います。

こういう、ふわふわしちゃいそうな素材に、生命のリアルさを吹き込むのが、すごく上手い監督だったという気がします。ヒット作の「失楽園」、私はなべづん先生のしょーもないエロ小説が大嫌いなので見なかったのですが、劇場にいった友達は、「あれ小説はひどいけど映画はすごくよかった」と言ってました。主人公がヒロインに惹かれていく心の動きが、すごくリアルにわかるんだ、と。ヅン先生の小説は「だからなにその超展開」って感じで全然リアルもへったくれもなかったんですけど、そういう素材をきちんと生まれなおさせることができる監督だったんだよなぁ。それってすごいと思います。素晴らしい原作小説をダメ映画でめちゃめちゃにしてしまう、というのは結構簡単でよくありがちなんですが、しょーもない小説をすごい映画にしちゃう(しかもプロットは変えずに)、って、やっぱりすごいと思う。
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タグ:映画
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2011年11月27日

素敵な金縛り

やっとチョビの一日オフがあったので、久しぶりに映画みてきました。

素敵な金縛り(監督・三谷幸喜)
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帰りがけにちょっと飲んできたので気分がいいせいもありますが、ここ何回かちょっとハズレが多かった三谷映画の中ではダントツで面白かったです。三谷映画だと、やっぱりなんといっても「12人の優しい日本人」(脚本参加)が圧倒的に面白くて、次は「有頂天ホテル」、なんだけど「マジックアワー」「笑いの大学」とかはそれを映画でやる面白さがイマイチ感じられず、「悪くないけどこれむしろ舞台のほうが面白くない?」っていう作品がなんとなく続いて、正直今回もとくに行きたいと思ってたわけじゃなかったのですが、チョビに付き合ってみにいって、アタリだったのでなんか嬉しいです。

深津絵里ちゃんのコメディエンヌっぷりの可愛らしさ、中井貴一の上手さ、あと西田敏行ってちょっとあざといよなって思うことが多くてあまり好きじゃないんだけど、この映画の西田敏行は好きにならざるを得ない、って感じで好演でした。主人公深津絵里ちゃんの恋人役を演じたお笑い芸人の木下隆行もいい味出してます。役者でいけるんじゃないかと思います。テルマエロマエの公開が近い阿部ちゃんもすごくいい味出してましたが、阿部ちゃん売れっ子すぎる。劇場の予告編だけで2本阿部ちゃんが出演してました。こんなにいい役者になるとは誰が予測しただろう。やっぱりつかこうへいの舞台作品に出たのがよかったんだろうなー。

市村正親がすごく楽しそうにアホな役を演じていてよかったです。あと小日向文世さんは美味しいですねー。カメオ出演も多くて、あとでDVD見てもいろいろ発見がありそうです。ストーリー的には若干だれるところもあるのですが、とりあえず罪なく笑える映画っていうのも、やっぱり世の中には必要なんじゃないでしょうか。

予告編の中でチョビが反応していたのは「聯合艦隊司令長官 山本五十六」でした。私は歴史系なら「1911」(ジャッキー・チェン)のほうが見たいかなと思ったんですが。久しぶりに映画館に行くと、芋づる式にまた見たい映画が増えて楽しいです。

というか、テルマエ・ロマエ、続いてるんですねー。あれアイディアは面白いけど、聖☆お兄さんと一緒でそんなに長く続けるもんじゃないだろ、と思ってたんだけど、もう4巻出たのか。映画も見たいけど、漫画も続き読もうかな。


テルマエ・ロマエ IV (ビームコミックス)
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エンターブレイン

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posted by なつめ at 22:22| Comment(4) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月24日

DVD「天然コケッコー」

なんかすごく今さらなのですが、レンタルビデオやさんで借りようと思ってた「ノーボーイズ、ノークライ」が貸し出し中で、うーんでも渡辺あやのが見たい、と思って借りたのでした。


天然コケッコー [DVD]
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映画「天然コケッコー
監督:山下敦弘 脚本:渡辺あや 原作:くらもちふさこの同名漫画 
出演:夏帆、岡田将生ほか

<見渡す限り山と田んぼが広がる木村町。全校生徒合わせてわずか6人しかいない山の分校にやってきた都会の転校生と、素朴な町の少女の淡い思いを描いた物語>

…というわけで、夏帆ちゃんってこのぽかーんとしたおクチがかわいくって大好きなのですが、彼女のかわいさ全開の、やさしい映画です。
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タグ:映画
posted by なつめ at 00:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月12日

天海祐希さまが美しすぎる…ゲキシネ「薔薇とサムライ」

ここんとこステージ映画が続いてますが、みてきました劇団☆新感線のゲキシネ「薔薇とサムライ」@新宿バルト9。



この作品と同じシリーズである「五右衛門ロック」を見たのが2〜3年前だと思うんですが、今回も面白かったー。なんせこの全然チケットとれない新感線の舞台がたとえ映画でも観られて2500円は結構お安いと思うのです。普通の映画の感覚でいくと割高感あると思うのですが、その価値はありますよ!

前回観た五右衛門ロックでは、江口洋介の意外な健闘ぶりに驚いたのですが、今回は最近もっぱらミュージカルで活躍中という神田沙也加ちゃんつまり松田聖子と神田正輝の一人娘ってことになりますが、彼女のミュージカル女優としての安定感に驚きました。噂には聞いてましたが、いやー彼女の舞台女優としての実力はなかなかたいしたもんだと思います。五右衛門ロックでは松雪泰子さんとか濱田マリさんもなかなか頑張ってましたが、やっぱりでかいステージにはちょっと演技の線が細いというか、物足りない感があった。神田沙也加ちゃんはかわいいお姫様役ですが、主役も充分いけると思う。歌唱力だけじゃなくて、大きな舞台にみあったボリュームのある演技ができる人だった。普段ミュージカルとかあんまり観ないんですが、ちょっと別の役の演技も観てみたいなと思いました。

そして、何よりかにより、主演の天海祐希さまです。父は大阪出身だったんですが、私宝塚の舞台はリアルでは観たことなくて、どんなものかと興味津々だったりもするのですが、こんな美しい男装の麗人が見られるんだったらちょっとチケット高くても観にいくなと思っちゃいました。こんな金髪の巻き毛のヅラかぶってヨーロッパ風の軍服着てなんて、普通の人がやったらコントになっちゃいますよ。それがねぇ、もうどの角度でも絵になるの。華があるの。殺陣のシーンも、どこを切り取っても美しいのですよ。これは美人だからスタイルがいいからどうとかではなくて(もちろんそれも重要なんだけど)、身体の鍛え方が違うんだなと。自分の身体のどこをどう使って大きく見せるのか、美しく見せるのか、それを知り尽くしたヅカ出身の女優さんが、いかに舞台エリートであるかを思い知った感じ。
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タグ:映画 舞台
posted by なつめ at 22:27| Comment(6) | TrackBack(0) | 映画のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする